16.《ネタバレ》 この作品は「エクソシスト」「オーメン」「シャイニング」等のA級ホラーと同等に語られるべき重要な作品なのです。
しかし、有名にわりには良作として語られることはほとんどありません。
確かに映画としての面白みに欠けるのかもしれません。
この作品がまったく「つまらない」筈なのに「オーメン」等のホラー映画と同じく一級作品として位置づけられ、超ヒットを記録して、ホラー好きな誰もがタイトルを聞いたことがある程に超有名作品となってしまったところを評価したい!と思います。
そもそもホラー映画には「魔力」みたいなものがあると思います。
それが強いと評価されるみたいです。
あるいは邪悪な「存在感」ともいえそうです。
それが強力なほどホラー映画として良い。といえると思います。
逆にそういったものが無いとすぐに忘れ去られます。
「悪魔のいけにえ」「エクソシスト」には堂々の邪悪な存在感がある。
「シャイニング」「オーメン」等は、映画としての出来も非常に素晴らしいので映画史で堂々の存在感を放っている、のだと思います。
しかしこの「悪魔の棲む家」は、映画としては面白くもないし、大したモンスターが出てくる訳でもない地味というハンディを背負いながらも、ここまで有名で堂々の存在感を放っている大御所というのは、やはりそれだけの根強い魔力のようなものを秘めているのでしょうか。
つまらないのに有名になって世界興収第5位にまでなってしまうのには、何か理由があるとするならば、その部分を評価したいと思う(当時の全米がオカルト好きに染まっていただけ?)。
何も無いところに煙が立たないように、何もない作品に「有名」だとか「高収入」だとかは起こらないからです。
この作品は実話らしくて、もしかしたらそれを意識すれば少しは面白くなるかもしれません。
あと「実体」の無いものに家族が怯えているところが良いのかもしれません。
これは実際に起こった霊現象を一番忠実に映画化した作品といえるでしょう。
あと、そこら辺のB級ホラーには無い「リアル」「不安」「本気度」「重厚感」のようなものは感じられました。
そうです。無理やり誉めているんですよ。どうですか?この捻じ曲げられかた。
いや、僕はDVDを所有している程にこの作品を気に入っています。
実態のつかめない邪悪さ、その狂暴さは評価できる。