8.ユーモア溢れる映画で、これが小津映画独特の間と雰囲気によって作り出されている。だがこの映画が作られたのは、日中戦争の発端となった盧溝橋事件の起こるほんの少し前。戦争によって桑野通子のモダンガール姿も消え、小津監督を初め製作担当陣もを駆り出されていくのかと思うと感慨深い。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-10-12 08:59:41) |
7.とにかくセリフが楽しく、俳優陣も魅力的で、何とも言えぬ香気の漂うような心地さえします。特に奔放な大阪娘を見事に演じていた「桑野通子」の存在が大きい。あとマダムたちの会話が笑いを誘い、子供たちも良い味だしている。ラストも粋な喜劇の金字塔。 【丹羽飄逸】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2007-01-03 18:44:50) |
6.誰も彼もが煙草の煙で画面を燻らし、斉藤達雄と桑野通子がトレンチコートと帽子を身に着ける。ハリウッドの30年代ギャング映画を見るかのように、なんだかやけに楽しい。桑野の斜めにかぶった帽子、決まっている。斉藤達雄が粟島すみ子をピシャリと頬を打つ、決まっている。そこへ小津のギャグセンスが、かしこに顔を出し、男と女を軽妙に描いて見せる。何気ない会話と電灯の消滅がエロスを爆発させるラストには参った。ドアの開け閉めによる斎藤と桑野の演技と本気の繰り返しのギャグ。エロスとドア、これはまさにルビッチだ。 【彦馬】さん [DVD(邦画)] 10点(2006-12-12 17:52:01) |
5.小津監督、これまた面白い作品を見つけました。この作品にしてもどの登場人物の描き方がとても面白く描かれていて楽しめる。小津監督の映画を観て感じることは、一人、一人の台詞回し、その時の映し出される表情の豊かさ、面白さ、観ていて本当に楽しい。ストーリーだけを追って観ていたら小津監督の作品は面白くはないと思うし、楽しめないと思う。しかし、小津作品に共通して言えるのは物語よりも間の取り方、会話の楽しさ、暗くなりがちな所をユーモアたっぷりに描くことで楽しませてくれる。だから私は小津監督の作品はどれも好きです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-12 13:15:14) |
4.「お茶漬の味」と「めし」を足したようなお話。戦前の小津映画見る度、当時でもこんなにモダンでお洒落なコメディがあったのかと驚く。小津作品の中でもこういう上流階級が描かれてるものが好きです。常連の斎藤達雄・飯田蝶子あたりもいいけどやっぱり初めて観る栗島すみ子に桑野通子。特に桑野通子が一番印象的な映画。 【バカ王子】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2006-02-11 23:56:29) |
3.面白いし上手いですねえ。現代と何も変わらない、何でもない日常の中での笑いと夫婦愛がこれぞ小津流でしょうか。飯田蝶子は相変わらずのいい味出してますし、突貫小僧も好きだなあ。ラストで鐘の音と共にライトが消えていき、残されたライトの中での夫婦の動きがとても自然な感じでいいんですよねえ。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2005-03-24 00:12:09) |
2.この完成度の高さは驚き!!(←注・小津2本目なんで→)最初は流石に古さは否めず・・感あったのですが、なんのなんの。面白い!!キャラ立ちは見事だし、観る側の視点を限定せず入り込ませてくれるんで。何よりユーモアに秀でてるのがいい。表情も素晴らしいやね。なんにしても、桑野通子♪あの回転の速さ、垢抜けた言い様に「確かにそうだ!」と勇気付けられ、身勝手に見える行動にホッと絆される。一見、好きにかき混ぜてるようで、「雨降って・・」になる様。喫茶店での叔母さんたちの会話と表情にハッとさせられる。愛らしいせっちゃんがくれたプレゼントに観る側も幸福な気分になるのは間違いない!! 【れこば】さん 10点(2004-09-05 21:19:09) (良:1票) |
1.桑野通子の「おじさま、おっさん、ドクトル、おじ公」が笑えた。小津のコメディ作品の中では一番親しみが持てて良かったです。 【かんたーた】さん 9点(2004-09-03 20:19:41) |