1.《ネタバレ》 1975年、デビュー3年目、当時20歳(!)のヒデキの、全国縦断ツアーの様子を追ったドキュメンタリー。まず、富士の野外コンサートから始まるんだけど、そもそも当時、こういう野外フェス的な公演自体、国内ではほぼなかったんじゃないのかなあ。そしてヒデキは、今なら絶対に許可が出ないような超高層クレーン吊りのゴンドラで登場します。しかもその後、またそれに乗って上昇します。というかこの高さ、どう見てもビルの10階以上はあるぞ。その後は全国を転々とするのですが、合間に、札幌のジャンプ台で無意味にポーズを撮るヒデキとか、沖縄で馬が引く荷車に寝転がっているヒデキとか、プロモ・フィルム的な映像も挿入されます。ただ後半は、屋内公演の照明が暗くて、パフォーマンスがあまり見えないのが残念。●で、3年目ということは、その後に出てくるあの曲もあの曲も当然ないわけで、その意味では欲求はかえって高まってしまうのですが、しかし、この後の怒濤の驀進につながる勢いは、確かに感じさせます。やはりこの人は、不世出の名シンガーであり、唯一無二の大スターでした。その若き日の姿を切り取って保存したという意味において、この作品は今日でも、そして今後も意義があります。