《改行表示》52.《ネタバレ》 偽物とゆーか、嘘とゆーか、端的には世の「欺瞞」をまずは暴き切りたかった映画…という風に見受けられました。美しいモノ・ポジティブな言葉だとか、そーいったモノはとにかく大仰で「嘘臭く」見える様に撮られている、と(特に前半の二階堂ふみの諸々などが)。だから一方で当然、その対極に在る人の世のネガティブなモノとゆーのは、コッチはごく真なる感情の籠もった「殺気を帯びた」所作・言葉として観る我々に突き刺さる…ハズなのですケドも、個人的にはど~も、前半は少なからずそーいう感覚も有ったのですケド、後半は正直そーでもなかったかな…とゆーのが正直なトコロで、コレも端的にはこんな映画なのにあまり「観ていて辛くなかった」のですよね。。。演出のアイデアとしては率直に(前述のソレは)かなり優れたモノにも感じられたのですが(未読なのですが、コレは原作準拠なのでしょーか?)偉そーな言い方を許して頂けるのであれば今一歩、完全なる成功には至らなかったのかな、と=真なるモノに為るハズのソレも、また虚構になってしまっている、と。 しかしまた一方で、とある個々の場面における俳優陣の演技のクオリティとゆーのは、中々に凄まじいモノだったと思いますね。主演2人の(しかも10代の)仕事も実に素晴らしかったと思いますが、また脇役の「悪い」人達のソレがモ~凄まじかったな…と。個人的には、中でもでんでん氏ですよね(マジで、人間離れした寒々しさを感じ取ったのですね)。その意味でも、一見の価値は確実に在る映画だな…とは思うトコロです⇒ココはやはり、一点足しておきます。 【Yuki2Invy】さん [インターネット(邦画)] 7点(2023-07-25 19:38:06) |
51.《ネタバレ》 原作未読。東日本大震災をきっかけに脚本を大幅に書き換え、混乱真っ只中で勢いのあるままに撮影したという。悪い意味で商魂逞しいとも言えるし、絶望の淵に立たされた被災者へのエールにも読み取れるタイムリーな映画とも言える。協力して危機を乗り越えようとする被災者たちがテレビで映っても、裏では映画みたいに自分勝手で醜悪な人たちの暴力もたくさんあったはずだ。過剰に露悪な世界で、「頑張れ」と「世界に一つだけの花」は欺瞞で何の足しにもならない。それでも多くの不条理にぶつかって、一周回る形で肯定する説得力がここにはある。父殺しの少年とささやかな幸せを妄想する少女の未来は決して明るいとは言えない。死にたくなる現実の中、ただ前を向いて走り続けるしかないのだ。 |
《改行表示》50.《ネタバレ》 母子家庭で育った中学生の主人公は貸しボート屋で細々と暮らしていた。 蒸発していた父が時々金をせびりにやってきては主人公を殴りつける。 やがて母親まで家を出ていってしまう。 普通からかけ離れていく現実に自暴自棄になる主人公は ついに父親を殺してしまう。 主人公はある決意を胸に街を徘徊しはじめる。 おおげさな演技でちょっと興ざめ。 嘘くさいセリフ。 ありえない登場人物。 出て来るのが変人ばかりなので感情移入できませんでした。 【Dry-man】さん [DVD(邦画)] 4点(2018-05-05 15:00:43) |
49.《ネタバレ》 「普通でありたい!」と反発する。教師や父親という権威への葛藤。思春期のエネルギーが爆発している印象だが、これは所謂「中二病」の作品なんだろうか?311という破壊からスタートし、そこから生まれる「夢や希望」といった偽善。「愛」を歌い上げるシンガー。正義を声高に叫ぶ学者(宮台はよく出演OKしたなと)。それらをあざ笑い、対抗するかのようなカネと暴力。真実を求める少年にとっては全てが悪党だ。少年の怒りはエスカレートし、それら全てに対し病的に刃向かう。これが少年の正義だから。少年を支持してきた少女だが、茶沢さんは盲目的ではなく正気を失ってなかった。未来に向けて再生するかのようなラストだが、フラフラ走っている所に中学生的危うさも感じる。ここから2人は大人への道を歩んでいけるのだろうか? 【東京50km圏道路地図】さん [インターネット(邦画)] 7点(2017-04-07 10:25:47) (良:1票) |
48.《ネタバレ》 原作はタイトルは知ってたけど、読んだことがなくて、まさか、こんな過酷な青年の話だっとはね。でもそれ以上に凄いのが二階堂ふみ演じるヒロインの家庭。家でおかーさんが死刑台を作っていて、完成したらその娘が首をつるってどんな家庭環境の設定!?ストーリーはともかく、俳優たちの表現には引き込まれるものがあった。特に主役とヒロインは、かなりエモーショナルでテンション高めなんだけど、その感情表現に実在感があった。クライマックスで夜を過ごす二人の会話にとうとう僕の涙腺が決壊。 【なにわ君】さん [DVD(邦画)] 7点(2016-12-03 21:03:16) |
《改行表示》47.ここに登場する「悪」はちょっと戯画化されすぎてる印象があるし、「子供の死を願いそれを口にする親」ってのも、直球過ぎる気はします。しかし、あの、泥にまみれのたうち回る主人公の姿、絵具にまみれ自分を何とか消そうとする主人公の姿、これらのイメージは、到底他人とは思えない生々しさをもって、我々に強く迫ってきます。 本作を震災に絡めたこと、それを「あざとい」というには、あまりに園子温監督は危ない橋を渡っており、批判の矢面に立つ覚悟が感じられます。「もうちょっと被災者に気をつかった設定やセリフってもんがあるでしょう」という批判は、当然あるだろうけれど、本作はあえてそこまで踏み込んで、デフォルメされたグロテスクな世界(明日、自分の身の上に何が起こるかわからない、という意味では、我々の現実の世界も、なかなかにグロテスクなものなのかも知れない)における、ギリギリの再生と希望を描こうとする。泥だらけで傷だらけの自我の上に。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-10-19 12:44:28) (良:1票) |
《改行表示》46.主役のふたり(特に二階堂ふみ)の演技は素晴らしいと思うが、キャラクターが極端すぎて非常に疲れる。 園子温監督とはあまり相性が良くないらしい。 【あきぴー@武蔵国】さん [DVD(邦画)] 4点(2015-08-01 22:48:21) |
45.《ネタバレ》 主役の若者二人の演技は圧倒的に凄まじかったがそれだけか。311後の作品ということで311に触れざるを得なかったのかどーしても触たかったのかはわからないが、作品として311との関連が観客に伝わってこないのであれば空回りだ。被災地の人たちの苦しみ悲しみは分かるはずもないが、311後にこの映画のような狂った人間模様があちこちで繰り広げられた、ということではあるまい。共感も感情移入もまったくできなかったよ。ラストはなぜかグッときたが、バーバーのアダージョに助けられた面もある。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 5点(2015-05-17 19:55:57) |
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43.「偉大なる失敗作」というべきか。東日本大震災を受け、定評高い原作を大幅に改変してまで映画化に漕ぎ着けた。興収や完成度を犠牲にしてまで自らに社会的使命を課す、そのナルシスティックな姿勢は確かに観るものを圧倒するが、そのこと自体が映画としての面白さに寄与しているかは別の問題である。 【野良猫】さん [DVD(邦画)] 5点(2014-09-09 19:59:49) |
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42.《ネタバレ》 私の父親もアル中のクズでサイコパスなので、住田君が父親を殺害するという本作は彼は私の代理なのかと、心に突き刺さります。父殺しは通過儀礼であります。住田君がボコボコにされ「立派な大人になるんだ!」と叫ぶシーンは何度観ても涙が出ます。震災を背景にしているのも、ベタですが主人公の破壊と再生を重ね合わせてて良いです。戦争映画のような何とも言えない切ない音楽も印象に残ります。私にも茶沢さん現れないかな。 【DAIMETAL】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-08-15 05:25:59) (良:1票) |
41.窪塚君の服がかっこよかった事くらいしか印象に残らない映画だった。当時は難しいとは思うが、震災の問題とは切り離して作ってほしかった。 【Junker】さん [DVD(邦画)] 4点(2014-06-25 17:11:04) |
《改行表示》40.《ネタバレ》 落ち込んでいる時には見ない方がよい作品です。 人に傷つけられる側も、人を傷つける側も、避けることのできない世の中の理不尽の中にいることをはっきり意識させられます。 いくつか、?と思う演出がありました。 住田のパーカーが最後まで結構きれいに見えることとか、お金をむしりとられて食事にも困るはずなのにいつまでも血色がよいこととか、などです。 パーカーは洗っているのだとしたら、「洗濯機」に触らないわけにはいきません。リアルにしたいわけでもないのかもしれませんが、客が余計なことを考えさせないようにうまくつないでほしいものです。 【海牛大夫】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-03-09 14:31:17) |
39.《ネタバレ》 確か原作では震災は関係なかったはず(よね?)。実は結構期待してたんですが、何か違う方向のものでした。まぁこの監督さんらしい暗くて救いようのないクズが出てくる映画ですよねぇ、観ていて気持ちが暗~くなってきちゃう・・・ある意味鑑賞するのに体力が必要な感じ。そういいつつ若い子達の力演はすごかったなぁ、二階堂さんかわいいね~結婚しようのとこは、なんか知らないけどウルっときた。。。力技な部分はありつつものラストは良かったと思いますハイ 【Kaname】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-03-07 11:21:36) |
《改行表示》38.5年以上前に見た、奇妙なサーカス以来の園子温作品。 自分の趣味が変化したことも理由だろうが、園監督は苦手な部類かも…。 奇妙なサーカスを見た頃の自分なら、好きな監督だっただろうが。 暴力描写、無意味な(監督の趣味?)女優へのエロい演出など、疲れる…。 今作自体は、十数年後に見たら「当時の日本ってこんなだったのか…」となんとなくわかった気になれるような、それぐらい2000年~2010年代のトラウマ観が反映されていると思う。(デフォルメされているけども) そう言った意味では、ある程度の意義はあるかなぁ…と。 あとは二階堂ちゃんかなー。ドラマで彼女の演技に惚れたが、今作はまだ初々しいが力のある彼女が見られる。彼女も満島のようになるのかな? 楽しみ。 ヒミズは原作を読んでいるが、原作の雰囲気とは良くも悪くも違った、自分は原作の方が好きかなー |
《改行表示》37.《ネタバレ》 出てくるキャラクターがみんな極端なため相当疲れましたが、平凡に描いても注目されないでしょうからこれは良かったのだと思います。 おかげで茶沢さんを見て「うわっ、ウザい!絶対友達になれんな~」とか、住田君の親父を見て「救いようない屑だな~ ○ねばいいのに…」とか、こちらも感情豊かに見ることができました。 ただ、毒物的なインパクトがあったので2回見る気にはなれません。 【午の若丸】さん [DVD(邦画)] 6点(2013-12-23 17:57:15) |
36.《ネタバレ》 まるで「冷たい熱帯魚」の同窓会のようなホームレスの面々が笑えてくる。 内容としては、あの大震災とその再生と同じように、登場人物たちによる0 (ゼロ) からの再生が (表向きの) テーマですが、いったい善悪とはなんぞや? という裏テーマも含んでいる気がした。ヤクザたち、住田と茶沢の親たち、無差別的に人を襲ったヤツら、、。「悪」にも色んな種類があるもんだ、と感心する。しかし、悪人もこれだけいると食傷気味になって、善人のふりをした悪人はおらんか? となってくる (笑) 例えば、渡辺哲のオッサン。人を殺してまで600万を手に入れて、その金で人助けはだめだろう。こいつは、悪と言うよりは "偽善者" と言える。住田と茶沢が不登校になっても、何の対策もフォローする事もなかった担任の先生。こいつは悪人でも偽善者でもないが、苦しむ生徒を助けない先生は善人とも言えないだろう。 茶沢さん。善意の押しつけは偽善にすぎないが、彼女の場合はちょっと違ったようだ。 あの大震災の混乱と絶望のなかでも、善悪や損得勘定を超越した心、つまり真実の愛もいくつかは生まれたんだろうな、と思いたい。 【タケノコ】さん [ブルーレイ(邦画)] 6点(2013-10-14 03:40:26) |
35.《ネタバレ》 初めての園作品。漠然ととんでもなく異様な作品との先入観を持っていたので、意外と普通じゃんと思いながら鑑賞。主役の二人には好感が持てました。今後を期待させる役者ですね。ストーリーはなんだろ・・今一つ。主人公の住田がそれほどどん底じゃない。見かけの体格から言って食事はちゃんとしてるようだし、住むところもある。ダメおやじが作った借金もこっそり返済してくれる人がいる。可愛い女の子が好いて助けてくれてるし、父親を殺したといっても酷い父親なんだし、まだ子供だから、情状も酌量されて大した罪にもならないだろう・・・と思ってしまうので、不幸の押し売り感についていけなかった。どちらかと言うと二階堂さんの今後の方が気になる。あの母親と暮らしていけるのか? 演者としては窪塚がダントツ。なんだちゃんと演技できるんじゃんと思った。昔のようにもっと仕事して欲しい。 【フラミンゴ】さん [DVD(邦画)] 5点(2013-06-10 14:31:20) |
《改行表示》34.《ネタバレ》 園子温監督の描くいつものバイオレンスと狂気がここにもある。 おもしろい。おもしろいが、傑作とまではいかない感じ。 原作にはない震災を絡めたのは、狙いはわかるがあざとさが気になった。 ストーリーの中でリンクしきれていない印象が残る。 一番信頼するべき親から見捨てられ死までも望まれた子供達のやり場のない悲しみ。 「がんばれ!」「死ぬな!」「この世でたった一つの花よ!」「夢を持て!」 住田と併走する少女の叫びは、自分への励ましでもあっただろう。 教室での教師の上っ面の言葉とは重みが違った。 【飛鳥】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-05-16 01:24:56) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 ずっとその才能は充分にみとめるのだけど、自分とは合わないなぁと常々感じている監督の新作。でもこれはいただけない。自分とは合わないながらも、この作風が好きな人の気持ちは分かるとこれまで思っていたのだけど、この『ヒミズ』だけは単純につまらないというのが率直な感想。もうほとんど意味のない映像が何の関連性もなくブツ切りに繋ぎ合わされているだけで、まるで下らないロックバンドのPVレベルの映像を延々と見せられたような退屈極まりない映画だった。それだけならまだ許せたのに、そこに無理やり311を絡ませるところなど、自分の才能の枯渇をそれで無理やり隠そうとしているかのようにさえ思えて、僕はとても嫌悪感を覚えてしまった。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 3点(2013-05-04 01:02:07) |