1.《ネタバレ》 イギリス小説家であるイアン・マキューアンの『贖罪(Atonement)』(2001)を映画化。1930年代のイギリス中流家庭の姉妹セシーリアとブライオニー、使用人の息子ロビーの三角関係が主軸。
双子の従弟の家出捜索時に従姉ローラが襲われる事件を目撃したブライオニーが、その犯人をロビーだったと告発。ロビーに対しほのかに恋心を持っていたのだが、実はロビーはセシーリアと相思相愛だった。そしてロビーは刑務所に入れられ、のち兵役に駆り出されて・・という話。
ブライオニーの視点を中心に、少女、ナース、小説家の時代に分けて語られていきます。この少女時代を演じたシアーシャ・ローナンがアカデミー助演にノミネートされているのですが、危うく不安定な純粋さを持つ少女を表現し評価されたのでしょう。
映像的には、イギリスの旧い家のたたずまいや緑映える草原の美しい景色、英仏連合軍がナチスドイツに追い詰められたダンケルクにおける悲壮な光景、これらがうまく対比されていて見どころ。
老齢になって出す小説が「つぐない」。ここで実は・・という悲恋話をキレイにまとめています。この収束があってこその作品。音楽もタイプライターの音を効果音として取り入れ作曲賞を受賞しています。
そういえば、「イングリッシュ・ペイシェント」の監督アンソニー・ミンゲラが、インタビュアー役で出ていますが遺作になっちゃいましたね・・。