ザ・ホエールのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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ザ・ホエール

[ザホエール]
The Whale
2022年上映時間:117分
平均点:7.12 / 10(Review 8人) (点数分布表示)
公開開始日(2023-04-07)
ドラマ戯曲(舞台劇)の映画化
新規登録(2022-12-28)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2023-04-17)【Cinecdocke】さん
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監督ダーレン・アロノフスキー
キャストブレンダン・フレイザー(男優)チャーリー
ホン・チャウ(女優)リズ
タイ・シンプキンス(男優)トーマス
サマンサ・モートン(女優)メアリー
撮影マシュー・リバティーク
製作ダーレン・アロノフスキー
配給キノフィルムズ
編集アンドリュー・ワイスブラム
字幕翻訳松浦美奈
あらすじ
同性の恋人を失ったショックで過食に走り、600ポンド(約272キロ)の体重を有するオンライン講師のチャーリー。心不全の症状が悪化し、死を悟った彼は、8年前に自ら家族を捨てて別れたままだった娘との関係を修復しようと試みる…
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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8.《ネタバレ》 彼の名は、チャーリー。過去、ボーイフレンドを亡くしてしまったショックから鬱と過食に苛まれ、いまや体重270キロ、一人で歩くこともままならない極度の肥満症に陥ってしまった中年男性だ。当然、家の外に出ることも出来ず、食事はもっぱらデリバリーで済まし、仕事はオンラインでできる大学のエッセイ講座の講師、毎日訪れてくれる看護師の献身的なサポートに頼り切った生活を送っている。自分に会いに来てくれる人などほとんどいない。ときたま訪れるのは、終末論を説く新興宗教の勧誘ぐらい。そんなどうしようもない孤独な毎日を送る彼だったが、ある日、大きな心不全の発作を起こしてしまうのだった。明らかに死期が近いことを悟った彼は、とある決断をくだす。「昔、ボーイフレンドと付き合うために捨ててしまった家族、自分の一人娘であるエリーともう一度心から向き合いたい」――。16歳になったエリーとなんとか連絡をとったチャーリーは、8年ぶりに会う娘にただただ感情を揺さぶられるばかり。だが、父に捨てられた過去をいまだ許していない娘は、ブクブクと太った醜い父親に嫌悪感をあらわにする……。僕の敬愛してやまない現代を代表する優れた映画監督の一人ダーレン・アロノフスキー、彼の最新作にして主演を務めたブレンダン・フレイザーがアカデミー主演男優賞を受賞したという本作、期待して今回鑑賞。冒頭、270キロにまでなってしまった主人公がネットでゲイポルノを見ながら自慰行為をするシーンから始まる。直後、発作を起こし命の危険を感じながらも落としてしまったスマホを拾うことが出来ず、救急車を呼ぶことすら出来ない。生きることの醜さや人間の愚かさ、目を背けたくなるような現実を容赦なく突きつけてくるこのシーン、監督の冷徹な視線にただただ圧倒されるばかりだった。その後、彼の孤独な生活に介入してくる同じく心に様々な葛藤を抱えた人々と繰り広げられる会話劇は、役者陣の鬼気迫るような熱演も相俟って、非常に見応えのある深いものだった。舞台劇を映画化しただけあって、自分は『ゴドーを待ちながら』を思い出してしまった。あの古典的舞台で登場人物たちが待っていたのはゴドー(≒神)だったが、本作で登場人物がただ待ち続けているものはなんだろう。いや、彼らはもはや何も待っていない。そう、神なき時代を生きる我々にはもはや待つことすら許されないのだ。自分は最後に救われた、自分の人生に意味はあったのだというもはや自己満足に過ぎない救済のみが、自らの縋りつくすべて。最後、まるで陸に上がった鯨のようにその巨体をうねらせながら飛び上がった時、果たして彼の魂に救済は齎されたのだろうか。それは鑑賞者の心に委ねられている。主人公がキリスト教で否定されてきた同性愛者であることも本作の見逃せないテーマの一つだろう。毎日何時間もかかる特殊メイクを受け、自身の半生をも髣髴とさせる熱演でそんな孤独な男を見事に演じたブレンダン・フレイザーも忘れてはならない。この監督は相変わらず、役者の力を極限まで引き出させるのが本当に巧い。神なき時代を生きる現代人の苦悩と救済を美しい映像でもって描いた、アロノフスキー監督のあらたなる傑作と言っていい。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 9点(2024-07-10 09:31:04)(良:1票)
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7.《ネタバレ》 終わってみると、ここに肉欲はなかった・・ しかし、苦悩する主人公の容姿は、肉の塊だ。 ここにアメリカ映画の深さを感じた。  健康的ではない。それは確かだ。 アランを放っておけなかったチャーリーが自己過信が過ぎたのだろう。 それも娘の愛ゆえなのかもしれない・・  男が描けるカタギの女性の姿、ギリギリのとこまで描いたのではないか・・ 舞台劇という、この映画。 会話だけでは伝わらない、神々しさが感じられた。  唸りました・・
トントさん [DVD(字幕)] 8点(2024-06-16 23:51:58)
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6.《ネタバレ》 まずは個人的主観による、賞レース面の駄感想から。 2019年は「今年こそはグレン・クロースが『天才作家の妻』でオスカー獲るだろうな」と思ったが、またまた受賞ならず……。『女王陛下のお気に入り』のオリビア・コールマンさえいなければという結果に。あんなんやられたら誰もかなわんだろうと思ったもんですが、今回もそんな感じ。 『エルヴィス』を観たとき、オースティン・バトラーこれだけやってオスカー獲れんかね?と感じたが、本作を見て納得。 ビル・ナイの『生きる』も他のノミネートが小粒な年なら獲っておかしくないが、今回は相手が悪かった。それほどブレンダンの演技はすごかった。SFXで太った顔になっているぶん「目」だけで表現するシーンも多いのだが、それすらとにかく素晴らしい。  ブレンダンの映画で一番好きなのは『青春の輝き』。ほかにも『小さな命が呼ぶとき』とか『タイムトラベラー/きのうから来た恋人』なんか大好きですね。2010年代半ばに仕事がなくなり消えたと思われましたが、よく本作で使ってくれました。はまり役というと変ですけど、私生活と重なる部分もあり、それが余計に迫真の演技を“迫真”たるものにしてました。 レビューなのに内容についてほとんど触れませんでしたが、それについては【Cinecdocke】様の感想をお読みください(笑)。私もほぼ同じ感想です。
レイブンのかなづちさん [インターネット(字幕)] 9点(2024-03-15 07:46:59)
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5.《ネタバレ》 非常に観応えの有るドラマだったとは思うのですが、かつ表現の面でも何故主人公があーいう人物として作中に据えられて居るのかとかには(最後まで観ると)ごく納得がいったのですが、それでも何とゆーか、やはり根本的に主人公の人間性自体には納得がいかない部分がかなり有って、結果「うーん…」みたいな観終り方になってしまったという感覚が強いです。描かれない時間の中においても、どー考えても極めて「自分本位」な人物だったのだろうとは思えていて、だから娘のエリーの(字ヅラは)ごく過激な発言の方が、私にとっては100倍説得力が在った様に(また)思えてもいまして、どーにもなんだか入り込めなかったな…(醒めた眼で観てしまってたな…)という感じなのですよね。  ただ、重ねてそれこそが、今作の表現の結実する最たるモノ=自分の中の自分が暴走して肥大化した成れの果て、というコトだとも思うのですよ。また、それダケを殊更に見せ付けてやって満足する…という作品ではなかった=チャンと他のモノ・それダケではない別の結末も提示してくれては居たとは(確実に)思えるのですよね。いったん、そのうちもう一度観ようと思うのを予感したうえで、この位の評価にしておきます。
Yuki2Invyさん [DVD(字幕)] 6点(2024-03-12 10:25:07)
4.なんか最近のアメリカ映画ではゲロを吐かせるのが流行ってるんでしょうか?ダーレン・アロノフスキーってシンプルに演出がイマイチなんですよね。冒頭主人公がゲイであることを示すためにゲイビデオを見ているところから始まります。娘はいかにも今時の若者、大麻にスマホにSNS。なんだか当事者以外が頭の中だけで考えて作った人物って感じで現実の人間はもうちょっと複雑でしょと思ってしまいます。レスラーに続きまたかよとしか思えない父と娘の再会と死別の物語、今回は主人公が動けないので娘がわざわざ父親に会いに来る動機が必要なのですが説得力がある心理演出ができているとも思えません。娘はレズビアンであることが示唆されていますが、これが性的マイノリティ同士なら共鳴するものがあるという意図なら安直すぎです。ノアやらマザー!やらガチガチのキリスト教映画作っておいて今更の宗教批判もなんだかなあという感じです。全体的にマザー!がボロクソに叩かれた反動で日和ったかのようにウケる要素を詰め込んできた、細田守監督の竜とそばかすの姫みたいな作品です。あっそういえばゲロも被ってますね(笑)。
Сакурай Тосиоさん [映画館(字幕)] 4点(2023-04-26 23:12:20)
3.ブレンダン・フレイザーのオスカー受賞作品と言うことで劇場へ。鬱から過食、辛い低迷期を乗り越えての復活劇で、自身の芯からの叫びのような熱演に拍手。舞台劇の映画化ということでピザ配達員含めて6名による室内ワンシチュエーション作品。おぞましいと言うより痛々しい余命僅かの超肥満男の妻子への贖罪に信仰心と「白鯨」を絡めた展開はダレる事無く見応えあるものでした。
The Grey Heronさん [映画館(字幕)] 7点(2023-04-23 02:44:35)
2.《ネタバレ》 体重272㎏の衝撃…異色の密室対話劇。終始ホラー映画のような異様な雰囲気。あのハムナプトラシリーズのスマートな俳優ブレンダン・フレイザーがカムバック。なんとモーレツに太られて渾身の怪演。そのお体と引き換えに米アカデミー賞主演男優賞受賞。立ち上がるのもままならねえ、姿さえ見せられねえ、動けねえ…だけどアタマの中は知的な、大学のブンガク教授。申し訳ないけど百貫以上のデブ。しかも亡くした恋人はオトコ。辛すぎて鯨のごとくお菓子を頂きまくる過食症。さらにその前のオンナ奥サマとの間の娘との関係修復を一生懸命にはかる。観ていて痛々しいぞ。とっても宗教クサい対話内容。デブでホモなアタシのお父ちゃん、最期は二本立ちし、歩き、白目むいて天へと召されていく。
獅子-平常心さん [映画館(字幕)] 6点(2023-04-16 03:14:15)
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1.《ネタバレ》 窮屈なアパートと272キロの肥満体に押し込められた孤独な魂。  全編9割が室内で展開され、4:3の画面比率が閉塞感を強調する。 彼のもとを訪れる宣教師の青年、理解者の看護師、絶縁状態で素行不良の娘は、 彼を救おうとしながら、呆れて突き放しながら、虚飾の皮を剥ぎ、魂を剝き出しにさせる。  聖書で、信仰で魂が救われることはなく、逆に不幸になってしまった登場人物たち。 肥満体をピザ配達員に晒してしまい拒絶されたことから、彼は暴食でさらなる破滅へ突き進む。 同性の恋人を選んだ身勝手さ、恋人の死をきっかけに変貌した救いようのないおぞましく醜い姿、 それでも本当の姿で、本音で誰かを救いたいという深い切望と信念。 オンライン講座でもついに痛々しい姿を晒し、退路を断った彼は、 自分の足で『白鯨』のエッセイを読む娘のもとへ一歩ずつ踏み出す。  「語り手は自らの暗い物語を先送りする」。 悔いを残さない最期にするために、自分自身に、娘に、後悔だらけの過去に本気で向き合うために。 そして"エイハブ船長"だった娘は"白鯨"の父に赦しを与える。 薄暗い室内が際立たせる、光り溢れるシーンはあまりに神々しかった。  ブレンダン・フレイザーは『ハムナプトラ』シリーズのアクションスターで有名だが、 セクハラ被害、離婚、鬱病、引きこもり、過食症で追い詰められた経緯があり、その経験が本作に活かされている。 まさにこの映画で演じるために今があったのではないか。 ダーレン・アロノフスキーらしい難解でホラー映画さながらのスリリングな演出も健在で、 感情移入を超越し、心をかき乱された怒涛の2時間だった。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 8点(2023-04-08 00:25:37)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 8人
平均点数 7.12点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4112.50%
500.00%
6225.00%
7112.50%
8225.00%
9225.00%
1000.00%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 Review0人
2 ストーリー評価 6.00点 Review1人
3 鑑賞後の後味 6.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 Review0人
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【アカデミー賞 情報】

2022年 95回
主演男優賞ブレンダン・フレイザー受賞 
助演女優賞ホン・チャウ候補(ノミネート) 
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2022年 80回
主演男優賞(ドラマ部門)ブレンダン・フレイザー候補(ノミネート) 

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