《改行表示》10.いい意味でグダグダなコメディ時代劇。そこそこ楽しめた。 どーでもいいけど、低予算なのにエキストラの数がすごいね。 【ガブ:ポッシブル】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2017-11-06 22:04:12) |
9.《ネタバレ》 この時代劇に「爽快感」などを期待してはいけない。真田幸村/猿飛佐助で加藤泰+中村錦之助なんだから「風と女と旅鴉(58)」「瞼の母(62)」を期待していた観客からすればなんだこりゃ、であり関西では上映6日間で打ち切られたという失敗作であったのもむべなるかなである。ただしこの作品が現在まで残っているのはそんな「どっちらけ」感によるものだったのだなぁと思っている次第。福田善之原作の脚本を読了する機会があり基本は60年代学生運動の風刺=どんなに立派な理想論/イデオロギーを掲げても結局人間の欲望に挫けてしまう現実+若者の情熱を悪用する偽善者たる大人たちという主題は変わらないのだが、若者のエネルギー=狂騒感溢れる馬鹿馬鹿しさ・くだらなさを存分にフィルムに映し出すことが出来た(ジェリー藤尾やミッキー・カーチス+トッテチッテターな戦争シーン)点で良い映画化なのだろう。さらにこの作品が後世の人々に影響を与えた事実も忘れてはならない。助監督鈴木則文はさることながら勝間田具治は東映アニメ―ション演出家として名匠。さらにもう一人...脚本家福田善之は大河ドラマ脚本(風と雲と虹と)だけでなく出演の経験もあり、大河ドラマ史上脚本・出演した脚本家はこの人と三谷幸喜だけ(wikiより)。...あれ、もしかしたら堺雅人、転んでそのまま槍にグサー、なのかな。加藤泰作品としては中級者におすすめ。 【Nbu2】さん [映画館(邦画)] 7点(2016-06-26 20:52:25) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 関が原の合戦跡を徘徊するガキ共が長い横移動で捉えられる。おお!と思ってるとそこに超能力少年佐助が現れる。おいおい。一気に胡散臭くなる。安易な発想とチープな特撮。やばいなこれ。と思ってたら時代は進み、ガキ共は若者に。ミッキー・カーチスがギターを弾きジェリー藤尾はスカーフを巻いている。なんだこれ。紅一点お霧って霧隠才蔵ですかい。なんだかとぼけた真田幸村が出てきたぞ。大阪冬の陣。佐助の妖術が笛とギターで拡散される。負けてられない敵方服部半蔵率いる忍者部隊が華麗なダンスパフォーマンスで迎撃する。なんだこれ。面白すぎる。冒頭で感じた胡散臭さを最大の武器とし、徹底したデタラメさで攻めてくる。特撮のチープさすら作品のデタラメ性向上に一役買っているではないか。天然ギャル千姫の今どき発言や歌謡ショーで十二分に和ませても、ミュージカル・コメディ特有のフワフワ感はなくひたすらデタラメ感が充満する。フワフワ感どころかどこか仁義に尽くす者の悲しき定め的な空気が漂っているのは加藤泰ゆえか。最後にやらなくたっていいけどやらなくちゃならない男の勝負、佐助VS半蔵で締めるあたりもやっぱり加藤泰。 【R&A】さん [映画館(邦画)] 7点(2010-07-27 14:50:44) (良:1票) |
《改行表示》7.《ネタバレ》 私、こういう作品好きです。前にVIDEO鑑賞で気に行って、今回、スクリーンで楽しむことができた。堂々たる絵巻時代劇的な作品でもいいんですが「真田モノ」は、あのキャラクターからも、製作者の創造力が試される格好のネタであると思う。 ミッキーのギターと猿飛佐助が超能力を使えるというコトを早めに出していたのは正解だと思う。序盤から「変調」な作品であると宣言したほうが良い。 結構、ブラックしていて面白く、真田勇士だけではなく、千姫・秀頼・淀君らも面白く描かれていたのが好感。千姫のダンスシーンでの衣裳、秀頼とのあや取り、最後に渡辺美佐子に言う「要は、捨てられちゃったということなのネ」は最高でした。 あと、「七人の侍」以上に輝いていた真田幸村演じた千秋実。彼を筆頭に楽しそうな笑みを浮かべながら街を「人生50年、カッコ良く死にてえな!」と行進するシーンが特に好きです。 また、ただ、キワモノ作品ではなくて、作品全体に虚無の世の中に「生き様」を求める若い者達の青春群像が統一されていたと思います。 【サーファローザ】さん [映画館(邦画)] 8点(2008-04-01 17:03:41) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 これは、この時代だから撮れた作品です。とにかく出ている俳優の顔ぶれ、組み合わせの凄さと時代劇とミュージカルの混合の様な風変わりな作品の中で繰り広げられる世界を楽しめ!とでも言わんばかりの作品です。中村錦之助の笑い声、千秋実の男らしい生きざま、色んな意味でこの作品には今時の時代劇には無い物が見る事が出来る。加藤泰監督が描く世界はどことなく変だけど、その変な世界こそこの監督の魅力の一つである。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-05-12 22:01:22) |
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5.《ネタバレ》 佐助に惚れたお霧が決めた覚悟と、それに対して笑えるぐらいに絶望的な突き放し(千姫に「要は、捨てられちゃったってこと」とまで言われる始末・・・)のこの落差は何?あるいは「勇ましく死のう!」と声高らかに歌い踊る熱狂に対して、真田幸村、大野治長が見せる余りにもコミカルな死に様。でもこの映画に限らず、加藤泰の作品はとにかく感情が動く。しかも常にトップギアのテンションで。感情の変曲点でいちいち対応できない。スピードが速いんじゃなくトルクが凄いのが加藤泰(意味不明)。優しさと厳しさと激情が同居する(「いとしさと切なさと心強さ」じゃ全然足りん)加藤泰の映画はいつだって真剣勝負。ラストは「パリ、テキサス」もビックリの草原を一人で歩く中村錦之助。参りました、としか言いようがない。 【Qfwfq】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-05-12 12:29:42) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 昔にも一度見てそのハチャメチャなぶっ飛び感が強烈に印象に残っていた加藤泰監督の映画なのだが、17年ほど経った今久しぶりに見てもやはりそのハチャメチャぶりというか、隕石落下の影響で赤ん坊の時に超能力を身に着けた猿飛佐助(中村錦之助)や、お霧(渡辺美佐子)という女性の設定の霧隠才蔵、時代劇なのにギターをかき鳴らしているミッキー・カーチスなど登場人物をはじめとした荒唐無稽さ(本間千代子演じる千姫などもコミカルに描かれていて好感が持てる。)が強烈な印象に残り、まさにこれぞカルト映画と呼ぶに相応しいと思える映画でやはり今見ても非常に面白かった。それに以前に見たときは加藤監督の映画をそれほど見ていなかったせいか、そこまで意識しなかったのだが、今見ると加藤監督はこの荒唐無稽で風変わりな異色時代劇の中にあってもあくまで真面目な視点で演出していることが分かり、ぐるぐるさんの書かれている通り、当時の学生運動といった社会への風刺を取り入れていて、終盤では戦に敗れた佐助と半蔵の個人的な一騎打ちが描かれているところなどは加藤監督らしいところか。また、佐助や真田幸村(千秋実)の生きざまがしっかりと描かれていて、ここがしっかりしているからこそ、どんなに荒唐無稽でハチャメチャでも全体を通した統一感があり、それが本作をただのキワモノ映画に終わらない青春ドラマとしての魅力も感じられる映画になっている。「やりてえ事をやりてえな。てんでカッコよく死にてえな。」というテーマ曲の歌詞とそれを歌いながら行進するシーンが実に心地良く、本作でいちばん好きなシーンだ。カッコよく死ぬことを望んでいた真田幸村がカッコ悪い無様な死にざまを遂げるのは今見てもブラックで笑えるのだが、今回改めて見たらそれ以上にどこかやるせなさも感じることができた。癖のある映画なので好き嫌いははっきりと分かれるかもしれないが、見ると元気になれる部分もあると思うし、やっぱり好きな映画の一本だ。(2021年12月12日更新) 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 9点(2005-02-28 22:27:31) |
3.タイトルから錦之助の戦国武将ものかと思ってたので結構驚く内容。しかも佐助でエスパー。「イン石の放射能が乳児 佐助の体に作用した!」とかいうテロップがもうおかしい。めちゃめちゃな内容なのでこのインパクトはかなり残りそう。よくこんなの作ったなという感じでした。 【バカ王子】さん 6点(2004-07-28 01:33:00) |
2.これは微妙だなあ。当然、錦之助が幸村で大活躍!と思ったら超能力者の猿飛佐助だし。コメディータッチなんだが、豊臣崩壊が背景にあるため全体的なトーンが暗いし。幸村の死に様はちょっとふざけすぎ。錦之助の持ち味もあまり出ていない感じ。 |
1.新規登録要望にこの作品を出した時【なるせたろう】さんより「初めて観る加藤泰作品がこれですか?恐れを知らないなあ」というお言葉を頂いたのですが、実際観てみて納得。なんと言うか、ハチャメチャなのです。猿飛佐助は超能力者だし、霧隠才蔵は女だし、ミッキー・カーチスはギター持ってるし・・・という、「座頭市」の金髪たけしもビックリな設定。当時としては型破りすぎたのか、興業的にも大失敗だったとか。しかしこの作品、ただの珍作かというとそうではなく、当時の学生運動全盛の気運を色濃く反映しているのです。言ってみれば徳川方が政府で真田十勇士は全学連(とすると豊臣方のお偉いさん達は旧社会党・共産党か?最近の選挙の結果を見ると笑い事じゃないかも)のメタファー(隠喩)として読めるわけです。つまり劇中で現代語が堂々と使われているのは、一種の確信犯な訳ですね。なおかつこの映画が凄いのは(だって当時、学生運動を反映した作品は様々な分野で存在していたので、それだけなら別にどうってことはない)、そうした世相をニヒリスティックな視点で捉えながらも(後半で猿飛佐助に追い詰められる大野修理亮治長のセリフに注目!)、そのニヒリズムを乗り越えようとする情熱と野心に溢れている所。戦いには敗れながらも、なおかつ「自分のための戦い」を戦おうとする猿飛佐助の姿には、きっと学生運動のことなど何も知らない若い人達も心打たれると思います(ということでジャンルにあえて「青春もの」を加えさせていただきました)。 【ぐるぐる】さん 8点(2003-12-26 19:35:25) (良:2票) |