《改行表示》14.《ネタバレ》 サイコホラーとしては随分とライトな作品。誘拐され監禁されているとは言え、陽の光が入る広々とした地下室、緊縛されていることもなく出入口は施錠されてもいない。犯人が時折り訪れて暴力を振るうということもない。つまり、差し迫る恐怖という状況は演出されていません。なので恐さは殆ど感じられません。 そしてオカルト或いは超常現象的なことが大上段から振り下ろされています。具体的には、ひとつには妹の持つ母譲りの予知能力。父親は否定(と言うより嫌悪?または恐れている?)しているし先生も刑事も最初は全否定しているものの、結局は素直に受け入れている。事件の解決に向けた決定打ですね。 もうひとつは、よりいっそう重要な要素である黒電話から聴こえる亡霊の声。これはフィニーの特殊能力とも受け取れますが、フィニーの脱出劇はこれなしには実現しなかった訳で、妹の予知夢に基づく警察の急襲によって恐らくは救出出来たのでしょうけれど、犯人が死んでいなければスムーズだったとは限らない訳で、ふたつの超常現象・特殊能力があって初めて無事一件落着と言って良いのでしょう。 超常現象や超能力ありきの物語はある意味何でもありの世界ですから、そういう意味でも結構ライトな安心して鑑賞出来るサイコホラーと言えるでしょう。と同時に、そのあたりの変化球がお嫌いという方には「んな訳ねーだろ!」的な受け入れ難い展開とも言えるでしょう。私は肯定派なので評価は高めです。 ただ、ちょっとだけ気になったのはエンディング。フィニー兄妹の成長物語、そして父親も含めた家族の物語としてのハッピーエンドと素直に受け取れば良いのかも知れませんが、何と言ってもフィニーは殺人を犯した訳ですし、果たして正しい成長を遂げたのか?周囲から恐れられる存在となってしまった彼の将来に闇はないのか?全く触れられなかった犯人像と絡め、必ずしも清々しい余韻だけを残した作品ではないのでは?特に未読ですが原作はジョー・ヒルさんということもあるし…と思ってしまった次第です。 もしも続編を作ったならば、その中でフィニーは仮面を被り…?! なんてのは妄想かな? 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-03-24 12:19:11) |
《改行表示》13.《ネタバレ》 少年の成長映画と思えばなかなか面白かった。 持つべき物は友人とも言えるのかもしれない。 のだが、結構な虐待シーンが挟まれるので苦手な人はやめた方がいい。 ベルトで叩かれる妹役の真に迫ったあれ、創作だと平気な自分でもちょっと嫌な気分になったので。 父親の妹の「夢」への過度な執着は奥さんの経験から来る歪んだ愛情表現なのだが、それにしたってやってることは糞すぎるわね。 本筋とはあまり関係ない部分が引っかかってしまうのは残念。 原作は読んでないが割と重要な設定だったりするのかな? 犯人もベルトで暴力を振るう旨が言及されてるし、父親と重ねることに意味が含まれてるのかと思った。 【悲喜こもごも】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-02-28 15:31:47) |
12.《ネタバレ》 ホラー映画と思って見たのですが、ジュブナイル映画でしたね。1970年代ぐらい?の時代設定で、当時の空気感が感じれてなかなかエモいです。残虐描写はほぼ無しで、怖さ抑えめ、少年少女(兄弟)の成長ものとなってます。ただ、お兄ちゃんは黒電話の指示に従っているだけなので、成長しているのか?と言われると疑問が残りますが…なので妹の成長物語ですね。それにしても、当時のアメリカのイジメはきついですね、同じ様な描写は色々な映画で観ますが、やっぱりキツイです。鑑賞後の余韻もいいので、ホラー系が苦手な方にもおすすめできる映画でした。 【はりねずみ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-30 12:20:38) |
11.《ネタバレ》 1978年、デンバーの町は不穏な空気に満ちていた。何故なら〝グラバー〟と呼ばれる、少年ばかりを狙った連続殺人鬼が今もまだ捕まっていなかったからだ。残虐な犯人は、さらってきた少年をしばらく監禁すると酷い拷問を行った末に殺害し、遺体はまるでゴミのように捨てられる。グラバーは今日も町のどこかで獲物を求めて蠢いているだろう――。貧しい父子家庭に暮らす少年フィニーもまた言い知れぬ不安を抱えて生きていた。酒浸りの父は気に入らないことがあるとすぐ暴力を振るい、まだ幼い妹は精神的に不安定で常に目が離せない。そんなある日、恐れていた事態が起こる。ちょっと気を許した隙を突かれ、彼もまたグラバーに誘拐されてしまったのだ。薄汚れた地下室で目を覚ましたフィニー。そこにあったのは使い古されたベッドと年代物の黒電話のみ。「あいにくその電話は随分昔に壊れてしまって何処にも繋がらない」。不気味な仮面を被ったグラバーは、恐怖に怯えるフィニーにそう言い残し、地下室を出ていくのだった。このままじゃ僕も殺される!極限状況に追い込まれた彼に、さらなる不穏な出来事が起こる。電話線が切られたはずの黒電話が突如鳴りだしたのだ。恐る恐る受話器を取ると、受話器の向こうからありえない声が。なんとグラバーに殺された少年たちが彼に話しかけてきたのだ……。けっこう既視感満載のそんなオカルティックなスリラーなのですが、この全編を覆う重苦しい空気はなかなか良かったですね。小さな窓しかない完全防音の地下室に閉じ込められるというこの設定がとにかく最悪過ぎる!しかもそこに何故か置かれてある壊れた黒電話。誘拐された子供がもしかしたら助けを呼べるかもと期待を持たせるために敢えて置いてあると思うと胸糞さマックス。犯人が被る上下分割マスクは余りにも不気味でこの犯人の異常性を見事に視覚化しており、なかなかにセンスがいい。そして黒電話を通して話しかけてくる事件の被害少年たち……。ここら辺のホラー描写もベタながらけっこう怖かった。彼らが主人公に与えてくれるヒントが一見的外れかと思いきや、最後に全て回収される脚本も良く出来ている。ただ、惜しいのは物語の芯となる部分が弱いところ。特にグラバーの目的がいまいち分からないところが残念。何のために少年たちを何人もさらって殺すのか、その動機をもう少し踏み込んで描いていればもっとサスペンスが盛り上がったと思うのに。また全体的にスティーブン・キングの『IT』と設定が被ってしまっているのも残念。とまぁそこら辺に目をつむれば、この鬱屈とした雰囲気や禍々しいホラー描写などは普通に楽しめると思います。6点! 【かたゆき】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-07-19 07:47:11) |
10.思ってたのと違ったけど、面白かった。イーサンホークである必要はなかったな。 【センブリーヌ】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-04-07 15:29:56) |
9.《ネタバレ》 正統派オカルトサスペンスであり、王道のジュブナイル。同類映画は『イット』でしょうか。諸先輩方からアドバイスを貰い試行錯誤しながら困難に立ち向かう主人公。助言が的外れだったり、役に立たなかったり。現実とあまり変わらない気がします。そこがいい。それでも選択しなくてはいけません。成功しようが失敗に終わろうが最後に決断するのは自分自身です。より重要なのは実行力より決断力かもしれません。少年の成長物語として過不足ない内容で満足できました。惜しむらくは乗り越える壁が少々低かったこと。誘拐犯は小物で人間力は大したことありませんでした。だからこそ自らを大きく(恐ろしく)みせるために仮面が必要だったのでしょう。しかし現実の課題だって、不安から勝手に高く見積もっているだけで、案外そうでもなかったりしますものね。恐怖に打ち勝つ勇気が少年を大人にするのだと思います。 【目隠シスト】さん [インターネット(吹替)] 6点(2023-03-25 00:25:16) |
《改行表示》8.《ネタバレ》 なんとなくホラーぽいのが観たくなったのとイーサンホークも気になり、調べてみると平均点6.75に期待して鑑賞。 後味も悪くなくシンプルで面白かったのだけど、少しだけ物足りなさも感じた、それが何かはよくわからない。 もう少しベタな見せ方でも良いと思ったのと、小奇麗にまとまりすぎかな、あと、なんとなく脱出ゲームみたいな感じ?。。。と書いて気が付いたのだけど一本道な印象ってのもありますね、意外性が薄いのかも? ところで、イーサンホークの事はすっかり忘れてました。。。 【ないとれいん】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-03-22 10:05:36) |
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《改行表示》7.《ネタバレ》 この手の映画はあんまり観ないほうなんですが、イーサン・ホークということで観てみました。 黒いダイヤル式の電話なので時代も70年代なんですね。そして70年代といえばホラー映画ブームでしたよね。 「悪魔のいけにえ」は火付け役となったホラー作品のひとつじゃないかな?未見ですが。 フィニーとグウェンの兄妹のキャラや関係性がなかなかいい感じ。グウェンが石をつかんでぶん殴るとこが好きだな。 電話で話してる時に最初に横に現れた時はマジでギクッとしてしまいました。 もともとケンカには消極的なフィニーがイーサン・ホーク相手に戦うとこは、それまでジリジリしてたんですが一気に爽快感を味わえてスカっとします。 私のようにホラーが苦手な人でも大丈夫なホラー映画だと思います。 【envy】さん [インターネット(字幕)] 6点(2023-03-21 21:42:52) |
6.《ネタバレ》 児童連続誘拐事件の犯人に誘拐された少年の映画。観る前は、もっとこうオドロオドロしい、猟奇的な犯罪の怖い映画かなって思っていたんですけど、どっちかゆーとジュブナイル的な、ファンタジー寄りのお話で、幽霊とか超能力的な助力を得て、脱出するためにガンバル映画でした。ただ、一番最初に幽霊が出た時は、ちょっとドキッと、飛び跳ねてしまいましたけど。ジャンプスケア―的なのはそれくらいかな。犯人も倒すべき悪役としての立ち位置だけで、そんなに深みとか感じひんかったなー。お面の印象のみ。でも面白くないはけではなく、最後もスッキリできたし、それなりに楽しんで観れました。 【なにわ君】さん [インターネット(吹替)] 7点(2022-11-09 20:58:31) |
《改行表示》5.《ネタバレ》 電話線の切れたダイヤル式の黒電話が鳴る。 それだけでなんだか胸躍る一本。 スマートフォン全盛のこの時代にあって、黒電話を使ったホラーを撮ろうと思ったら、時代設定を戻すしかない。 なにせスマートフォンにはない怪しい力が黒電話には確実にある。そのこともなんだか不思議。 弱々しかった男の子が、ラストシーンで振り切った感じになるのは非常に心地よい。 「悪魔のいけにえ」なんて映画をリアルタイムに語らせるのも憎い演出。 そしてなんと言っても妹役の女の子。 何もしてくれない神に文句を言うシーンなんて微笑ましくて最高。 単なる猟奇殺人犯との対決で終わらせない要素がてんこ盛りで、とにかく面白かった。 いや、良作。 |
《改行表示》4.《ネタバレ》 うーん、まぁまぁですね。IT的なジュブナイルホラーとしては良くまとまっていたと思います。妹が非常に可愛く、強いんで見てて気持ち良いくらいでしたね。 難点はイーサン・ホークのサイコパスが何ともユルい事。あの進撃の巨人風のマスクに何か意味があったのか。まぁあれ以上強かったら少年に勝ち目はなくなるけど。 死んだ子供たちの役に立つか立たんか良く分からないアドバイスも少年らしいと言えなくもない。猛犬への対処だけは「なるほど、そう来たか」と思わせました。 全体的にまずまずまとまった佳作だと思います。 【ぴのづか】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-07-06 21:53:44) |
3.《ネタバレ》 原作未読。少年ばかりが狙われる行方不明事件が頻発している1978年のデンバーが舞台。妹思いで優しいが気弱な少年フィニーと勝ち気で兄が大好きな妹グウェンの兄妹は、妻を亡くし立ち直れずアルコール依存になった父親と3人で暮らしていた。ある日、フィニーはマジシャンだという男に連れ去られ気がつくと密室に閉じ込められていた。グウェンは母親から受け継がれた予知夢を手がかりに兄を救出するために動き出す。 予告もあらすじも見ずに行きました。変なマスクのおっさんがポスターに出ていてたので「こいつが犯人だろうけど電話はなんだろう?」と思いましたが、ちょっと捻りもあったりでなかなか面白かったですね。断線しているのに鳴り出す電話の相手がオッサンに誘拐されて殺された少年たちで、それぞれが助言を与えてくれて気弱だったフィニーが大きく成長を遂げるのが良かったです。可愛らしい妹があまりにも口が悪くて笑いましたがイジメっ子にやられてる兄を見つけて石を持って殴りかかるというファイティング・スピリッツには敬服しました。誘拐された兄を救うため頑張るグウェンは健気で可愛かったです。兄妹の絆も強く、最後には嫁を亡くしたショックから能力を毛嫌いして認めず切れ散らかしていた親父も謝罪して家族がまとまった感がありましたね。 【ロカホリ】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-07-02 00:00:56) |
《改行表示》2.《ネタバレ》 街では、少年を狙った誘拐事件が連続していた。近しい友人達すらも異常犯罪者の魔の手に落ちてゆく中、遂に主人公も…地下室に閉じ込められた彼もまた、犯人の毒牙にかかってしまうのか…しかし、救いの手は意外な所から差し伸べられたのだった……… 妹が軽く霊感持ってるコトなんかも含めて、状況設定としてはホラーとして観たコト無いなんてワケでは全くねーのですが、キモとなる中盤の展開とゆーのは率直にかなりユニークですね!このお蔭で今作、ジュブナイル・ホラーで霊能もので、当然サイコスリラーなのにオカルト、そして何より(一風変わった)青春もの・友情物語としても十二分に成立している、という非常に独特な質感に仕上がっていたかと思います。妹が(ガキンチョのクセに)相当に気っ風の好い・気持ちの好い女のコで、彼女が目立つ序盤&終盤は(比較的にも)シンプルにかなり面白かったと思いますし、特にラスト付近は主人公の兄貴の方も正に「一皮剥けた」という感じに抜群のキレを発揮してくれるので、観終わった感じもごく良好でしたです。フツーにオススメできる良作ホラーかと思いますね。 多少物足りなく感じた部分があったとしたら、そーは言いつつ中盤が少し地味でかったるかったかな…というコトですかね。描写自体が少し地味なのに加えて、ここら辺てのはヘルプ幽霊の助言に従ってるのに結局上手いコトいかん…という予定調和がまたダルいのと、同様にこの辺の幽霊ってのは(主人公が名前を知ってたってダケで)別に生前に深い繋がりが在ったというワケでもないのでその意味でも少しエピソードとして濃度が薄いのですよね。重ねて、かなりユニークで、かつホラーとして・娯楽映画としての基礎的なクオリティもまま高い作品ではあるのですが、その点を念入りに勘案してのこの評点というコトで。。 【Yuki2Invy】さん [映画館(字幕)] 6点(2022-07-01 23:09:33) |
《改行表示》1.《ネタバレ》 「えっ、お前…死んでね?」ってキャッチコピー付けたくなるくらいそこそこびっくりします。説明的な序盤は眠いですが主人公が閉じ込められてからが勝負。 死人が出て来るとこは怖いです。シチュエーションも怖いです。劇場で隣の人が飛び上がってたし。しかしド直球なホラーではなく、色んな要素が詰まった、あまり類を見ないタイプの映画という印象。サスペンス、脱出劇、勧善懲悪、ヒューマンドラマとその姿を変えていき、鑑賞後は妹役のMadeleine McGrawが最も印象に残るというこれまた不思議な映画。とにかくこの子がめっちゃ可愛いです。スティーブン・キングの息子が原作という事でどんなもんかと期待して公開初日に特攻んだ訳ですが、なるほど監督がマデリーンに惚れ込んでスケジュールまでこの子に合わせたってくらい、原作そっちのけでマデリーンの魅力をぐいぐいと前面に押し出して来ます。これだけでもう見る価値があります。 デイブレイカーとかフッテージとかジメッとした映画が似合うイーサン・ホークなので、こうした陰惨な役どころもきっちりやってくれるだろうとは思ってましたが、ラストは案外情けなくてこれまたイーサンらいしというか微笑ましい。ハリウッドにしてはかなり低予算ながらイーサンの様な大スターを起用した事によって作品が締まります。 自分はどちらかと言うと同じホラー映画でもひたすら逃げ惑うよりも立ち向かって欲しいと考える口なので、この映画は好きな無類。お兄ちゃんはこのピンチを切り抜けて可愛い妹の元に戻れるのか、ぜひ刮目されたし。 【にしきの】さん [映画館(字幕)] 7点(2022-07-01 20:32:17) |