221.己を反省する視野もその上で現状を改善する術も持たず、タクシーという孤独な密室で腐った街を養分に狂気はぬくぬくと育った。この映画に強烈なカタルシスを禁じ得ないのは、やはり自分の中に小さなトラヴィスが潜んでいるからか。 【kozi】さん 10点(2004-08-09 01:09:41) |
220.タクシードライバーの冷え冷えとした視線を通してさらけ出されたアメリカの恥部。売春婦やポン引きを「クズ」と言い捨てるペシミスティックな主人公は、しかし端からみれば同様に、ポルノを見て自分を慰めているような孤独な「クズ」でしかない。しかし彼が周囲と決定的に違った点は、彼には「自分は何者でもない」という焦燥感があったことだ。私にはこの「nothing」という焦燥感が痛いほど分かる。そして彼は拳銃に執着する。拳銃を通して、病める社会に反撃し、自己実現していく。髪をモヒカンにしたあの一件で、みごと「男」になったのである。あっぱれ。「セックスの貪欲さ」という点では、ニューヨークも日本も然程変らないと思うが、このような批判的視線を持ち得、それがヒットするだけ、アメリカ人のほうがまだまともなのかもしれない。 【ちか】さん 9点(2004-07-24 18:18:20) (良:1票) |
219.最近は「あなたは一人じゃない」とか「僕は一人じゃない」といった言葉が音楽や本やあらゆるものの中に氾濫している。そういう歌の歌詞を作っている人はこの映画をどういう風に見るのだろうか? 孤独に心を蝕まれているトラヴィスは一人じゃないのだろうか? 誰か彼を助けるような人がいるのだろうか? 違う、彼はずっと一人だ。もし現代が舞台ならベッツィも「一人じゃない」とい言う言葉を信じている一人として描かれると思う。でもトラヴィスの不器用な(いささか普通じゃない)行動にあっさりと彼から離れた。タクシー仲間も彼を全く理解はしていないし、大統領候補も他の誰も彼に手を差し伸べたりしていない。トラヴィスは初めから大統領を暗殺しようとか売春宿を襲撃しようとか考えていなかったはず。孤独な彼は自分を自分で絶望から救出しようとしてもがいていた。でも誰も理解はしなかった。現実はそんなものだ。この映画の主人公は社会に特別な人間ではなく、現代にも少なからず存在する。甘い言葉が溢れ返っている今の時代で、そんな言葉の発信者たちはどのようにこの映画を捉えるのだろう? |
218.トラヴィスにあまり感情移入が出来なかった。孤独感は伝わってきましたが。 【ギニュー】さん 6点(2004-06-29 19:40:56) |
217.観ていてベッソンの「レオン」を連想した。大人と少女という登場人物や、物語の運びなどの共通点だけではなく、物語全体に散りばめられた美しい危うさがよく似ている。大統領候補を狙った凶弾は結局事を成さず、それは一人の少女を救う為の正義(?)の弾丸となるが、主人公にとってはどちらも善でも悪でもどうでも良かったに違いない。たまたま結果はハッピーエンドとなったが、仮に大統領の殺害に成功していたとしても、彼自身にとっては同じことだったのだろう。「俺に必要なのはきっかけだ」と狂気の中で人生の転機を探し求めていた主人公だが、あの凄絶な撃ち合いを経た後、自分の人生に何かの転機を求めることができたのだろうか。同じようにタクシードライバーとして、今までとなんら変わらない生活を送っていく彼の胸の中に在ったものが、事件によって人生を変えることが出来たという達成感と満足だったのか、それとも今までと変わらない人生を送っていく達観的な諦めと満足だったのか。私には後者のように感じられた。夜の街のネオンサインと音楽、それに全く古さを感じさせないファッションも印象に残った。 |
216.都会は人間をおかしくしてしまうんだなーと怖くなった。デニーロのイカレ具合も良かった。テーマ曲が耳に残って離れない 【ムート】さん 10点(2004-06-19 02:57:39) |
215.映像とか音楽はソフトな感じでいいし、ラストの衝撃シーンもいい。デニーロの演技力は申し分ないのだが、話の内容が説明不足に感じる。特にベトナム帰還兵、戦争で深い傷を負ったってのが、よく伝わらない。うーん終わり方もすっきりせんなあ |
214.とにかく、デ・ニーロがカッコイイ。社会的なバックボーンとかを、日本人が完全に理解するのは無理だろうけど、退廃的な閉塞感は痛いほど伝わってくる。 【マックロウ】さん 7点(2004-06-14 10:16:08) |
213.一緒に観ていた旦那の「ピンとこなかった」というコメントを聞いてホッとした。 【ナオちん】さん 5点(2004-06-13 06:50:37) (笑:2票) |
212.理由はわかりませんが、なぜか好きです。 音楽も好きなんですけど、もうすこしバリエーションが多いといいですね。 【しまうまん】さん 9点(2004-06-12 09:48:17) |
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211.「俺に言ってるのか?俺に言ってるのか?(ニヤリ)」『バックトゥーザフューチャーPART3』でパロってましたなぁ。クライマックスの殴り込みは「中学生男子の妄想度数100パーセント」のカッコ良さ!!シャキーン!!バキューンバキューンバキューン!! 俺的に『地獄の黙示録』の「ワルキューレの騎行シーン」と並ぶ「ヤバいぐらいに痺れるバイオレンスシーン」に認定! ちなみに、高校の時に父と一緒にこのビデオを見た後に父が一言「お前も気をつけろよ」ちょっと、父さん・・・。 【幻覚@蛇プニョ】さん 10点(2004-06-10 01:02:42) (良:1票)(笑:1票) |
210.若かりし頃のデ・ニーロが素敵過ぎ。影響受けてモヒカンにしました(笑) 【かずのすけ】さん 5点(2004-06-08 19:38:00) |
209.衝撃。デニーロがこんなにかっこいいとは思わなかった。you talkin' to me?がやはり最高ですね。。。 【ガム】さん 9点(2004-06-07 00:46:19) |
208.最初に観たのは20年近く前になる、それほど印象に残った作品ではない、しかしそれはトラビスの行動に何一つ疑問を感じなかったからだ、作品を覆う暗い雰囲気もごく自然に理解できた、というより自分自身が似たような環境にいたのだろう、それから月日がたって今見返してみると、今でもトラビスの心情は理解できるのだが、身勝手でワガママな男にも見えてくる、所詮社会なんてそんなもんさ、と達観している自分がいる、あの時代、私はトラビスのように爆発こそしなかったが(モヒカンにしてみたりはしたが・・笑)恐らく何かに(おそらく全てに)イラついていたんだろうと思う。若き日の怒れる自分に9点 【るね】さん 9点(2004-06-07 00:07:58) |
207.痛いくらいにトラヴィスの気持ちが解る。怖さを超えて悲しみが感じられる。 【PAD】さん 10点(2004-06-02 10:59:59) |
206.《ネタバレ》 この作品が上映された時代に観たとしたら、私はどんな感想を抱いたかが最後まで気になった。時代背景、映画の撮り方等も今とはもちろん違うが、デ・ニーロ、カイテル、フォスターといった現在の大物と呼ばれる俳優たちの若かりし頃を初めて見たわけで。先入観が先立ってしまい、この作品がどうなのかという部分での感想を言葉にしてひねり出すのが難しい気がする。帰還兵を描く映画を何作か観たが、悪夢にうなされたり、肉体に障害を負ったが故に心の傷も深くなっていたり、正気を失っていたり、社会に適応できずに怒りだけを孤独なまま抱えていたり…でも、トラヴィスは不眠症で慢性の頭痛を抱えているが、そこの描写に鑑賞者の哀れみを要求していない。仕事も手に入れ、恋した女性と親しくなりたいという願望を実現させようとする。両親の結婚記念日も覚えており、親思いの子供らしい手紙を書く。だが、心の底に消化できない爆弾を抱えている。それが何なのかを自らが名づけた「ごみため」「ごみたち」の中に発見するのだが、その爆弾を破裂させるために選んだ第一の標的を、トラヴィスは間違っていたのだな、と思った。タクシードライバーの先輩に、トラヴィスが「何かをしたい」と相談した時、その先輩は「俺たちは負け犬だ。のんびりとこうして生きていけばいいんだ」というようなことを言った。それに対し、トラヴィスは、「そんな馬鹿げた話は~」と聞き流した。でも、結果的にトラヴィスの爆弾を破裂させた場所は、第一の標的では無かった。政治も役人も国も、何の関係も無い娼館である。幼い娼婦を助けることで彼の爆弾は意味を持った。彼をヒーローに仕立て上げた。鬼気迫る彼の表情は穏やかな好青年の表情に戻り、またタクシーに乗り込む。トラヴィスが、先輩の助言どおりに、「自分らしくそれなりに生きる」意味を実感したのではないか…ラストのトラヴィスの表情でそう感じた。…こうして書いてみると、この作品を観る人によって、多種多様な意見が生まれる作品なのかもしれないと思う。おもねらない潔い作品として、評価したい。 【日雀】さん 8点(2004-06-01 21:43:47) (良:1票) |
205.孤独で悶々とした毎日を過ごし、「こんなはずじゃない」「何かをやりたい」と一人考え込む男の心がズドンと響く。男なら誰でも一度は通過する心理だと思う。彼にとって、少女の幸福は初めからどうでもよかったのかもしれない。欲しかったのはきっかけだけ。爆発後の彼の顔のいかに爽やかなことか。 【ラーション】さん 10点(2004-05-23 01:20:30) |
204.なんだか難しかった。トラビスの思考やトラビスを中心とする ストーリーの流れ、色んな事が難しかった。それに彼がやった事が 英雄に値するほど正しい事だとは思えなかった。 【ボビー】さん 6点(2004-05-20 20:05:55) |
203.この世界から自分を逸脱した存在と考え、夜の町を見据えて“ゴミ溜め”って云うのがもの凄く印象に残る。いつまで経っても周りに馴染めず、日に日に孤独感が募っていって、あるとき出会った一人の女の子のために凶行に走って行く主人公。しかしそれはただの狂気ではなく、周りを取り巻く狂気に我慢が出来なくなったから。ラストの銃撃戦は派手さはないが、殺伐とした音楽に暗い映像で、より一層狂気をかもし出しているし、段々と強行に走って行くデ・ニーロの姿は「わらの犬」のダスティン・ホフマンのように冷酷な存在だけど、それがまた物凄いはまり役である。最後は決して事態が改善されたわけではないが、それでも、どことなく晴れ晴れとした雰囲気を醸し出している。 |
202.《ネタバレ》 学生時代、俺の連れが、この映画めっちゃ好きで、感化されて観たけど、衝撃的やった。こんな世界観もあるんかって思って。初めて危ない奴を映画でみたショック。しかも終わりがハッピーエンド。この時代にこの感性。すごすぎる。でもこの映画観ると、なんか自分鍛えたくなる。「ロッキー」もそーやけど、俺はどっちかゆーたらこっち派。後、なぜか「レオン」見るとこの映画思い出してしまう。おっさんと女の子という組み合わせが似てるからかも。 【なにわ君】さん 10点(2004-05-19 01:57:27) |