3.《ネタバレ》 はっきり言って面白い面白くないが分かれる作品です。
私はこの作品が終わったすぐに言いました。
「なんだったんだ!と・・
そして何が言いたかったんだこの夫婦はと悩みました。
ヘンリー2世の物語なんですが、
妻でありながら幽閉されているキャサリン・ヘップバーンの弁舌と、
この映画の主人公ヘンリー2世(いよいよ大詰めP・オトゥール)の、
これもまた感心するくらいのしたたかさ。
そして3人の子供(アントニー・ホプキンズが長男役、ふけてるって!)
のあと継ぎ問題という大変わかりやすいドラマなんです。
それが歴史の例に習い、策略陰謀そして夫婦でありながらの知恵比べ。
これがものすごい銃撃戦のように楽しめます。
悪くこっけいに言えば漫才、正当に評価すれば舞台劇の醍醐味。
あまりに歯切れよくこの夫婦の演技合戦が続くので、
見飽きることなく見ほれていました。
ところがあのラストはおかしいくらい明るい。
テレビ画面に向かって突っ込みを入れてしまう。
「おいヘンリー、またそんな調子のいいこといって来年はないぞ!」
腑に落ちず気がついた。
そうか、何もこの夫婦のその後なんて心配したりするものではない。
これは映画だ、舞台劇だ・・だまされていたのは私のほうでした。
真剣にこの夫婦のドラマに見入ってた。
いったいどこまでが陰謀(嘘)なんだとまじめに考えるくらい、
このふたりはうまいですねぇ・・(って当たり前か)
ちなみにキャサリンのほうが賞を受賞しています。
取っておかしくない、いい演技で見ごたえありました。
ただピーターのほうが比べて地味でしたね。
なんといってもヘンリー2世ですよ。普段着の一着だけでは貧相だ。
演技が五分でも衣装が地味ですから、やはり史劇は女性のほうが有利。
そのポイントは高いと、キャサリンの衣装変えと美しい品のよさに納得。
舞台劇やセリフを楽しみたい人にはもう最高の作品ですね。
ちなみに作品中にベケット司祭が出てくるのですが(チョイ役)
まだ未見の(ベケット)のことなのですよ。
ベケットとヘンリー2世の愛(困った映画ですね)を描いた史劇ですが、
その作品の中でのヘンリー2世もピーターなのです。
合わせて見てみたいと思いました。