1.いわゆる「全共闘世代」とその周辺の映画や文学に対しては、悪意と偏見(と軽蔑)をしか感じないぼくではあるけれど、この映画だけは例外。主人公の大学院生を演じるエリオット・グールドの、現実的でありながら理想主義を隠しきれず、ついには”爆発”させてしまう人間性には、憧憬と尊敬を禁じ得なかった。周囲が「革命ごっこ」に明け暮れるなか、教師になるため仲間や恋人とも一線を引く主人公。だのに、教授たちのあまりの俗物性と保守ぶりを前に怒り、すべてを台無しにする彼の心情なら、今のぼくたちにも十分納得&共感できる。あの当時にここまで”醒めた”スタンスで現状を見据えたこの映画こそ、真に知的かつ「革命的」なのでは? と思えてくる、素晴らしい映画でありました。 …あ、そういえば、ハリソン・フォードが主人公のトッポい(笑)学友役でチラリと顔を見せてくれます。