1.《ネタバレ》 地元での公開ラスト週、何とか間に合い鑑賞。
慣れ親しんだ故中村吉右衛門さんのテレビシリーズは実に見応えがあり、幾度も涙を流した経験がある。
今回の新シリーズは、甥の松本幸四郎さんが主役、その他の主要キャストも代替り。
過去のキャストが素晴らしかった為、比較されてしまうのは仕方がない事。画面を見ていても、過去のテレビシリーズの音楽を脳内再生してしまったり…
しかし、今回の映画はそれはそれで良い作品であった。何度も映像化されている「血闘」を見事に再映像化しており、池波エッセンスを大切に活かし魅せてくれる。
吉右衛門さんの完成された鬼平を、敢えて踏襲する芝居で演じた幸四郎さん、相当の覚悟だったと感じる。
また、柄本明さんと柄本時生さんの親子共演、時生さんが時を超えて昔父親が演じた役柄を再現しているのも嬉しくなった。
それと、料理は相変わらず美味しそう。
骨のある時代劇が少なくなった昨今、先日観た「碁盤斬り」や「鬼平」の様な心に刺さる作品を改めて期待したい。