3.《ネタバレ》 カトリックの教えのもと、離婚が厳しく制限されていた当時のイタリア。
これもイタリア映画お得意の艶笑喜劇に含められる作品だと思いますが、
没落貴族を主人公に、名誉のための殺人、こうまでしなければ離婚は許されないものかと、
コメディの形で時代を皮肉る秀作です。
何といっても全編を通じコソコソと妄想と陰謀を膨らませていく名優マストロヤンニが素晴らしい。
やっていることはサスペンス的ですが、この人特有の憎めない感が絶妙。
それにしても、こんなにまんまとこの男の思い通り事を運ばせていいのか?と思える終盤の展開ですが、
そんな彼もひょっとしたら・・・?と思わせる足と足を絡めるラストカットもまた皮肉が効いています。