13.まずじっくりマッチの製造過程を見せる。正しい入り方。それから天安門事件を告げるテレビのニュースの声、パンしてつけまつげを付けるヒロインに至る。この人の映画では『真夜中の虹』など、遠い国への憧れみたいなものがあり、今回も歌なんかで南米志向が伺えるんだけど、遠い国にも悲惨はあり(たとえば天安門)、その国の悲惨とこの国の悲惨とがちっとも触れ合えないでいることの悲惨(というより脱力感か)を描きたいんじゃないか。監督らしさは、たとえば男がイリスの家を訪問したときの気まず~い感じ、バーで男のコップの目の前で薬を入れるとことか、あそこらへんのユーモア感覚。会話がほとんどない。過剰に不幸を受け入れていくところにヘンな勢いが感じられ、毒薬を持って夜の公園を歩いてくる凄味など。暖かい国ではなく、寒い監獄へ、と。たしか『真夜中の虹』でも「悲愴」が流れた。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2013-10-30 09:27:19) |
12.シンプルなお話だし、救いがない話だけどトークも少なく自分はとてもこの世界観が好きです。 【将】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2009-09-14 21:05:35) |
11.何だろう?この暗く悲惨で絶望的な話なのにそれを弾き飛ばしてしまう不思議な魅力に包まれていて見ていても単なる不幸、絶望感だけを感じさせずに見せてしまうこの監督の凄さ、主演の女優にほとんど台詞を言わせずに表情、それも無表情で語らせるという言葉になど出さなくても伝えられる。伝える方法があるんだよ!と何でも台詞で言わせてしまう説明的な駄目な今の日本映画に対して語っているようです。至ってシンプルで何がしたいのかさえ解らない複雑なだけの映画に対しても映画とはこうするものだと言っているようにも感じる。とにかく見ていてもけして、面白いとか楽しいとか大笑いするとかそういう映画ではないのに退屈せずに見られるのは監督の力量によるものと、この監督の映画は不幸の中にも何か希望若しくは映画的なカタルシスやユーモアを思わせるものが見える。同じ不幸な主人公を題材にしても「ダンサー・イン・ザ・ダーク」や「ドッグヴィル」の監督とは大違いである。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2009-09-06 22:00:29) |
10.アキ・カウリスマキの作品を観るのは、自身、三作品目だ。 相変わらずの、独特の世界。 主人公はめっぽう寡黙。 そして、極めて不幸っぽい雰囲気を醸している。 また、美男美女が出てこないのも特徴だ。 でも私はこの映画を気に入った。 「カタルシスを得る」という言葉を耳にしたことはあったが、よく意味を理解していなかった。 しかし、この映画を観て、その言葉の意味を理解した。 なんか、少しだけ気分がよい。 カタルシスを得られると同時に、その言葉の意味も理解できる映画だ。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2007-08-31 00:01:47) |
9.いろいろと感想書くのは「特に」難しい作品かな? 1時間ちょっとなので、まずはご覧あれ。 |
8.淡々と次から次へと襲い来る不幸、そしてキレた彼女は淡々と逆襲をしていく。まるで風車の理論のような映画は淡々としたラストへ向かう。マッチの出来るまでの工程がわかります。 【亜流派 十五郎】さん 4点(2004-05-28 20:25:58) |
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7.悲惨なストーリーなのに、淡々としてるのでなんか見てしまうんですね。心がささくれてどうしようも無いときにみると結構嵌ります。 【モンキィボォン】さん 6点(2004-03-04 13:29:41) |
6.全体的に暗いですが、笑いどころは笑えます。かなりブラックなネタもかまされていて好印象です。カティが好きな人にはたまらん映画でしょうね。こんな初期作品でも厳然とカウリスマキ・スタイルがあってその点は感心します。 【藤堂直己】さん 8点(2004-01-25 17:00:58) |
5.普通に作ったら、ドロドロの愛憎劇なんですけどね。例えば、何だか世界から大事なネジが一本抜け落ちちゃった感じですね。そのバランスの崩れ加減が、アレアレと、妙な可笑しさに繋がってます。思いもよらない変な味付けの料理みたいなもんで、沢山は食べられませんが、程よい長さの映画になってます(これで三時間くらいまったりとやられたらさすがにキツイでしょうなあ)。 【鱗歌】さん 7点(2003-08-31 01:30:33) |
4.TSU○AYAのHPでジャンルは「コメディ」となっていたが,終始暗い雰囲気で笑える感じではない。見終わった後にブラックコメディだったのかな?とか思ったけど,どう考えてみても面白くないものは面白くない。 【北狐】さん 2点(2003-08-11 16:00:01) |
3.【やまプー】さんと同感。この作品と「ストレンジャー・ザン・パラダイス」はよく分かりませんでした(どちらも監督が小津安二郎に影響を受けてるってのが興味深い)。ちと今の僕には敷居が高いのです。 【ぐるぐる】さん 5点(2003-08-06 13:26:08) |
2.ロベール・ブレッソン好みの物語を、やはりブレッソン風のタッチで描いて、しかもブラックユーモア溢れる「喜劇」に仕立て上げるカウリスマキ監督の才気にゃ、ただただ感服。今に至る彼の映画のミューズである、カティ・オウティネンの根暗なコメディエンヌぶりにも圧倒されたものだった。常に虐げられてきたヒロインが、最後に「加害者」に転じる後半には、不思議なカタルシスさえあったもの。うん、傑作です。 【やましんの巻】さん 9点(2003-08-04 13:47:49) |
1.アキ・カウリスマキの映画で初めて見たのが、この映画でした。全編にわたる暗くて独特のトーンや、ひねくれた感覚が、なんと言っていいのかわからず、悲惨なラストの明るい雰囲気も???でした。この映画の後に「レニングラード・カーボーイ・・・」を見てこの監督が大好きになったので、この映画ももう一度観てみたいです。最初に見た時の印象は5点です。 【omut】さん 5点(2003-08-03 05:20:01) |