18.まず感じたのはキャシャーンと敵の一味との関係が「ブレードランナー」にかなり似通っているということ。唐沢ふんするボスがルドガーハウアーのポジションなのだろうが、いかんせんストーリーが弱すぎて彼の苦悩がなかなか伝わってこない。彼らの生まれたいきさつが衝撃の事実みたいな感じで明かされるけど、だから何?って思ってしまった。彼らにとって重要なのは「生まれたいきさつ」なんかじゃなくて「生きる意味」なんだと思うし、彼らのアイデンティティの探求こそ、この作品の求めた「戦う理由」の答えになるんじゃないのか。原作の設定をいかすためのテーマは間違っていないと思うが、その描き方に何か疑問を持ってしまった。話題になった映像に関しても、確かにすごいとは思うが映画としての見せ方とはチョット違う感じがした。ただ、これ1本で紀里谷監督を全否定してしまうのはチョットどうかとも思う。デビットフィンチャー監督の「エイリアン3」の例もあることだし。彼にはこれが1ステップに過ぎないと腹をくくってがんばって欲しいとあえてエールを送りつつこの点で。 【goose】さん 5点(2004-05-06 00:21:32) |
17.《ネタバレ》 いろんな意味で残念な映画だった。①「キャシャーン」というとっておきのキャラをリメイクしたが、それを生かすことができなかった、②PVで高い評価を受けてきた監督のカリスマ性が裏切られた、③テーマとメッセージはピュアなものがあり傾聴すべきにもかかわらず、伝え方があまりにも稚拙すぎた、など。 監督の「無益な争いはもうやめようではないか」という根底にある願いは、いまや貴重なほどストレート。ヒカルちゃんが魅かれるのもわかる気がする。が、それと映画監督としての手腕は、あくまで別ものとして見なければならない。 あまりにもお粗末なシナリオ、メッセージの大半を登場人物のセリフで語らせる愚、効果を上げているとは思えないカットとシーンの連続、一本調子のBGMなど、ほかの方々の指摘通りで、作品としてメリハリのないものとなってしまった。クオリティは低い。 また、いま一つ指摘しておきたいのはアクションシーンについて。「キャシャーン」を現在に蘇らせた以上、見応えあるアクションシーンが見たかった。本作のカンドコロとさえいっていいように思う。ところが、これが超期待外れ。はっきりいって、チャンバラでお茶を濁したようなものだったり、挙句の果ては、シーンが変わったら、もう闘ったあとになっていたりで、「これはないだろう」と思わずつぶやいてしまった。どなたかが「おもしろいものを、つまらなくつくってしまった」と書いていらしたが、まったく同感。多くの酷評もやむなしと思う。 紀里谷氏の2作目、3作目が実現するかどうか、きわめて厳しい状況となった気がするが、もしリベンジを図るなら、こんどはもっとよくシナリオを練ってからチャレンジしてもらいたいものだ。 【delft-Q】さん 3点(2004-05-05 09:53:09) |
16.とてつもなく長~い予告編、若しくはビデオ・クリップを見せられた感じ。監督自身が「皆さんが期待されている様な映画ではない」と断言されてますが、確かに私が期待したモノとは全く違ってました。賛否両論あるようですが、私には宇多田氏…もとい、紀里谷氏に映像センスやストーリー・テリングの才能があるとは思えなかった。スタジオ撮影した俳優に安っぽいCG背景を重ねただけで(本作は100%スタジオ撮影でしょう)、合成は大林宣彦の初期作品並の違和感だし、常にエフェクトのかかった画面は非常に鬱陶しい。それに監督のイメージは「カット」止まりで、「シーン」、ましてや「映画」全体のビジョンやオリジナリティがまるで感じられなかった。テロの時代に相応しく、憎悪の連鎖の断絶をテーマにしたのはタイムリーだし、暗いストーリーでも一向に構わないと思いますが、如何せん話がちっとも面白くない…、てか、面白い話をつまらなくしてると思う。とゆーことで、たった(月に)一度のサービス・デーを捨てて、これを選んだ映画鑑賞、こんな映画は叩いて砕く、俺が書かねば誰が書く! (↓)誰でも書いてるってか、…4点献上。 【sayzin】さん 4点(2004-05-05 00:11:35) (良:5票)(笑:1票) |
15.アニメのキャシャーンは何回か見たことありましたが、しっかり見ていたというわけではないので 実は中身はあまり知りません。 映像的には、最近よく見受けられるアニメの実写化に見るSFXとは少し毛色が違っていて、あのアニメをこんな形で実写化し得たのかという、一種の衝撃的な映像世界が展開する。 また、美術造形等に見る世界観は少し「未来世紀ブラジル」にも通ずる独特の雰囲気を醸し出しており、かなり印象的であります。 しかし、何より衝撃的だったのはその脚本。 この異世界のオリジナルって、大東亜戦争における大日本帝国のアジア侵略じゃあないのか? ただ、作品として少し長すぎると感じてしまうシナリオと、うっとうしいまでに部分部分のシャをかけすぎなシーンが多様されているのが、かなり気になった。 あと、だれて眠くなる所が2箇所ある。(寝はしなかったけど) まだ、映画経験の少ない小学校5年の息子は、瞬きもせず、この2時間20分に集中できたというから尚、驚きだ。 【あむ】さん 6点(2004-05-04 20:47:48) |
14.《ネタバレ》 ここまでビジュアルの美しい映画は見たことないです。若干、エヴァ・ナウシカ・マトリックス・ファイナルファンタジーと似た画がありますが、とても昇華された形で出てきており、パクリという印象は受けませんでした。キャシャーンがロボットをばったばったと倒していくところとドリルキックは最高でした。 【暇人】さん 7点(2004-05-04 16:28:25) |
【のりまき】さん 6点(2004-05-04 16:13:55) |
12.音楽(サントラまで買いました(笑)、俳優の演技(とくに、唐沢さん)、テーマ(なぜ生きるのか?なぜ戦うのか?)、映像(CG)などは素晴らしかったし、泣ける場面も3つほどありとても感動できたけど。。。説明的な要素が好きな自分でさえ「長い。」「無駄なシーンがある。」「所々あきる。」などなど感じてしまうほど最悪。きりやさん今度は他の人に編集をやらせては??って思いました。あと、DVDの特別版になったらどれくらい長くなるんだ?? でも、素直にいい映画でした監督が伝えようと思ってることが自然と自分の心にとけこんでいくようでよかったです。 【NAYU】さん 8点(2004-05-03 19:00:06) |
11.タダ券を某関係者の方から頂いたので観てみた。 目が疲れるし無駄に長い。おまけにトンデモエンド。 音響もちゃっちい。映像は革新的と聞いていたが、SF人間の私から見れば見慣れたもんだった。客層は若い女性が多かった。 これが所謂、駄作というんでしょうか? 唯一良かった点はナレーションだけ お金払った人には申し訳ない言い方だが、1円も出さなくて良かった。 【weber】さん 0点(2004-05-03 16:33:47) |
10.《ネタバレ》 言葉や映像、音楽はすごーく「きれい」な映画。けどこの映画で一番心に残ったのは唐沢寿明の演技でした。あれ~?キリヤさん、一人の俳優の演技に場を獲られるようじゃいかんですよ。「魂」込めて映画は撮らねば! 【しゃらら】さん 4点(2004-05-02 13:30:45) |
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9.同じ映画を映画館で四度も見たのは生まれて初めてでした。細かい事を挙げればキリが無いですが、それを補って余りあるパワーを感じました。こういった既成の枠にはまってない映画をもっと観たいです。個人的には、Pグリーナウェイ氏の映画と通じる部分も感じましたが、これだけのエネルギーを感じる作品は稀なので、次回作にも期待したいです。 【スプリガン】さん 10点(2004-05-01 00:44:33) |
8.前半はセリフ少なくミュージックビデオ同様の映像を見せつけ、後半は一転何もかも全てシャベリまくる。世界観も設定もどこか別のところから持ってきてるし、メッセージというか思いっきりなストレート勝負。映画としてはかなりヒドイですが、3本くらい撮ればいいものが出来るかも。まだ期待するのかと言われそうだが期待料1点。 【亜流派 十五郎】さん 1点(2004-04-30 23:51:44) |
7.映画としての未熟さは否めない。既にいくつかのコメントにあるように、細切れなモンタージュ的カットは観る分に苦痛だった。象徴的な映像をつないでいて、ストーリーが紡がれているとは言えない。 けれど、この苦痛は、監督のあまりに強く鋭い「想い」にえぐられているからのようにさえ感じる。 ここまでエンタテイメント性の欠落した作品を世に出そうとするには、相当の抵抗があったはずだ。宇多田ヒカルの夫という話題性がなければ、どの映画会社も配給しなかったかもしれない。まして有楽町マリオンのスクリーンに上映されることなどなかっただろう。 けれど、「とにかくもうどうしても伝えたい」というわがままで鋭いエネルギーによって、この作品は完成され、私の前に立ちはだかった。ここに来て、目を背けることのできない何かがある。 おそらくそれでよかったのではないか。その苦痛も含めて、十分すぎるほど伝わったのだから。 【よしの】さん 6点(2004-04-30 23:22:09) (良:2票) |
6.《ネタバレ》 映像がキレイでした。アニメっぽい映像が急に入ってきたり、それがちょっと安っぽいところもあったけど、結構満足。あの色の鮮やかさとか、目が痛くなったけど、強烈に頭に残ってます。前からこの監督のPV好きだったので、よかった。映画としてどうか?と言われるとどうにもわかりませんが。観てて単純にスゴーイと思った。いい音楽も使ってた!あと最後に一言!小日向さんのラストの笑顔・・・あそこが一番泣きそうになりました。すごい俳優だ。 【鉄男】さん 7点(2004-04-29 23:03:00) |
5.観終わって「この作品は(それっぽい)映画ファンからすごい勢いで叩かれそうな映画だなぁ」と思いました。 「ミュージッククリップのようだ」「無駄なカットを繋げすぎ」「上映時間が長い」「デジタル色強すぎ」「言いたいこと全部喋っている」などなど、おそらく問題点はキリがないほどあげられるでしょう。あ、でも僕はそんなものは気にならなかっです。だってそんな文句も含めて映画だと思っているから。それにどうでしょう。この作品が話題作ではなかったらカルト的な人気を博したかもしれませんし、あと20年経ったらこの映画の評価は変わっているかもしれませんよ(責任は取れません)。そして、かなり意外性のある作品でした(それは当初の予想と全然違う映画だったということです)。なんというか、ただのヒーローモノだと思っていたのですよ。だけど想像したよりドンヨリしていたし、けっこう救いがないし。そういえば多くのアニメもストーリーはシビアなものが大半だったっけ…なんて思ったりして。キリヤさんの『キャシャーン』はメッセージ性が強くて、それで嫌になってしまう人はかなりいると思います。それに映像で語らせる部分も少ないしね。だけど僕はそこにキリヤ氏の「真っ直ぐさ」を感じたな。馬鹿なほどの話好き(だけど口下手)。でも、そういう人って好きよ。良いにせよ悪いにせよ、そんな映画監督っていないじゃない(笑)。それが僕の期待を裏切った点でもあったんですけど。もっとクールな脚本を書くと思ってたのさ~。そしてエンディング、ウタダさんの歌が流れていて、歌詞は聴き取れなかったんだけど一箇所だけ聴こえた。「誰かの願いが叶うころ/あの子が泣いてるよ」 初めて彼女の曲を良いと思ったよ。 【ひろすけ】さん 7点(2004-04-29 14:58:15) (良:1票) |
4.薄っぺらい映像、軽~いストーリー性、長~い上映時間に唖然とした。大事な事をすべてセリフで説明しちゃうのも映画としてどうかなと...。点数は-10点ぐらいにしたいが、その様な点数が無いので0点!! 【ゆきいち】さん 0点(2004-04-28 23:00:16) |
3.《ネタバレ》 退廃的な世界観と映像のセンスは、目を瞠るものがあった。アメリカではMTV出身の監督が多数いますが、フォトグラファーからプロモの監督もやっている旦那のセンスは流石だなと(嫁のプロモのtravelingと同系に見えますけどね)。出演者は大体よかったですが、及川は特にイイ味出してた。今後は役者のみにしとけと。中ボスは中途半端だったかな。話的にはテーマを詰め込みすぎていて、まとめ切れなかった感がありますが、初監督作だし及第点は挙げられるでしょう。ぶっちゃけ、予告編だけなら10点ですけど。 【ロカホリ】さん 6点(2004-04-27 20:42:57) |
2.わたし、ホント期待してなかったの。そして観てみてもやっぱり完成度はとても高評価できるものじゃなかった。でもね、そういう理性とは違う部分で、物凄く興奮させられたことも事実なんだよね。それはなんだかスゴ~く長い間、心のどこかでは望んでいたけど、もう殆どあきらめてたような…クサいのを承知で言えば『過去に夢だった』ようなものが夢でなくて、「もしかしたら」っていう一つの可能性を感じられたから。殆どの人が「無理だ」と思っている中で、そのうちの何人かでも「無理じゃないのかも」と心変わりをさせることができるなら、その映画は未熟でもデキが悪くても、ちゃんと力を持ってる映画だといえると思う。そんな風に思わせてくれたこの映画に出会えて、映画ファンとすれば本当に幸せだと思ったんだ。まあ、思い入れが強すぎるのだろうとは思うけど、感じたことに嘘はつけないから。 【ピグ】さん 8点(2004-04-26 14:32:48) |
1.素材(「キャシャーン」という「素材」ではなく、映像素材ね)は悪くない、いやむしろかなりいいセンいってると思う。この素材を使って誰かマトモな人が編集して尺を半分くらいにすれば、かなりよいものに仕上がっていたと思う。ノリや勢いだけではよい作品を作ることは出来ない、考え無しにセンスだけで映像を撮りまくっても、そこに哲学がなければそれは映画とは言わない(カントクは写真家だっけか・・・)確たる哲学が無いので結局登場人物に差しさわりの無いセリフをしゃべらせることでしか物語を終わらせられなかったのは、正直あまりにも素人臭い、もう映画を撮るな、とは言わない、「出直してきなさい」って感じ。 【るね】さん 6点(2004-04-25 00:08:00) (良:2票) |