8.《ネタバレ》 夫が老妻に会うために(それもついちょっと前までいた)名古屋を目指す、という一点に絞った構成が、作品を引き締めている。実は一番ぐっときたシーンは、途中の駅で降ろされてしまった笠智衆が、することもなくベンチに座ってぼーっとしているところ(ここはもうちょっと引っ張ってほしかった)。息子とその妻が、設定も発言も、えらくステレオタイプなのが難点。 【Olias】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-06-28 02:11:35) |
7.《ネタバレ》 こんなに素晴らしいラブストーリーだとは思わなかった。突発的に旅立った主人公の当初の目的は単に病床の妻を案じての心配から来る「見舞い」で、自身の本心には向き合っていなかった。(切符の紛失+電車乗り遅れでお金がないまま一晩を知らない場所で過ごす羽目になる=信念の欠如を暗示しているのが上手い)それがたまたま泊まった宿屋で宿の老婦人に不幸があった事・亡くなった妻との想い出を語る宿の老主人(宇野重吉=名演!)等の後押しもあって「愛してるという想いを伝えたい」という真の目的へと変わるその経緯が自然で、胸打たれてしまう。そしてラスト、病床の妻に向かって背中を向け、泣きながらつぶやく「おまえとおりたい」。一般的に「御前様=好々爺的」イメージしか無かった俳優笠智衆の気骨溢れた男っぷり(寝ている老妻にキスしようとしてる!)に改めて名優だ、と実感させられました。65分という短い時間にこれだけの内容を詰め込んだ、この当時の山田太一の作家性、まったくもって素晴らしい。機会があればぜひ。 【Nbu2】さん [地上波(邦画)] 9点(2015-01-02 19:29:07) (良:1票) |
【ケンジ】さん [地上波(邦画)] 7点(2014-04-19 11:48:45) |
5.《ネタバレ》 一言、枯れたラブストーリー。かさかさ音がするような。いいっす。 【なたね】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-12-21 06:14:01) |
《改行表示》4.「感動名作系」としては普通でしょうか。よくできていると思います。笠智衆と宇野重吉の場面など、静かですが見ごたえあり。まあ最近では、この主人公のような男性はめっきり減ってしまったでしょうから、そういう意味ではややリアリティに欠けてしまうところがありました。 それにしても、寺尾聰は親父さんに似てきましたねぇ。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-11-29 20:21:18) |
3.何度見てもよい。このころの山田太一は、よかったなあ。最近の2時間ものとかは、形骸化していて惜しい。笠の芝居、最高。 【コウモリ】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-04-17 08:41:59) |
《改行表示》2.私のドラマ好きの原点。今は亡き父とともに見て感動でお互い無言になった思い出がよみがえります。この作品は、山田太一氏がNHKプロデューサーに「どうしても笠さんでやりたい」という彼には珍しいリクエストで実現したとのこと。その後この作品のヒットで2作(「今朝の秋」「冬構え」)が作られ、3部作扱いになりました。それほどこの作品は完成度が高い!おそらく、山田さんの予想以上のできばえだったのではないでしょうか。 演出、脇のキャスティング、ロケーションと文句なし。それ以上に笠さんの芝居は、完全に演技を越えた佇まいです。とくにひょんなことから一泊せざるを得なくなった旅館の主人(宇野重吉)との夜の会話は名シーン中の名シーン!珠玉のドラマです。その感動はいつまでも色褪せません。 【やしき】さん [地上波(字幕)] 10点(2005-10-31 02:48:36) (良:2票) |
1.失礼ながら山田太一氏全盛期の名作と思います。老夫婦の心の機微が繊細に描かれています。病床の妻に「おまえとおりたい」背を向けてつぶやく笠智衆さん。名シーンです。泣けます。 【ロイ・ニアリー】さん 9点(2004-01-10 23:20:47) |