《改行表示》17.《ネタバレ》 SF作品だという先入観で観てしまったので、冒頭の嵐のシーンから後は兎に角歯痒い時間ばかりが過ぎて行きました。 とは言え流石に中盤に至るまでには気付いた訳で、「これ、もしかしたら夢オチとか妄想オチとか?」とばかりに心理系サスペンスなのかなと思い始め、統合失調症のいう具体的な病名と母の入所理由がその病気ということまで明かされてしまっては最早SF感は遠い過去。家族の愛も大いに描かれていることもあり、心理サスペンス風味のヒューマンストーリーなのだろうと自分なりに結論めいたものに辿り着いた感じです。 嵐が来てシェルターに家族で避難した時には、「あれ?やっぱりSF系とかオカルト系?」と揺らぎましたが、扉を開けてしまえば外界に拡がるのは平和な日常。痛い思いはしたしこれから大変だけれど、家族愛が深まって結果ハッピーエンドなのかなと着地点が見えた気がしたのも束の間、大ラスでは結局件の嵐がやって来て若干混乱しました。 物語の大筋の部分は決して目新しいものではありません。主人公が不安や特異な思考などによって常人には理解し難い行動に走り、次第次第に孤立していき結局は…みたいな物語は今までにも小説や映画などでいろいろと観て来たような気がします。ただし本作では、こんな思いにさせらながらも、こんな目に遭わされながらも、決して夫婦は、親子は分裂解体しません。寧ろより強く結び付いていく。そういう意味では純然たるヒューマンドラマなのでしょう。 ただひとつ、と言うかそこが最も重要な所なのですが、ラストの嵐ですね。個人的には、あの嵐は主人公の目にも妻の目にも娘の目にも見えている「本物の」嵐だと思っています。主人公は確かに精神的に病んでしまいましたが、「病んでいるから見えた」のではなく「見えてしまったから病んだ」のだと思います。平和で幸せな暮らしをしていた人間に、ある日突然遺伝的な精神疾患が発症するというのも今ひとつ現実味がありません。 作品を通じて主人公の視点のみで語られている部分はないと思います。「悪夢」のシーン以外は。ですから、家族全員が嵐を目撃したのでしょう。きっかけは主人公の予知能力の目覚めだったのかも知れません。受け入れきれない自らの能力への不安もあいまって、愛犬に咬まれたり、他人に危害を加えられたりといった「悪夢」を見たのかも知れません。 纏まりのない感想を書いてしまいましたが、心理系ヒューマンドラマをSF風味で包んだ作品と受け止めることが個人的には一番楽しめそうです。 ただ、ちょっと丁寧過ぎると言うか、ひとことで言えば長いですね。そこがマイナスポイントでした。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-11-27 13:51:18) (良:1票) |
《改行表示》16.最近、映画を2倍速で観るだとかファスト鑑賞するとかが話題となっていますが、そういう人が観たときに真っ先に途中を飛ばすだろう映画。 「やりたい事はわかったから結局結論はどっちなのよ」と。 それくらいやりたい事はわかりやすいです、この映画。 そしてそのテーマに愚直なまでにまっしぐらで遊びがありません。 で、飛ばすと途中の伏線がわかってないのでラストについて間違った解釈しちゃうという… 多分、途中を飛ばしたあなたはラストシーンについて誤解してます…が、でもまぁそういう解釈でもいいのかもしれません。その理解の方がある意味救いがあって優しいですし。 個人的にはここまで不安をだらだら前面に押し出される不安系サイコサスペンスはなかなか退屈なので、面白くはありませんでした…が、やりたい事はわかったしそういう意味ではよくできた映画だと思います。 個人的面白さでは4点、映画の出来としては8点なので間をとっての6点です。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 6点(2021-06-29 15:38:08) |
《改行表示》15.《ネタバレ》 夫がシェルターの扉を開ける時、不謹慎だけど嵐が全てを破壊していてくれと思ってしまったのだが、ちょっとした暴風程度の被害。 自分が精神を病んでいると納得した夫と、それを支える献身的な妻の物語…で終わるはずもなく、毎年のビーチ旅行に訪れた彼らを襲う、尋常でない竜巻と異常な雨粒。 ただただ奇異なことをしでかす夫、ではない。 家族を守るという信念の元、できることをひたすらやり抜く夫、である。 夫のことを信じてやれなかった妻、ではない。 夫が精神を病んでいても、一緒に生きていくことを選んだ妻、である。 ぶつかりながらも、絆を深めていく夫婦が素晴らしい演出で描かれていた。 夫の信念を描くだけなら、最初の嵐が巨大なもので差し支えなかった。 しかし、妻の愛を描くためには、最初の嵐は空振りでなければならなかった。 バッドエンディングでありながら、不幸ではない、というもどかしさが既定路線の映画。 あまり観たことのないジェシカ・チャスティンの役柄も魅力の一つ。 |
14.《ネタバレ》 M・シャノンははまり役。J・チャスティンは今まで観たことがない役柄で良かった。でも長すぎか? 最後も幻想でしょうね? 【kaaaz】さん [インターネット(字幕)] 7点(2019-02-17 01:24:38) |
13.《ネタバレ》 統合失調症ってどんな感じだろうと思ったけど、この作品は悪夢に悩まされる主人公を通してその恐ろしさが伝わったと思います。その真剣さ深刻さは良かったが、最後ははっきり言って蛇足でしょう。オイルのような雨で私は妻も同じ病気にかかったと解釈しますが、だとしても感染するような病気じゃないでしょう?これは余計な演出だった。そこを除けばなかなかの力作ではありました。 【ぴのづか】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-05-01 14:03:36) |
12.《ネタバレ》 ジェシカ・チャスティンがけなげな奥さんを演じていてとても良いが内容はちと切ない。悪夢に悩まされる主人公のイッチャッテル行動に周りの皆がついていけず、まぁこちらもかなりついていけませんでしたが(苦笑)。嵐が来るとしてもガスマスクは要らないような…。こんなに大風呂敷を広げっちゃって大丈夫なのか?という心配は・・・まぁ結局のところオチが全ての映画って感じ?かな。とってもキュートでかわいいジェシカに4点 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-04-19 08:10:13) |
11.《ネタバレ》 不慮の事故でオチを知ってしまったのが残念だけどそこそこ面白かった。が、主人公がとてもじゃないが35に見えなかったので、オチよりもそっちに驚いた。あと鳥から身を避けるシーン、主人公が後ろ向いたら子供の顔にモロに当たるじゃねーかって思ってしまった。 【悲喜こもごも】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-01-13 00:48:54) (笑:1票) |
《改行表示》10.《ネタバレ》 《ネタバレしてます ご注意を。》 結末からすると、あれが予知夢だったのか、単に的中してしまっただけなのか判らずままですが、結果からすると、家族にとって最悪この上ないラストを迎えてしまった事が悲しく思います。例え、マイシェルター利用で家族三人無事助かろうとも、きっと家族の未来は相当厳しい事となるのでしょうね。マイホームの立て替え資金・生活資金・食費・娘の手術費用等等と。既に捻出不可能でしょう(あの家庭では) 話はフィクションであり、実話を元にという事でなかったことが幸いなんであれですが、実際にはアメリカ郊外において こんな窮地に陥り、挙げ句、生活苦に追われた家庭もたくさんあるのだろう事は事実ですよね とても悲しい話です 単なるパニック映画としては見れません。 ただし、病にどっぷり嵌った夫を見捨てない妻、家族愛を見させてもらった瞬間、そこがせめてもの救いです。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-12 20:23:31) (良:1票) |
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9.《ネタバレ》 長いですね。端的に言って、突然夫がおかしくなってしまった。が、最後、予言通りに・・・・。ということですが、主演2人の演技が良いので最後まで力技で押し切ってしまいます。ただどうかな?観終わってどうということはなかったです。妻子もいる身ですが、ちょっと行きすぎ、やりすぎがあるかな。 【たかちゃん】さん [DVD(吹替)] 6点(2013-10-17 06:07:10) |
8.《ネタバレ》 【【ネタバレあります。未見の方はご注意願います。】】 結末について。“主人公の悪夢は予知夢だった。嵐は本当に来た”との見方も勿論可能ですが、“妻も夫と同じく精神を病んでしまった”との解釈の方が、妥当性が高いと判断します。客観的な証拠(例えば妄想説を支持する医師の嵐目撃情報など)が無い以上、統合失調症という一度は確定した“現実的な解答”を覆すのは難しいと感じます。具体的な“核戦争”ではなく、“奇妙な嵐”という点も、精神疾患の可能性を後押しします。そして、真実がどちらだとしても、この家族の置かれた状況が好転しないのが辛いところです。果たして、この家族が救われる正しい選択とは何だったのでしょうか……。もし嵐が本当に来た場合。家族は片時も家を空けてはいけませんでした。エンディングソングの歌詞のとおり、折角のシェルターも活用できなければ意味がありません。自分を信じ切れなかった時点で“詰み”です。しかもこの選択は、精神疾患だった場合は目も当てられません。リスクが高すぎて、とても選べないでしょう。真実がこちらであれば、グッドエンディングへの道筋は無いに等しいと感じます。では、精神疾患だった場合はどうでしょうか。最善手は、早い段階で投薬治療を始めること。大事に至らなかった可能性は大いにありますし、娘も手術を受けられたはず。統合失調症の可能性を疑いながらも、自分に甘い判断を下してしまったのは痛恨の極みでした。しかしこの段階では、まだ“最悪”ではありません。ポイント・オブ・ノーリターンは、おそらく食事会。大暴れをした夫に妻は寄り添いました。2人の絆が伝わってくる美しい場面。しかし愛するが故に、夫の妄想に取り込まれたとも言えます。あの時娘を連れて席を立っていれば、彼女と娘は助かったのではないかと。誰かを守りたい、支えたいと願うなら、まず自身の身の安全を最優先させなくては。同じ景色を見られることに喜びがないなんて、遣りきれません。軸がぶれぬ脚本は上質で役者の技量も充分。映像表現も上出来でした。夢・現実・幻覚の境目が明瞭で、観客を煙に巻く意図が感じられない点も好印象です。いい映画でした。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-10-12 17:50:41) |
《改行表示》7.サスペンス重視か、人間ドラマ重視か、見方によって印象が変わると思います。 パニック映画として期待したら論外。 私はサスペンス重視で見たせいか、ちょっと物足りない気分で終わってしまいました。 言いたいことは何となくわかるのですが、エンターテイメントとして単純に面白くなかったです。 結末にしても、複数の解釈ができそうですが、いづれの意図で作られていようがやはり面白くはない。 いかにも精神が病んでいるかのような主演俳優の表情が延々と2時間続くのは流石に疲れました。 展開にもう少しメリハリがほしかったです。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-09-16 21:59:32) |
6.《ネタバレ》 統合失調症をテーマに、家族の絆を描いた作品。なのだけど、全く新味のない非常に退屈な作品だった。特に、何かが起こるわけでもない思わせ振りな映像が延々と続き、そして主人公がこれ以上ないというくらい魅力に欠けているせいで、見ていて本当にイライラさせられる。「ドニー・ダーゴ」やデビット・リンチ作品のような映画を目指して作られたのだろうけど、出来としては雲泥の差。そして、あのシェルターのドアを開ける開けないで家族と延々と葛藤したあのドラマはいったい何だったんだー!!と、思わず大声で突っ込みたくなるような最悪のオチ。久々に、こんなにつまらない映画を観てしまったわ。 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 2点(2013-06-03 12:41:08) |
《改行表示》5.近い将来起こるであろう大災害が見えてしまった男の物語。基本的には精神障害を持つ男と、それに振り回される家族や友人の姿を描いたドラマなのですが、この男のビジョンはあながち間違っていないのかもしれないというSF的な含みを持たせた演出が絶妙。視点を変えれば、『デッドゾーン』のような悲劇として鑑賞することも可能です。主人公が教会に通っていない件で咎められる場面を挿入することによって、映画から宗教色を排除するという細かい配慮も気が利いており、カンヌをはじめとして世界中で多くの賞を受けていることにも納得の仕上がりです。。。 以上、作品としての完成度の高さは認めるのですが、あまりに淡々とした内容であるため、観ていて楽しい映画ではありませんでした。ひとつひとつの場面が必要以上に長いし、一方でドラマティックな場面での盛り上げが不足しています。撮影や演技の質が高いために、新人監督はすべての場面をじっくり見せたいという誘惑にかられたのでしょうが、もっと観客の生理に配慮した内容とすべきでした。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 6点(2013-01-08 16:11:55) |
《改行表示》4.《ネタバレ》 主人公の役者さんは花がなさすぎる。その彼の成り行きばかりをスローで展開するストーリーは絵的に見応えがなさすぎでした。シェルターに避難したあと、なぜ主人公本人に扉を開けさせることに固執するのか、心理学的な克服を思ってのことでも、なんかイライラ。 セラピーはたとえば「宇宙人が侵略してくる」と現実に真剣に受け止めにくいような話をされた場合に、それを信じてあげることではなく、言っている本人が本気でそう思っていることを否定せず認めてあげることだったような気がする。 なぜ主人公にだけ特異な予知夢(実際は現実になるまで予知夢であるかすら判断しようがないもの)が訪れるのか、そっちの方が大きな問題と思うが、まぁ映画では彼の夢がとうとう現実になることで、その後彼の能力は大きな注目を集めることになるのかもしれない。 けれど、そうなるまでは、普通どんな人だって信じてあげるのは無理。軽はずみに何でも信じてあげてたら、振り回されて大変なことになります。 大事なのは、言っている内容を何でも信じてあげることではなく、そういう意識と戦っているという事実をしっかり受け止めてあげることだと思う。 【だみお】さん [DVD(吹替)] 2点(2012-12-03 12:33:49) |
3.《ネタバレ》 見終わったときは、「え?なんじゃこりゃ!?」って感じだったのですが、他の方のレビューを見て、なんとなくですが言いたいことがわかってきました。確かに、自然災害とかスーパーナチュラルなものは副次的なもので、やっぱりメインは家族ですよね。一つの家族の愛とすれ違い、それを描きたかった。勿論、人類は有史以前から未知のものや自然について、畏敬の念や恐れを持ってきたわけですから、サブテーマとしてそういうのもあるにはあるんだろうけど。旦那さんのほうは、周りから変な目で見られても、家族のために大金をはたいてシェルターを作る。家族のためにやってるわけですよ。嫁はんのほうは、意味不明なことに大金使われてそれを怒る。そして旦那の精神の心配をする。これもまた家族のためにやってる。両方とも家族のためにやってる。だけど真っ向から対立。最後の最後に、二人が解り合う。そういう象徴的なシーンなんだね。夢のシーンはそれなりに見応えあるし雰囲気は出てるけど、派手なスペクタクルやサスペンスフルなことがあるわけではないので、中盤かなりかったるいのもまた事実。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 5点(2012-08-20 19:46:25) |
《改行表示》2.《ネタバレ》 夫が繰り返し見る悪夢や幻覚から破滅の予兆を感じ取り、周りなど無関心にシェルター作りに奔走する。一方の妻と耳に障害を持つ娘は、精神を病んでしまった夫とどう接していくか・・・ ■この映画は、夫の幻覚がただ精神疾患なのかそれとも予知夢なのか、は実はほとんどどうでもいいのであろう。ここでの主題は、夫も妻もともに「家族のため」を思って最善と思う行動をとっており、しかしそれぞれの信じる世界の違いゆえに全然噛み合わない、という状況をどう乗り越えるか、というところ。 ■妻は本当に献身的で、夫に家計ギリギリのところの金を勝手に使われようと、好き勝手して会社をクビになろうと、必死に夫を支えてくれる。夫の方も家族のことは考えて入るのだが、それにしては家族に話さずにいすぎであろう。 ■しかしラスト、夫の方が正しいことを暗示させて終わる。あそこでいう「分かったわ」は「あなたの予知が正しい」ということではなく(なら嵐の段階で終わっている)、「あなたがどういうことを恐れ、そのために必死で行動していたかが分かった」ということであろう。 【θ】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-14 00:34:56) (良:3票) |
1.《ネタバレ》 家に帰ってくると、夫が竜巻用のシェルターにとでかいコンテナをローンを組んで購入し、庭にせっせと穴を掘り、埋め込んでいた。その光景を見た奥さんは、「正気じゃないわ!」と怒り心頭。OPから非常にスローテンポな展開がラストシーンまで続きます。ぼくは非常に眠気に襲われ、イライラもしましたが、時折り見せる不穏で不気味な演出が凄い効いているのに気付きます。カーティスが悩まされる「悪夢」は、果たして精神異常の妄想なのか、それとも予知夢なのか?観客は常にラストに向けて自分なりに思考します。明らかに精神に異常をきたしている様子を表現するマイケル・シャノンに対し、そんな夫を案じ、現実的に受け止め、目を覚まさせようとする妻、ジェシカ・チャステイン、2人の演技が迫真。一度「答え」を見せる終盤の展開が、ラストシーンへの「真の答え」にどんでん返しを生む演出でやはり観客の思考もまたひっくり返される。ひたすらに家族の為に出来る事をする、夫、父としてのその姿、行動は当然の如きなのに、周囲、妻にはどう映るのか?お互いに「愛している」からこそ、結局この映画の様になるのだろうか?だからこの2人の互いを愛する気持ちの結果には納得せざるを得ない。と同時に、愛する人をどこまで信じられるか、この映画のラストシーンが観客に問い掛けているんでしょう。もし家族が、妻が、夫がそうなった時、あなたなら信じられますか? 信じてあげますか? 【miki】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-08-01 23:05:34) (良:2票) |