1.《ネタバレ》 このシリーズもたいがいマンネリ化してるよな、と舐めていたら五作目にして突然の大変調!なんと言いますか、リミッターが解除されたようなぶっ飛びぶりとかなりシュールなセンスのギャグで、なんか鬼気すら感じてしまいました。ヒロインはシリーズ中で最豪華といえるあのWinkの鈴木早智子、トレードマークの無表情を活かした大根芝居なんですがそのキャラのバカっぷりと訳の分からなさは、これまたシリーズ随一!八億円分のヘロインを拾った(?)OLに振り回される哀川翔と前田耕陽のコンビという図式なんですけど、今回はそのヘロインを競り落とそうとするヤクザたちのキャラが立ちまくっています。ヤクザなんだからヘロインは強奪するのが普通なのに、めちゃくちゃにダンピングしながらもまるでオークションみたいに落札しようとするのが可笑しい。そのヤクザ・トリオのうちの金髪野郎は、首輪で繋がれて犬みたいに吠えるだけ、まるで人間ドーベルマンです。東京湾で捨てたヘロインが富士五湖に流れつくなどいい加減なストーリー展開は相変わらずですけど、散りばめられるギャグは今までにないセンスがあって自分にはけっこうツボでした。映像的にも遠景ショットや長回しの多用が見られ、今まで薄かった黒沢清風味が濃厚な感じがしました。ラストもパスポートを持って旅に出る哀川と前田の姿を見せてエンド、こりゃあ最終第六作では波乱の展開になるのかな?とはいえ、本作がシリーズ中でいちばん面白かったとは言っておきます。