3.《ネタバレ》 これは見終わったあと、すごく快感でした。
とても惜しい映画と思います。罠にはめられた刑事が刑務所に入れられ、
刑事としての正義感も抜け切れないまま刑期を終える予定が、
刑務所でも罠にはめられ実態に嫌気がさし脱獄してマフィアになる。
と、滅茶苦茶なストーリーですが主役であるはずの金城武を主体にすれば、
もっとまとまっていたのですが・・詰め込みすぎて特に中半はただ暗い。
その暗さやエピソードは「ショーシャンクの空に」そっくりです。
あれは、主体をうまく描いていたので傑作となったのです。
この映画の作りですと、語りべを誰にしたいのかわからない。多すぎます。
意味不明なボクサー(エンディングで歌ってる)は、いらないと思う。
金城と出番がだぶるので、どうしても出したいのなら二人を刑事とすればよかった。
このボクサーの子供と騙されるおやじが、「トラブルメーカー」で共演していたので、
余計違和感を感じた。まあ、このおやじを出すなら、アル中のおでぶさんはいらない。
両方、「ショーシャンクの空に」のパターンです。特にアル中の方は時間をかけすぎて
暗いので、もっと短くしないと他の人のエピソードを忘れる。
この、騙されるおやじ、アル中のおでぶさん、子持ちのボクサー、そして金城刑事。
刑務所所長、白髪マフィア、出しすぎです。
だから減った後半から、刑務所所長のワルと、金城と、マフィアにしぼれて、
快活に話が進んだのです。ただ、フェイス/オフの刑務所もどきの、
リンチシーンには閉口。まあ話で仕方ないとして、あそこまでやるのなら
見た人にはわかりますが、そのあとすぐ食堂のシーンにつなげるのはもったいない。
流れから「12モンキーズ」のブラピだ・・とせっかく金城がいい演技をしてたのに、
もったいないな~。すぐわかっちゃったもんね。いや、ブラピかと思った演技。
もっと精神がおかしくなった時間を作らないと、ああもったいない。
それでもその後半は快感と感じるくらい、画面を応援していた。
5分の4が暗くても、あとの1が楽しければいいと思う人、このラストはスカッとします。