1.《ネタバレ》 「ねえ、聞いて。あたし、世界がこのまま終わってしまうなんて絶対に嫌。だから、あのキューバの核ミサイルのこと、なんとかしよう。あたしたちに出来る精一杯のことを」――。1945年、広島に原爆が投下された年に、ロンドンの同じ病院で生を受けたジンジャーとローザ。それから17年後の1962年、以来ずっと共に過ごしてきた2人はいつも一緒に居る親友同士となっていた。それぞれに問題を抱えた家庭環境から逃れるかのように、彼女たちはお互いの存在に大きく依存してゆくのだった。だが、感受性豊かなジンジャーがキューバ危機によってもたらされた「世界はこのまま終わってしまうのかも…」という強迫観念に捉われると、そんな2人の関係も少しずつ亀裂が生じ始めてゆく……。17歳の2人の少女の、文字通り今にも壊れてしまいそうな危うげな日々をリリカルな映像でもって綴った青春物語。うーん、なんだかこれまで大量に創られてきた思春期少女の青春を雰囲気重視で描いた過去の色んな作品(ソフィア・コッポラとかガス・ヴァン・サントとかの)の影響をモロに受けちゃってますね~、これ。ただ、そんな過去作に比べるとちょっと(いや、かなり?笑)センスが不足しているせいで、こちらはまったく新味のない平凡な作品となってしまってます。唯一新しいと思えるのは「核戦争勃発の危機により、もしかしたら世界は明日にも終わってしまうのかも」という、当時の社会に漂っていた現実的な閉塞感を物語の背景にしているところなのだけど、残念ながら巧く機能しているとは到底言い難い。それに後半、親友の父親に惹かれていくローザという展開もあまりにも単調過ぎるうえに、いまいち心理描写が希薄なせいで一向に感情移入できず、終始睡魔が…。主役を演じた2人がなかなかのかわい子ちゃん(エル・ファニング、いつの間にかなかなかの美少女に育っててびっくり!)で、そんな彼女たちのちょっぴり百合っぽい淫靡な雰囲気がけっこう良かっただけに残念!