2.《ネタバレ》 冒頭で何やら会合を開いているカラマリ・ユニオン(イカ墨同盟)の面々。
「愛着はあるけど息が詰まるような故郷の町を出て理想郷エイラを目指そう」
サングラスをかけたおっさんばかり十数人。名前は全員フランク。
「なあ、フランク」とある者が問いかけても、どのフランクに言ってるのか彼らには分かるらしい。
「ああ、そうだなフランク」と返すのは1人だけ。
「さあ、行こうぜフランク」「俺に言うな、フランクに言え」「分かったよ、フランク」
ううっ・・・。分からない・・・。そしてこれは一体何の同盟なんだ?
途中までは団体行動だが、それから先は各々がそれぞれに理想郷を目指す。
途中で倒れ力尽きる者、途中で方向転換する者。理想郷を目指す道はフランクそれぞれに様々。
かなりシュールで不条理なブラックユーモアもありますが、これも人生というものか。
「レニングラード・カウボーイズ」の原型のような感もありますが、彼らが理想郷を目指す旅を描く
(と言ってもそれぞれのフランクのエピソードをつなぎ合せた、ストーリーはあって無いようなものですが)
モノクロの世界。スタイリッシュな映像の中にあるオフビート感。そこに絡む音楽の使い方が絶妙。
ジム・ジャームッシュの映画を思わせるテイストもあります。
そしてエイラにたどり着いた2人のフランクが目にしたものは・・・。
誰かに先を越されたり、行き詰ったり。人生、山あり谷ありです。