1.《ネタバレ》 宇宙空間と地表の図とか、貢物を天秤にかける審判の場とか、ダークな画調の場面はいかにもアレックス・プロヤス監督らしいイメージが
全開で楽しめる。
冒頭から三次元的ダイナミズムをとことん活かしたカメラ移動が追求されており、まずもってアトラクティブであることが目指されている。
翼を持った神々の設定といい、立体性を活かした舞台でのアクション構築といい、デジタル3Dの見せ場作りを大前提としてストーリーが組まれている為か
ドラマは前半・中盤と低調に感じてしまう。ドラマが要請するカメラワークではなく、空間・運動感覚を満たすためのカメラワークだから、
次第にそれに飽きてくるのも当然である。
それをようやく覆してくれるのが、クライマックスの高層建築上で主人公が下すある決断のシーンである。
それまでのアクションに強い感情が伴ったとき、キャラクターが輝き出す。
最終盤で、ようやく映画として盛り返したという感じである。