29.せっかくの「サラリーマンチームが異国の内戦に突入」という美味しすぎるシチュエーションなのに、どうも使いこなせていないかなあ。こういう設定だったら、ビジネスのことしか考えてない(考えられない)日本チームが、銃撃戦からゲリラ戦からなぜか全部解決してしまう、みたいなギャップコメディを期待するのに、そういうシーンはあまりありませんでした。一方で、各種のロケにはやたら気合が入っているため、変なシリアス感が逆に立ちこめて、勢いを削いでいるのです。えらく消化不良感が残りました。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 4点(2023-01-10 23:36:29) |
28.90年代に見た覚えはあるのだが、この度再見。実際にテロやクーデターがらみで人質になったり殺されたりという事件は度々起きているわけで、ちょっと笑うに笑えないというか、コメディ?のわりには説教クサイ部分もあったりと、アレコレ詰め込みすぎて中途半端になってしまった印象。こういう事態になれば、当然日本政府も関係してくるわけだが、その辺は皆無だし。どうせやるならブラックコメディに徹した方がよかったのではないのかと。山崎努を筆頭に役者陣は概ね頑張ってはいたけどね。 |
《改行表示》27.くたくたに疲れた出張帰りの機内で、ひっさしぶりにこの映画を観た。 バブル期の日本映画独特の滑稽な欺瞞に溢れてはいるのだけれど、無性に胸に迫るものがあった。 曲がりなりにも“日本のサラリーマン”を10年続けてきて、彼らの悲哀としぶとさが身に染みる。 真田広之、山崎努、岸部一徳、嶋田久作という存在感たっぷりの4人の演者が、海外赴任のサラリーマンのある種の軽薄さと狡猾さと哀愁を体現している。 4人が織りなす文字通りの“サバイバル”である処世術の様が時に笑えて、時に笑えない。 発展途上国の内戦に巻き込まれた主人公たちが映画の中で繰り返し叫ぶ。 「私たちは、日本のサリーマンです!」 それは、はじめは銃撃戦をすり抜けるための「逃げ口上」であった。 それがストーリー展開に伴い、自分と日本の企業文化に対する「怒り」となり、終いには「誇り」として高らかに宣言される。 ぶっとんだコメディのように見えるけれど、今の時代でも星の数ほどの“日本のサラリーマン”が、世界のあちこちで汗を流し続けていることだろう。 【鉄腕麗人】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2017-08-27 00:58:22) (良:1票) |
《改行表示》26.《ネタバレ》 山本直樹作画のコミックのほうを先に読んでいたが、コミックのほうがおもしろい。 映画は、コミックで表現されたエロ、風刺などの毒気が薄まっているように感じる。 表現方法として、漫画のほうが自由度が高いのかな。 それでも、映画版もけっして悪くはない。 社畜である日本人の悲哀と、現地人のデタラメっぷりが対比的。 軍とゲリラの銃撃戦に巻き込まれる日本人。 「私たちは日本のサラリーマンです!」 名刺をかざして連呼しながら、命からがら脱出を図る場面がおかしい。 ウィットとアイロニーに富んで、シリアスな問題を軽妙なタッチで描き出している。 惜しかったのは、ゲリラが日本人スパイを解放したところ。 解放する理由が、日本人としての苦労話の演説を聞いただけでは弱い。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2012-12-11 21:27:54) |
25.《ネタバレ》 同時代と渡り合おうとしている邦画は、このころ貴重だった。ただの自虐趣味に終わってないところがいい。当時の日本、たとえば60年代末の政治的興奮のヒステリーは遠のいたが、そういう安穏ゆえになにやら鬱屈を蓄積している。エコノミックアニマルぶりを自嘲してはいるんだけど、これしかできない、という哀しみもある。そういう鬱屈を抜けてラストのヤマザルとの対決で「君たちが政治的・軍事的に体を張ってるように、我々は経済で体を張ってるんだ」という手応えに至る。けっきょくこの時代の日本人が最後に拠りどころにできる手応えは、この「頑張ってるんだ」ということだけなの。しかし少なくともそれだけはある。それなら嫌と言うほどある。実は、日本は戦後平和でやってきた、って言っても、今ではどんなものでも半軍事的商品になってしまう、という後ろ暗さもある。井戸では儲からない。なかなか同時代と向き合うってのは単純なことではない。そういう日本の鬱屈とわずかな誇りが、パスポートをかざしながら市街戦の中を「我々は日本のサラリーマンです」と叫びつつ横断していく戯画に集約された。発展途上国の人々を、変に目が澄んだ理想像にしてないのもいい。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 7点(2011-12-02 09:47:06) |
《改行表示》24.発展途上国の内戦に翻弄されるジャパニーズビジネスマン達を描いている。 シリアスな問題を皮肉を交えてライトに見せてくれていて、なかなか面白かった。 俺の好きな嶋田久作さんも好演。 近年の邦画のショボい爆発CGを見慣れていると、爆薬が派手なのも気持ちイイ。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 7点(2010-08-01 21:22:25) |
23.アジアの某国で日本のサラリーマンがクーデターに遭遇、という訳で、命からがらの逃避行がコミカルに描かれるのですが、笑えるシーンと、泣かせる“ちょっとイイ”シーンの配合が絶妙です。何といっても、大規模なロケ撮影が、映画を盛り上げます(戦闘シーンはなかなかリキが入ってます)。でまあ、日本のODAからサラリーマンの悲哀まで、とりあえず現代社会の矛盾をこれでもかと詰め込んでみた点、批判精神にあふれつつも、その解答を暗示するところまでは至っておらず、「そーだよそーなんだよ」とオヤジが飲み屋でアイヅチうつのが関の山、という気もするのですが、それはそれで本作の優しさ、とも言えるかも知れません。また、バブル期の残り香が感じられる本作、描かれている内容にも当時の世相が垣間見え、ああ、当時はこういう考え方だったかもなー、と、懐かしい面も。主人公が反乱軍に対し、「てめーらが8人も9人も子供作ってる間に、俺達日本人はアクセク働いてきたんだ」ってな感じの演説をブチまけますけども、さて、まさに今、現状を見れば、「日本人はマトモに子孫を増やすことすらできず、少子高齢化社会への道を驀進中。経済というものは、右肩上がりでなければおよそ立ち行かないというのに、人口を増やし市場を拡大するという、こんな簡単なことすら日本はできない。だもんで、経済拡大のための新しい市場を求め、アジアの国々を“新興国サマ”と呼んで、売り込みに必死」という状況。この映画のセリフが、当時は想定していなかった形で、現在の状況を言い当てている面も、あるのだなあ、と。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 7点(2009-07-18 11:41:27) (良:1票) |
《改行表示》22.《ネタバレ》 終盤になるほど尻つぼみ映画。 クライマックスで、ゲリラ相手に日本人の苦労自慢をしても意味ない。 日本人の苦労自慢を聞いたゲリラが、ゲリラを殺す手助けをしていた日本人スパイを釈放するのもわけわからん。 |
21.《ネタバレ》 生まれて初めての戦争に翻弄されるビジネスマンたちの苦闘がよく描かれていると思います。しかし前の方のレビューにあるように、中井戸がゲリラの元に戻って以降の皮肉な展開まであったらなあと。当時聞いたエコノミックアニマルの本領発揮と言える場面ですからね。 【次郎丸三郎】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-03-25 15:38:01) |
20.コミック版をリアルタイムで読んでいて(スピリッツ読者でした。同誌では盛んに映画の宣伝もしてましたが)、後から本作をTV放映で鑑賞したのですが、かなりがっかりしました。コミックは作画の山本直樹氏の脚色が多分に入っていたようですが、そちらの方が、要らんエロはあるものの、アジアの赴任地で現地女性をおもちゃにする日本人駐在員の描写やら、ODAの皮肉ももっと強く出てたと思います。結末もこの映画版は危機から脱出して「でも僕たち日本人だもんね~」ってな感じのライト過ぎる終わり方。コミックでは助けたはずの中井戸が、“反乱軍が政府になってそちらに取り入れば会社の一発逆転が狙える”と再度狂気じみた社畜ぶりでゲリラの陣地に戻っていき、果たして反乱軍は勝利し、数年後の高橋と中井戸の皮肉な後日談が描かれます。その後日談の中では、勝利したものの現状は何も変わってない、セーナの煩悶もさらりと描かれており、重くなりすぎない程度にちょっと考えさせられる結末でした。山本氏が原作者というわけではないので、同じというわけにはいかないでしょうが、もう少し結末にも、シニカルさを出して欲しかったですね。これでは、調子の良すぎる日本人に、少し嫌悪感さえ感じます。 【あっかっか】さん [地上波(邦画)] 4点(2009-03-25 13:09:04) |
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《改行表示》19.公開当時、日本映画は特に勢いもなくて、「邦画かぁ…」などと思いつつあまり期待せずに観にいったんですが、面白かったので結局3回観に行きました。そして山崎努さんの大大ファンになりました。それは10年以上経った今でも変わっていません。という思い出の作品です。最近ビデオで観てみましたが、面白さは当時感じたほどではないにしても、やっぱりいい役者の揃った素敵な映画でした。サラリーマンのおじさんたちがとても可愛く描かれています。と言ったら失礼でしょうか… 【クリロ】さん 8点(2005-02-01 20:56:12) |
18.「ヤーマーザール~!!」夢や希望を持ったサラリーマンになりたての頃ですよ、観たの。もう、さだまさしが心に響いたな・・(笑)真田、弱強い役、良すぎ。ベンガル・・その死に方サイコーだよリアルだよ!そして、山崎さん、あんたハマリ過ぎですよ!悲しいよ、笑うよ!テンプラ食いたいですよ(笑)日本映画でこんなに楽しいのってあまりない。多くの人に観て貰いたいな。 【★ピカリン★】さん 9点(2004-06-13 15:43:22) |
【ボバン】さん 7点(2004-05-30 03:31:11) |
【ぷー太。】さん 6点(2004-05-16 23:33:35) |
15.日本映画の流れがやっと変わって来たな、と思えた作品。限られた中でもそれなりに予算が作れるようになって来た中で、費用対効果を正確に見つめられるようになった結果のこのスケール感だったと思います。真田広之という役者は本来スクリーンでこそ異様な輝きを見せる人で、この作品も劇場で観た人とTV画面で観た人とではかなり印象が変わって来るのではないでしょうか。シナリオも良く出来ており、テンポも良く、さりげなく打ち出される人生観も暑苦しくなく、娯楽作品としてかなりレベルの高い作品に仕上がりました。あくまでも劇場鑑賞を前提として、高い点をつけさせて戴きます。TV向きの作品ではないです。 【anemone】さん 9点(2004-01-01 12:21:31) |
《改行表示》14.おもしろかった。まず、着眼点がいいですね。 日本という、世界でもまれな箱庭的平和が約束されてる先進国のゆりかごから出て、 常識もプライドも木っ端微塵の理解不能な国で 悪戦苦闘する「ニッポンのサラリーマン」。 いろんな意味での、さじ加減が上手い。 いろいろ笑えて考えられて、役者よしセンスよし。 こういうのに出会うと、日本映画捨てたもんじゃないと思えるなあ。 【あにさきすR】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-12-31 21:55:06) |
13.勘違いしてる人がちらほら見受けられますが、原作は山本直樹ではありません!漫画は、画:山本直樹/作:一色伸幸……この一色が本作品の脚本家。つまりオリジナル脚本の映画なのであります。漫画では映画と全く違う展開をみせますが、そこは山本直樹ゆえ…(笑)それはさておき、この映画、脚本が良く出来てる。感想は11の【のんき大将・やましんの巻】さんに被るので省略。 【ロビン】さん 7点(2003-12-23 04:35:45) |
12.原作読んでましたんで取り分け面白いとも思わなかったが、ODAやショウシャをブラックに描いた映画。アフガンやイラクの現実起きてることのほうが映画よりももっとブラックで笑える。 【亜流派 十五郎】さん 4点(2003-11-16 10:42:52) |
11.公開当時、かなり感心したことをおぼえてます。何にって、ヘンなナショナリズムを交えることなく、今のニッポン人の醜さや切なさ、そして愛しさをきっちり表現していたことに。アジアでの我々って、所詮ああいった情けない醜態を現地の人間の前でさらけだしているんだろうな。でもって、そんな我々にも、まだニンゲンとしての心意気が残っているだってことをしめした真田広之のクライマックスでの言葉に、けっこうカンドーしちゃいました。滝田洋二楼カントク、そして一色伸幸サンの脚本が巧いです。 【やましんの巻】さん 8点(2003-09-25 14:13:35) |
10.「陰陽師」と同じ監督とは信じられないくらい、面白い。戦闘シーンなどチャチくてわらっちゃうけれど、そのチープさも含め面白いのダ。この監督にはCGのようなハイテクよりローテクのほうが合っているんでは? このご時世で、作りたいように作れないのであれば、お気の毒。でも低予算で面白い映画ができてお客さんが入れば、つまり原価率がよけりゃそれでオッケーでしょ? がんばってね、滝田監督! 【おばちゃん】さん 7点(2003-07-28 10:13:01) |