2.《ネタバレ》 中国戯劇七小福トリオ作品のなかでも、とりわけ出血量・死体の数・残酷シーンが多い作品を作るサモ・ハンがゲリラ戦に題材を採ったということもあってか、ナンセンスギャグは少なめで、結構陰惨なシーンも多いです。
しかし、迫力の爆発シーンやユエン・ウーピンの非常に珍しい熱演(コーリー・ユンとのツーショットは貴重)。名優ハイン・S・ニョールの知的障害役というかなりアブナイ役どころや自分の妻の腕を豪快にぶった切るサモ・ハン等々…チト違うようなものも混じっているような気がしますが(笑)、とにかく見所満載です。
忘れてはならないのが、本作で敵の親玉という大役を得たユン・ワーの存在感。
激闘を傍から見ているだけで、挙句倒れた仲間の顔を足で踏み「ヒヒヒヒヒ」と笑い(なんと腹の立つ奴!)、常にハンカチで顔を拭いている、このいかにも弱っちそうな細身の男。
しかし、いざ戦ってみるとこれが強い強い!
怪しげな拳法でユン・ピョウを絶体絶命にまで追い込み、加勢に駆けつけたサモ・ハンまでも苦戦に追いやるそのキャラクターの凄まじさは一度見たら忘れられません。
見た目の貧相さゆえに、それまで大した役をもらえなかったと嘆くユン・ワーの風貌を逆手に取ったサモ・ハンの目論みは見事で、自身の代表的役柄というのも頷けます。
自分の足をわざと相手に打たせて注意をそらし、瞬時に相手に打撃を食らわすという目にも止まらぬ早業が見もののサモ・ハンVSビリー・チョウも短いながらなかなかの完成度。
唯一、倉田師匠の扱いが勿体無かったかな?
全体的にテンポ良く見れる良作です。