【TERU】さん [インターネット(字幕)] 4点(2023-09-20 22:03:44) |
《改行表示》26.大昔に確かに観た事はあるんだけれど内容を全く覚えてない…そんな映画は沢山あるわけですが、この映画もその1本。 アマプラで見かけたので、つい観てしまったわけです。 映画冒頭、名前を言わない主人公を見て「あぁマカロニの名無しの男を受けてるんだな」くらいに思ってたら、これがとんでもない引っ掛けです。まさかマカロニウエスタンの名作を釣りにつかってくるとは…まいりました。 名無しな事にちゃんと意味がある…というかそれがオチですから!と、とにかく普通の西部劇とは全く違う凝った(?)癖のある脚本が展開します。 一般的な西部劇というと日本の時代劇と同様「わかりやすい勧善懲悪」「撃ち合い(チャンバラ)シーンを楽しむもの」というシンプルな娯楽映画である事が身上なわけで、ほとんどの映画はそうなのですが、しかし1972年にこんなエッジの効いた脚本で西部劇を作ってしまうとは…イーストウッド恐るべし。 この映画を観たジョンウエインがイーストウッドに批判の手紙を送ったそうですが、そう、ジョンウエインのような王道西部劇の人からみればたまらなく醜悪な映画にしかみえないでしょうから、それもさもありなんです。 このシナリオそのままで2022年の今映画化してもきちんと成立するだろうな、と思えるくらいに現代レベルのシナリオなので、逆に当時の評価は賛否両論あったんだろうな、と思いますが、いや素直に面白かったです。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 7点(2022-06-20 19:55:12) |
《改行表示》25.《ネタバレ》 -High Plains Drifter- “高原の放浪者”ハイプレーンは地名(地域名)かもしれません。 売られた喧嘩は買ってしまう凄腕のさすらいガンマン。これ最初のレイプがなければ案外普通の“偶然立ち寄った街を救うさすらいのガンマン”映画かも知れない。当時は『西部劇だし多少やり過ぎ感はあるけど…』って感じだったのかな。中盤以降特に関係ない話だし、あまりここに拘ると全体像を見失うのかも。 湖の畔のセットっぽい街に、3人の無法者が復讐にやってくる。銃が沢山あれば町の人達で何とか出来そうだけど、ただ凄腕ってだけで用心棒を殺したガンマン1人を雇う保安官。町のもの全部無料にするなら、金鉱という隠し財産があるなら、もっとちゃんとした人を雇えそうだけど。 街に雇われてやりたい放題のガンマン。インディアンに毛布やお菓子をごっそり与え、保安官と町長をモーデカイにして、納屋の壁をパーティのテーブルに作り変えさせ、ラーゴの街看板を地獄と書き換え、建物をペンキで真っ赤にする…これがまた明るい赤で、恐怖の演出というより、インスタ映えしそうな可愛い赤い街になってしまった。 さて3人の無法者はパーティ会場や赤い建物なんて気にもせず街を占拠。ガンマンもどこかに行ってしまい、町民は戦わず逃げるばかり…やられたい放題やられる町民。う~ん、あのトレーニングは何だったのか? 結局名乗ること無く街を立ち去るガンマン。無念にも殺された保安官ダンカンの・・・何かなんだろう。 しかし鞭で打ち殺すって、銃で撃ち殺すより残酷で、それを羊のような大人しい町民みんなが見ている目の前でやらせてたっていうのは、正義ってなんだろうって思わせる。 【K&K】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-05-30 13:25:00) |
《改行表示》24.イーストウッド、監督2作目にして監督としての初の西部劇。にしてはなかなかの異色作です。 ラストで、「そういえばあんたの名を聞いてなかったね。あんたはいったい何者?」 に、イーストウッドは一言、「知っているはずだ」と去っていく。 彼は一体何者だったのか。それは最後まで見てご判断いただくとして、 後にイーストウッドは「ペイルライダー」でも似たことをやっています。名もなき西部の流れ者。 この頃には既に「ダーティハリー」をはじめ、独自のアンチヒーロー像を確立していた頃でもありますが、 やはりイーストウッドには西部劇が似合うし、本作のような流れ者の凄腕ガンマン役が絵になります。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2022-02-11 11:15:18) |
23.「正義」なき世界のリアリズムを表現した作品と言えるのかもしれないが、とは言っても近代社会はそれなりの法秩序や行政機能があるわけで、昔の小さな田舎町だからこそ成立する物語であるとも言える。「力」がものをいう時代を批判的に描いているとも言えなくもないが、スッキリはしないし後味が良くない作品ではある。 |
22.「七人の侍」のような話かと思って見ていたら、「八つ墓村」的なお話でした。しかし毒をもって毒を制すというか、力のある者がすべてを奪うというか、いかにもアメリカ・ファーストな正義感が炸裂しています。「五分の魂」とか「三分の理」なんていう発想は、きっと皆無なんでしょうねぇ。 【眉山】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-08-08 02:32:41) |
《改行表示》21.《ネタバレ》 初期のイーストウッド作品。荒削りだけど、野心的で型破りな西部劇だなぁと思いました。 鞭打ちシーンは痛々しかった。ストーリーも相まって、独特で不思議な魅力を放つ一本です。 【あろえりーな】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-11-18 19:37:27) |
20.《ネタバレ》 摩訶不思議なウェスタンといえば、もうこれしかないでしょう。まあどう考えてもイーストウッド演じる“ストレンジャー”はこの世の存在ではないわけですが、いきなり女を手籠めにしたりする生臭い奴なので“こいつは何者”感が濃厚になり、ここがこの脚本の上手いところです。広大な湖のほとりにまるで住宅展示場みたいなこぢんまりとした町(というか集落)があるというのも、普通のウェスタンではあまり見かけたことがない景色でした。一見善良そうな住民たちが私欲のために保安官殺しを黙認するという展開は、ジョン・ウェインが激高しそうなストーリーです。保安官に町の住人が非協力的な『真昼の決闘』が反米的だと激怒した人ですけど、もう製作当時は人生の終わりも近かったので丸くなってたのかな。駆け出し監督のころですからイーストウッドの作品はまだB級色が強かったので、大して注目されていなかったのかもしれません。 こうやって観ると、イーストウッドはハリウッドでもウェスタンを危篤状態となってから撮りだしたようなものなので、いろいろと捻った観点の作品がウェスタンでは多いですね。そこは50年代からどっぷりウェスタンで生きてきたペキンパーの様なこのジャンルへの哀悼は感じられませんが、彼の死後にはイーストウッドがウェスタンに施した心臓マッサージが効いて『許されざる者』という傑作が生まれたんじゃないでしょうか。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-05-07 22:26:37) (良:2票) |
19.不思議な映画だったけど、おもしろかったのでよろしい。 【センブリーヌ】さん [地上波(字幕)] 6点(2017-04-10 02:28:58) |
18.イーストウッドという人、元々はTV西部劇で名を売ったとは言え、その後の活躍はマカロニという一種の傍流、やはり古き良き西部劇映画に自分は遅れてきた、という意識があるのか、はたまた終焉を迎えつつあるアメリカ西部劇を自分が看取ろうというのか。この映画、流れ者のガンマンがとある町にやってきて、その町を狙う悪漢3人組と対決する、という、いかにも定番の設定。でありながら、内容はというと、どうにもヘンテコなんですね。名もなき人々をヒーローが救うには、やはりその人々がそれなりに勤勉であったり正直であったりしなくちゃいけない。だけどもはや、どこを探したってそんな「無垢の善良な人々」なんて、居ないわけで。実際、この映画の舞台の町の人々も、およそワケありの、ロクでもない人々だったりする。だもんだから、割れ鍋に綴じ蓋とでもいいますか、彼らを守るべきヒーローもまた、とんでもないヤツだったりするのですね。一応は用心棒の役を引き受けるも、町民へデタラメな要求を繰り返し、町はムチャクチャ。いよいよやってくる3人組、彼らを待ち受ける町は何故かペンキで真っ赤に染められ、町の名前も「地獄」と書き換えられているのは、3人組への脅しなのか、それとも町民に対する皮肉なのか。そもそも、この破天荒な映画において、通常の悪役が暴れる余地なんて、もう残ってはおらず、クライマックスはアンチクライマックスに、西部劇はアンチ西部劇にならざるを得ない。まあ、間違っても正統派西部劇を楽しもうと思って観るのはやめたほうがよい、しかし変化球を楽しむにはもってこいの作品です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-29 13:41:58) (良:1票) |
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17.《ネタバレ》 なかなか意味深な終わり方ですねぇ。いろいろと解釈できそうな話なのですが、私は「持たざる弱い人間」と「武器を持った強い人間」を対比した物語だと思いました。持たざる町の人は武器を持っても弱い。そのあたりが、「武器を持ったら強行になる」アメリカ的な行動原理とはズレていて、興味深かったです。一見平穏な町の人間にも裏があるとか、なかなか一筋縄ではいかない。ああいう一見無害な人間が実は一番やっかいだったりするわけです。とはいえテンポはあまりよくなくて、とくに序盤はしんどいですし、ストーリー自体はそれほど面白いとも感じられませんでした。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-06-07 22:02:30) |
16.ものすごく変な映画です。ストレンジャーは街でやりたい放題やりながらも街を襲うならず者を徹底的な準備をして撃退して、去っていきます。そのことに何の説明もありません。イーストウッドの西部劇の定番の設定である「名も無きストレンジャー」を突き詰めすぎて映画そのものが意味不明になってしまったような感じです。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-08-21 11:19:01) |
15.《ネタバレ》 なんだかよくわからない展開 何故か主人公(イーストウッド)は名前を言わない えーいきなりかい!的なシーン多く かなり謎 街を真っ赤に塗っちゃうし(苦笑) どこか山奥の湖?横のセットもすごい 深読みするのが苦手なワタシには よくわかりませんデシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 3点(2012-01-19 08:53:07) |
14.チビがうっとうしかった、そのせいか最後のチビによる見せ場には卑怯な奴だなぁというような印象しか受けなかった。 |
13.イーストウッドの映画を語る上で、恐ろしいほどの射程を秘めている映画だと思う。ペイルライダー、アウトローの原型が見える上に、彼独特のシニカルさというか冷徹な視点が見える。強すぎる主人公は、生身の人間ではない証左である。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-24 19:33:43) |
《改行表示》12.《ネタバレ》 クリント・イーストウッド監督・主演のやばすぎるアメリカ映画。 イーストウッドが演じたガンマンは、まさにアメリカを体現していて、胸くそが悪くて仕方なかった。 チビと呼ばれる小人症の男を擁護して、弱者の味方気取り。 そしてのその弱者は、虎の威を得て、えばりちらす。 自分は無敵の設定で、自己の価値観を絶対的なものだと信じ込み、周囲を振り回す。 悪党3人衆は、完全に悪者の設定で、予定調和的に殺られてエンド。 全てがアメリカという大国の振る舞いに酷似していて、アメリカ=イーストウッドという図式が、嫌気がさすほどに現れている。 もはやこんなのは、西部劇だとかそんな表面上の体裁などとは関係なく、アメリカの国威を示しているだけの内容で、むしずがはしる。 【にじばぶ】さん [DVD(字幕)] 1点(2010-09-26 01:32:12) |
11.異色の西部劇です。映像はなかなか良くて、じっくりと描かれています。しかし、テンポが悪く、ストーリーはそれほど面白いものではありません。「ダーティ・ファイター」で活躍する面々がこの映画に登場していて、ほほえましいです。 【ジャッカルの目】さん [DVD(字幕)] 6点(2007-08-10 22:08:23) |
10.《ネタバレ》 見ていたときは、「何じゃこの陰気でじめじめした雰囲気は。これでもウエスタンか」などと思っていたのですが、よく思い返すと、荒野、馬小屋、鞭打ち、喉を棒で刺される男、3人組の来訪者など、キリスト教アイテムのオンパレードなのですよ。加えて、もっともらしく登場する牧師は、作中でまったく活躍の場面のないひどい扱いです。つまり、ストーリー上さしたる意味もなく街全体を真っ赤な「HELL」に強引に変えてしまう主人公は、イーストウッドの「俺様は神よりも上に立つのだ」という勝利宣言なのかな、ということも考えたりします。作品としては、主人公以外のキャラが弱すぎるのが難点。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2007-04-22 17:56:51) |
9.《ネタバレ》 湖畔に建つ小さな町の、今の新興住宅を思わせる西部劇には不似合いな装いがまず異様さを漂わせる。近くの墓を通ってこの町にやってくる謎のガンマン。異様さを際立たせるオープニングからすでに地獄への伏線が張り巡らされる。富と秩序を守る体制に正義はなかった。イーストウッドは自らを人智を超えた存在に変え、正義の鉄槌を怒りを伴い振り下ろす。無法者と戦う西部劇ではない。人間を超越した者、つまりは神の制裁を描いた、ただ舞台が西部であるだけの物語。正義は個人の中にある。イーストウッドの西部劇の根底に流れるものの源流が垣間見れる。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2006-12-14 13:02:51) |
8.西部劇異聞みたいな感じの不思議ラストである。西部劇という舞台が持つ場所感覚は魂の彷徨みたいなベクトルをすっぽりと受け入れるようだ。どこまでも広がる荒野は確かに地獄であり(COWBOY FROM HELLって歌もあるし)、この映画では小さな水辺の集落がその地獄の舞台となる。イーストウッドがならず者を撃ち殺しすぐさま女をレイプする野獣のごとき姿を見せるという冒頭からシャレにならない展開。そして村を赤く塗りたくって「地獄」と変えてしまうイメージ感覚もビックリだが、この映画が本当にシャレにならないのは切り返し構図の強烈さである。特に終盤の炎に囲まれた復讐シーンでイーストウッドが鞭を放つ画と叩かれる男の画はこれだけでご飯がすすむ、みたいなよくわからないがそれぐらいの鮮烈な画面であった。近年のイーストウッド作品がもたらす、開き直りともいえるぐらいの恐ろしい歪みがここにあるのかどうかはわからないが、イーストウッドイズムがとってもよく溢れた必見の作品だと思う。 【Qfwfq】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-10 20:03:09) |