202.《ネタバレ》 こういった川下りを疑似体験出来る映画、好きですね。
「アフリカの女王」みたいなロマンス物も良し、本作のようなモンスターパニック物も良し、という感じ。
出発シーンにて、上空からグルリと回って船を映し出す件なんて、荘厳な音楽も合わさり「実際に船旅をしても味わえない程の高揚感」を与えてくれるように思えます。
しかしまぁ、映画冒頭の説明文「獲物を呑み込むだけでは満足出来ず、捕った獲物をわざわざ吐き出して、また新たな獲物に襲い掛かる」が伏線だったと判明するシーンには、もう吃驚。
ジョン・ヴォイト演じる悪役のサローンが、大蛇に吐き出された後、死にかけの体であるにも拘らずウインクしてみせるのだから、忘れ難いインパクトがありました。
サローンに関しては「殺す相手の目は見るな」「見ると亡霊が付き纏うぞ」などの台詞も恰好良く、悪党には悪党の魅力があるのだと教えてくれた気がしますね。
もしかしたら生きていて、2で再登場する事も有り得るのではないか? と思えただけに、1にしか出て来ないのが残念です。
その他、あえて不満を述べるとすれば、贔屓の俳優であるオーウェン・ウィルソンが、散々な役どころだったという事くらいでしょうか。
一応、最後は川に落ちた恋人を救った末に殺されているけど、主要人物の中で一番情けないキャラクターだったように思えます。
物語の欠点と呼べるような類ではありませんが、彼のファンとしては寂しかったですね。
ダニー・トレホが冒頭でアッサリ死んじゃうのも、ちょっと勿体無い。
でも、その分他のキャラクターには見せ場が用意されており、バランスは良かったです。
ヒロインの恋人役であるケイルが、昏睡状態の身体を押してサローンを倒してみせたり、気弱で嫌味なだけの男かと思われたウエストリッジが、意外な活躍を見せたりと、気持ち良いサプライズ感を味わえました。
最後も、派手な爆発オチで大蛇を倒してくれるし「実は、まだ生きていた」なオチも交えて、二重に盛り上げてくれるしで、大いに満足。
当初の目的通り「霧の民」と遭遇するのに成功した事も、ハッピーエンド感を強めてくれましたね。
細かいツッコミどころはあるかも知れないけど、観賞後は、そんなの気にならなくなる。
楽しい映画でした。