5.押さえた演出に、これまた木村佳乃の控えめな演技。とりたてて派手な事件は起こらないものの、結婚を言い出せずに初恋相手を探すという、微妙な感情の機微を描いている。極めて日本的な映画だと思う。
最近こういった質素な映画が減っているなか、瀬戸内海の風景にノスタルジーを感じる私には心に染み渡った。
主演の木村佳乃が東京出身らしく、四国の方言に少しだけ違和感を感じる程度であまり無理がない。
しかしストーリーが平凡で冗長なので、人気がないのは仕方がない。三首山のところとか意味不明だし、鶴姫に強い思い入れがあるのか時間使いすぎだろう。
ただ、最後のほうの展開はさすがに静かな感動を呼ぶ。脇役もなかなか味がいい佳作。