20.《ネタバレ》 公立技術学校に英語教師としてルワンダにやってきた英国人青年の目を通して、まずは校内での平和的な交流が描かれますが、フツ族であるルワンダ大統領の暗殺を機に、フツ族によるツチ族の虐殺が始まり、これまで親しく接してきた友人が虐殺加害者に変貌する様、虐殺を前になすすべのない国連軍が難民を見捨てて撤収する様などが描かれて行きます。主人公も残るべきか撤収するべきか決断を迫られます。虐殺者達はもはや民兵ではなく、フツ族一般民衆が鉈や棍棒を持って、ツチ族をなぶり殺している状況で、狂気の沙汰ではあるのですが、種族団結の高揚感を共有するための行為として瞬時に一般化されてしまう、恐ろしくも、不思議な感覚に捕らわれました。あり得ることだなと納得できるリアル感がありました。虐殺を生き残り、九死に一生を得た人たちが、スタッフとして製作に関わっていることが、作品のリアリティの獲得に大きく貢献していると思われます。 【camuson】さん [DVD(字幕)] 8点(2023-06-16 18:37:37) |
《改行表示》19.《ネタバレ》 ベルギー軍撤退後に笛の音を合図に学校になだれ込む一団(フツ族の穏健派を真っ先に虐殺したらしい)は人間の姿かたちをしているだけの狂犬で、神の言葉はおろか人間の言葉も通じない姿が心底恐ろしい。撤退せず留まる決断をした時点で死が確定したジョン・ハートの最期の演出はドラマチックに過ぎるものの切り刻まれるよりはマシだったかなとちょっとホッとしました。と、同時に、死ぬのなら銃殺されたいと懇願されたベルギー軍の隊長の無力感を思うとやるせないものがあります。後年再会した教師に「何故、逃げたの?」と言う少女に自分が逆の立場だったら逃げなかったのかと言ってやりたい。 このような極端な話でなくとも、生かさせてもらっている事を少しは意識して文句や不満を少しは慎まなきゃいけないなぁ、などとエンドロールを見ながら考えさせられました。 |
18.《ネタバレ》 ご機嫌いかがですか?オルタナ野郎です。さぁ今夜のみんシネロードショーは皆さんお待ちかね『ルワンダの涙』の登場ですよ。これは1994年にアフリカのルワンダで実際に起きた虐殺事件を題材にした映画なんですねー。この映画の舞台はルワンダの首都にあるキリスト教系の技術学校なんですが、大統領の暗殺事件をきっかけに対立する部族間での虐殺が始まって、少数派部族の避難民がグワーッとここに押し寄せてくる訳です。この学校には国連派遣部隊のベルギー軍が駐留していますから、虐殺を首謀した部族の過激派もなかなか手出しができない訳なんですが、国連軍の方も命令がない限りは自衛目的でしか武力行使ができないものですから、学校の外で虐殺が行われていてもそれを傍観する事しかできない訳なんですねー。いやぁ実にもどかしい。ちなみにこの映画の原題は『Shooting Dogs』というんですが、これは「死体を漁りにくる犬を衛生のために射殺していいか?」という国連軍の提案に対しての、「それなら犬の方が先に君達に発砲してきたんだね?」というイヤミからきてるんですね。いやぁこれ実に奥の深いタイトルだと思うんですが、原題から米題の『Beyond the Gates』、そして邦題の『ルワンダの涙』といくにつれて、その皮肉がどんどん薄まっている点も更に味わい深いですねー。それから何と言ってもクライマックス。国連軍の撤退に合わせて過激派の群衆がナタや小銃を持って避難民に襲いかかるんですが、見てくださいこの嬉々とした表情。これは完全にキ○ガイの顔なんですね。彼らのナタで女性や赤ん坊がズバーッとやられるのを間近で見ても、国連軍はやはり手をこまねいて見殺しにする事しかできない訳なんです。そもそもこうなった原因は彼らの植民地政策のせいなんですが、いやぁ国際社会ってのは本っ当に薄情なものなんですねー。このような過酷な現実の前ではタテマエの理想なんてまったくもって無力なんだという事を思い知らされてしまいますよねー。さて、この映画で描かれた悲劇からそろそろ20年近くが経つ訳なんですが、今でもどっかの国が毒ガスを使って自国民を殺しまくろうが、それを口実にどっかの国が喜び勇んで軍事介入を決定しようが、事務総長様は祖国アピールのためのロビー活動にご執心なのでそれどころではないという訳なんですねー。いやぁ平和維持活動って本当に面白いものですね。それじゃあまたご一緒に楽しみましょう! 【オルタナ野郎】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-09-03 00:29:02) |
17.《ネタバレ》 評価の高かった「ホテル・ルワンダ」と間違えて観賞。俺の大好きなジョン・ハートが出とる!と興奮したのもつかの間、延々続く陰惨な場面に画面から目が離せなかった。落とし所をどうするのだろう、と思っていたら…ちょっと現実離れしたラストで残念。 【bolody】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-05-15 23:30:12) |
16.《ネタバレ》 TVのドキュメンタリーで内容はある程度知っていたが、現実的に視覚で惨状を見せられるとここ15年以内に起こった出来事とはとても思えず、凄まじい嫌悪感とアフリカ大陸への漠然とした(ある意味差別的な)畏怖の念を抱くだけだった。陸上の得意な少女が白人の牧師や青年に何度も言う「私たちを見捨てないでね」。ラストシーンで青年に迫る「なぜ見捨てたの?」この依存性にもひどい嫌悪感を抱いた。この映画でとにかくアフリカ大陸が怖いと思った私はやっぱり差別的な人間なんだろうと思う。欧米がもたらした弊害(同じ国の人たちを支配階級と奴隷階級に分けたことで憎しみの連鎖を生んだこと)や押し付けられた貧困のシステムなんかを理解してもなお、「お前ら、他国のせいにばっかりしてないで自国のことは自分たちでしっかりやれや」と言いたくなる。アフリカ怖い。怖すぎる。 【りんす】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-09-19 22:56:23) |
《改行表示》15. ホテル・ルワンダを既に見ていましたので、ある程度展開はわかっていました。それにしてもどうしてこんなことが起こるのでしょうね。内容は「SHOOTING DOGS (BEYOND THE GATES) 」という原題と「ルワンダの涙」では違いがありすぎるような気がしますが。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-07-12 20:53:58) |
《改行表示》14.《ネタバレ》 実話を元にしただけに、作り事ではない真実がこちらに伝わってきます。 長年この地で布教されたキリスト教の神父さまの存在が、この作品の”救い”であり”希望”です。 この方のお陰で作品を見続けることが出来ます。 崇高な精神にとても感動しました。 神父さまのお心はルワンダ人の多くには届かず、不幸が起こってしまいます 内戦の報道は世界各地でありますが、アフリカの様子はこんななのだと気分が悪くなるほど。 目を覆うばかりの光景も映し出されます。 ナタを持った人の群れと、路上に放置された死体が、とても異様です。 民族紛争に悪役はない、どちらの言い分にも利があります。 でも、現実に起きていることは解決には繋がらない。 こういう場合はどうしたら良いのだろう? 主人公の白人青年の迷いが、観ている私達観客の迷いでもあります。 この作品を観て思ったこと。 それは、世界から見捨てられたと言われた土地も、同じ地球に住むものの責任だなぁと痛感しました。 私も今までは、無関心という無責任な態度を取っていましたから。 【たんぽぽ】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-06-14 16:08:19) |
13.同じ題材のホテル・ルワンダと比較すると映画であるが故の演出や映像的な制約が抑えられていて、残酷な表現もそのまま再現されているし非常に臨場感があるドキュメンタリータッチの作品となっている。一長一短はあるのだが事件を理解するための手がかりとして最適なものの1つ。こちらを見てからホテル・ルワンダを見るのがわかりやすい順ではないかと 【Arufu】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-30 18:33:33) |
12.似たような話をいろいろな視点から描いた作品がいくつかありますね。この作品は淡々と進みます。リアリティもあるし考えさせられます。ただしこれは西側の視点で描かれていることは忘れてはいけないと思います。 【たかちゃん】さん [DVD(字幕)] 7点(2009-04-24 16:16:42) |
11.《ネタバレ》 音楽もほとんど使われず、エンターテイメント性を排し、「ホテル・ルワンダ」と比べると虐殺が行われている町の風景の描写などが容赦なく見る者に何が当時行われていたかを訴えかけます。また、この作品で特筆すべきは実際に映画で描かれた虐殺で難を逃れ、生き延びた人達が製作に関わっている点です。エンドロール前に彼らの紹介が流されますが、非常に辛いものでした。ラストシーンで生き延びた女性が白人の青年教師になぜ逃げたのかを問いかけます。映画のストーリー上はこの青年教師への問いかけでしたが、これはルワンダの人々の自分たちを見捨てて逃げた国連、そして世界に対する問いかけであるように感じました。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-01-21 16:19:19) |
|
10.《ネタバレ》 ルワンダでの歴史・部族・政治の実情がピンとこない自分にとって、外国人である主人公の抱える葛藤には共感しました。心情的には難民を守ってやりたいが、自分の命の危険が発生した時に、それでも運命を共にするか或いは、逃げ出すのか。神父は人生を賭けて残るが自分の信者に殺され、教師は生涯消すことの出来ない罪悪感を抱えながら生き続けることを選ぶ。二人の行動は異なった方向性を持っているが、同じ心情であったと思います。映画の製作者はルワンダの悲劇を海外へ訴えるために、外国人からの視点で語っていますが、逃げ出した教師の偽善を告発しているようには思いえませんでした。 【ヨシオ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-12-25 02:16:58) |
9.ホテル・ルワンダと同じく部族間闘争を描いた作品だが、視点が違うので違った印象を受ける。実際に虐殺が行われた学校をロケ地にしたり、現地の被害者の方をスタッフに使うなどドキュメンタリーっぽく仕上げられているのでドラマ性はないが、より悲惨さが伝わってくる。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-09-13 23:42:06) |
8.《ネタバレ》 ホテル・ルワンダを観て、ルワンダ紛争があったという事実を知り、本作で再びルワンダ紛争を題材にした映画を観る機会を得たわけであるが、こちらの作品はストーリー性に乏しくドキュメンタリー色が強いため感情移入するといったことがない。最後に生き残った少女が「なぜ、逃げたのか?」と投げかけた言葉。その言葉に製作に関わった生き残った人々のメッセージが込められている。 【いっちぃ】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2008-09-13 14:08:18) |
《改行表示》7.《ネタバレ》 同じ内容を描いた「ホテル・ルワンダ」のほうが有名ですが、あくまでもホテルがメインでありエンターテイメント性があるので、実話ではありつつも史実を題材にしたサスペンス映画になっています。 しかしこの映画はそういうものはなく純粋に描いているのでわかりやすくストレート。こちらの作品の方がルワンダ虐殺についてしっかりと知ることが出来ます。 虐殺を目の当たりにした現地人をスタッフとして大量に使っていることもあって非常に丁寧な作りです。 しかも、今この瞬間も虐殺がイラク等で行われている現状がありますから、何かしなきゃいけないと思います。 映画を見て感動して翌日には無関心に戻るというタイプの映画では全くありません。 「映画」としての何かを期待してみるのであれば大きな間違い。 実話として、現状として、記憶に焼き付けて欲しい1本。 【Sway N Lin】さん [DVD(字幕)] 10点(2008-06-04 22:57:37) (良:1票) |
6.これをなぜ当時世界は見て見ぬふりをしたのか。国際という言葉に、危機感を感じた。今後このような悲劇は何度も起こるだろう。 【Yoshi】さん [DVD(字幕)] 5点(2008-03-28 11:55:57) |
5.「ホテル・ルワンダ」とは、別の意味で創りが違う本作..映画として評価するなら、淡々と事実を描き、淡々とクライマックス..そしてラスト..上手くないですね~ あのラストでは、深みもなければ、救いもない..伝えたいことが、強く伝わらない.. 邦題も如何なものか..ルワンダを入れれば、客が呼べると思ったのか?..センスのかけらもない... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 7点(2008-02-08 12:35:31) |
4.《ネタバレ》 映画の作りとしてはしっかりしてるのですが、ストーリーは、単なる紛争モノの域を出てないように思いました。焦点を絞れてないからでしょうか。結局逃げることになる教師の葛藤も、国連軍の事情も、少女と教師との関係についても、何だかとても薄いドラマでした。紛争そのものも、何の背景の説明もないので、一方的な加害者集団と、一方的な被害者集団としか描かれていないので、社会派ドラマとしても、薄味でした。 【かねたたき】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-01-27 01:56:32) |
《改行表示》3.《ネタバレ》 イギリス人教師の目を通して、ツチ族の視点で虐殺を描いているのが本作である。民族紛争に関するニュースや映画をみると日本というのはつくづく平和であり、かなり特殊な歴史を持っている国であることを思い知らされる。どんな映画を観ようが、ニュースを読もうが、民族問題を真に理解できることはないだろう(BBCのリポーターと同様に)。 しかし、軍人というのは不便なものだ。命令がないと自分が思っても行動できないとはね(もっとも民主主義において命令なしで動く軍隊など軍隊ではないが)。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(字幕)] 6点(2008-01-03 22:24:35) |
2.《ネタバレ》 なぜかイギリス人のカトリックの学校教師(これがよくわからない)を狂言回しにしてルワンダの出来事を描いてるんですけど、ヨーロッパ人種の身勝手さが浮き彫りになってだんだんウンザリしてきました。ただ、ベルギー、フランスというかつての宗主国が白人保護に走ったり、怪しい国会議員の跳梁跋扈というポイント押さえてたりと、ドラマとしてはよくできてる。評価のポイントは、みんなちゃんと母国語でしゃべってる映画だったこと、「鉈」の怖さをきちんと表現していたこと。修道院での虐殺をエピソードとしてきちんと入れてたのにはビックリしました。BBCが製作に関わってるのが大きいでしょうね、自分たちのクルーを美化してないし、ETVでみたBBCドキュメンタリーの映像も使わず、きちんとフィクションとして撮影し直してたし。母国人、しかもツチ、フツ夫婦で表現した「ホテル・ルワンダ」と同点ということで… しかし、どっちの作品もこの虐殺を煽動したラジオ局のこと描いていないのはなぜなんだろう? 【shintax】さん [映画館(字幕)] 8点(2007-05-31 20:38:44) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 ルワンダの内戦を欧米人の牧師とキガリの技術学校に青年協力隊の英語教師として赴任してきた英国人青年の立場から描いています。 時が流れて再び、この争いはなんだったのかを見直すのは興味深いです。 映画は、隣同士だった人間がナタで殺し合うという生々しさはないので安心してみていられます。 「ホテルルワンダ」同様に少数派ツチ族側から見ているので、一方的にフツ族が悪いと言う風にとれてしまいます。ジョン・ハートが神父役で良い味を出していますが英語教師ヒュー・ダンシーが、ちょっと気になりました。 「ラスト・キング・オブ・スコットランド」の主人公と同じ違和感を感じました。 【omut】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-05-14 23:47:01) |