2.《ネタバレ》 う~ん、香港映画にありがちな早回しを一切使用しないアクロバティックなアクションは確かに圧巻ではありますが、どうも釈然としない部分が多々あって個人的にはあまり好きではない。
そもそも何故署長が悪に手を染めることになってしまったのか?
そのいきさつが全く描かれていないためドラマは全然盛り上がらないし、主人公であるハーのキャラクター描写にも問題有り。
こやつは法を絶対的な正義と信ずる熱血漢であると思っていた矢先、被告人が雇った殺し屋に証人が殺害されてしまうやいなや、なんと被告人を自らの手を下し殺害するというとんでもない行動に出る。
もちろん、実際に殺し屋が証人一家を殺したのですが、被告人が殺し屋を雇って証人一家を殺害したという、その確信たる証拠は劇中では一切露にされていないわけなので、証拠も無しに被告人を殺害してしまうハーのこの行動は自己中心的です。
そのため終盤になってハーが口にする「我々の法は正義を守るものに味方していない。冷血な殺人鬼を守っているんだ!」というもっともな台詞も完全に浮いてしまっています。
法を執る者であるハーが己の正義感の赴くままにやる事成すこと全てが筒抜けになってしまうという展開を描くことに徹すれば、法という正義の無力さをもっとうまく演出できただろうし、ハーのキャラクター描写にも一層深みが増しただろうに…。
ということで私的には惜しくも5点。