《改行表示》198.《ネタバレ》 時代を考えれば、「人間と進化」という哲学的な命題に取り組んだ事や、宇宙船などのデザインセンスは群を抜いていると思うし、後のSF映画に多大な影響を与えたというのも頷ける。 ただ、さすがに今見ると、この手のテーマ自体が既に陳腐化していているし、また、こうした「答えの無い」深遠で難解なテーマを、神の視座からそれっぽい「雰囲気」で味付けしているだけの映画にしか見えない。はっきり言ってイメージ表現が抽象的すぎて分かりにくいし、「人類は道具を持った事で進化したが、それによって殺し合いを始めた」という、監督の人間に対する考察も薄っぺらい。 全体的にスローテンポで、無駄に思われるシーンがダラダラと続くというのも頂けない。この作品の先進性には敬意を払うけど、個人的な評価はこの辺りが限度。 【FSS】さん [ビデオ(字幕)] 4点(2004-01-04 08:35:27) |
197.わかる、わからないというより、ただただ圧倒される映画。まさしく映画でしか描けない世界。確かにビデオで見た人は、これを批評する資格はないかもね。トリップするって、こういうことなのかとはじめて思わせてくれた映画。気安く分ったなどと言いたくない。脱帽あるのみです。 【ひろみつ】さん 10点(2004-01-02 23:15:11) |
《改行表示》196.《ネタバレ》 モノリスは人間(猿)に知恵を授けるが、人は殺し合い、機械やモノへの依存度が日増しに高くなっていく。つまりは傲慢になっていくのである。しかしながら技術力だけは目まぐるしく発展していく。後に人類は再び月のモノリスを発見することになる。長距離探査が出来るまでに成長した人類はモノリスのある木星へと向かう。つまりは、人間は未知の知的な存在により思うがままに導かれているのである。 探査船の運行は全てHALによる人工知能に頼り切る。皮肉にも人類は、自分たちが都合良く作った筈の機械とも折り合いが付かず、意見の相違によって殺し合い、作戦は破綻する。正に、地球で独り相撲をとり続ける人類そのものであるように。 一人だけ生き残った乗組員は、宇宙の神秘や偉大さを見る為の旅をすることになり、精神の中で年齢を重ね、最後には人間の創生(実態)までを見せつけられる。モノリスは「宇宙」で有り、生命の源で有る宇宙が生命そのものを創造した。モノリスは人の精神を映す鏡なのかも知れない。個人的にはそういう解釈をしました。 モノリスの意味合いについては、見る人により解釈が変わるだろうし、それで良いと思う。 【おはようジングル】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-31 15:49:39) |
《改行表示》195.《ネタバレ》 映画の冒頭で猿が覚えた、殺しの道具(骨)の最終形態がHAL(ハル)で、ハルは宇宙船の中でボーマンによって接続を切られてしまう。 ボーマンがただ一人木星に着き、いきなり白髪のおじいちゃんになっていますよね。 スタンリー・キューブリックが後にコメントしているのですが、 「殺す相手がいないので自分で自分を殺し始めた」という事らしいのです。そして一瞬で老人になってしまい、 モノリス(四角く黒い物体)が現れ、彼の助けを借り、新しい命を授かるという事ではないでしょうか? (新しい命か、何かは分かりませんがとにかくモノリスのおかげでボーマンは死なずに生きながらえたというニュアンス だと思います。) 何故、モノリスが彼を助けたのかは分かりませんが、映画の冒頭でもモノリスが現れますよね。猿に殺しを覚えさせたのか、道具を与えたのか どうかは分かりませんが、「血塗られた人類の進化」に大きく関わっているものとして登場してきます。 モノリスはうーん、少々語弊があるかも知れませんが、人類の煩悩を生み出す「黒幕」みたいなものと考えてもいいのではないでしょうか? どちらにせよ、犯罪を後押しするような存在になりますよね・・・。 あくまで私の意見なのでこれが真相とは限りませんが、ずばり、この映画の最大のテーマは「犯罪にまみれた人類の歴史」ではないでしょうか?「殺し」という知恵を覚えた人類の進化を見据え、犯罪の本質を スタンリー・キューブリックの独特の感性で映像化したものが 2001年宇宙の旅だと思います。究極のアートと、 作られた年を考慮してこの点にしました。 |
194.美しい風景の映像は数多くあるけれど、造り上げた映像でこれ程美しいものはなかなかお目にかかれない。まして1968年作というのには仰天してしまう。この作品見るのは初めてで確かに?という場面はあったが、気の遠くなるような時間を経て猿からヒトへ、また気の遠くなる時間を経てヒトから何かに進化するのだろうなあと思った。それとコンピュータの完全無欠ぶりが強調されていたが、この世に完全無欠なものなんてないんじゃないかと思った。いろいろと考えさせてくれた映画でまた見てみたい。 |
193.よく分からない・・・。前半?の1時間はイラナイと思うが。 【真尋】さん 1点(2003-12-27 16:42:07) (良:1票) |
192.発想はすごいと思うけど自分の性に合わない作品でした。最初から「ん?なんじゃこりゃ?」と思いつつ見ていたのだけど結局最後まで意味わかんなかったな。 【およこ】さん 4点(2003-12-26 15:43:26) |
191.録画されているビデオテープが、モノリスに見えてきます。 |
《改行表示》190.68年にこれだけの映像を作れるのが凄い。ストーリーとしては哲学的で考えるの嫌いって人には辛い映画だろうなと思う。 ただ時間は繰り返すという事なのか。凄みは感じます。 【とま】さん 7点(2003-12-23 21:26:26) |
189.《ネタバレ》 カナダのメディア学者マクルーハンの「メディアはメッセージである」という言葉に対し,キューブリックは「メッセージがメディアである」とわかりやすく切り返した。キューブリックはこの映画を作るに際し,メッセージが映画というメディアに与える影響を強く意識していたに違いない。つまるところ,彼のメッセージとは言語化できない「主体的な体験」なのだ。それを考えれば,この映画に対して「難解だから分かりやすく」という要求をするのは,アプローチの仕方というか,"立ち位置"みたいなものが全然違っているように感じる。例えばそれは,モーツァルトの音楽に"説明"をつけ,分かりやすくして欲しいというのと同じようなものなのだから。また,「わざと難解にしている」というのも少々違っていると思う。キューブリックが「観客にわかる」ように作ろうと思えばそりゃ作れるだろうが,さきほども言ったようにそもそも「解説」できないものをあるわけだし,「解説」したとたんに失われるものもあるのではないだろうか。「解説」をしないことで生まれる「主観」や,言語化できない「体験」を「映画」で観る人に伝えたい,それがキューブリックの狙いだと私は思う。...余談。「難解」とみると突然否定的な態度になる人が身近にもいたが,はっきり言ってそういう心理は近親憎悪に近いと思う。他人が頭よさげに振舞ったって,別にどうでもいいじゃん。 【veryautumn】さん 10点(2003-12-18 19:36:31) (良:5票)(笑:1票) |
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188.残念ながら、私この映画ダメなんです。と言っても部分的に面白いところはあります。特撮だって当時として最高のものだというのも解ります。しかもDVD持ってるし(笑)。だけど何度観ても大声で「傑作だ!!」とは叫べない。どうせ私はそんな程度の人間なんですよ...ふっ... 【nizam】さん 6点(2003-12-18 17:48:21) |
《改行表示》187.すいません。この映画の良さがどうしてもわからないのです。もちろん、そこらかしこに「奇才」の匂いがプンプンする作品であることだけはわかるのですが・・・。 また、当時としては斬新だったにしても、今となっては、古くささ安っぽささがあちこちに見られます。ちょっと正視できません。 小難しい理屈を付けなくては鑑賞できない映画だと感じたし、自分はその手の映画を「高尚」とみなす事は出来ないので、低評価です。 本当は1~2点くらいを付けたいのですが、先駆性に敬意を表して・・・。 【もえたん】さん 3点(2003-12-17 18:11:48) (良:1票) |
186.観客に意味が伝わらなければ、どんなに崇高なテーマを持っていたとしてもその映画は駄作であると思う。今作もその類に極めて近いことは確かであろう。しかし、尊大なラストシーン、あの瞬間に私は震えるような、何かが目覚めるようなひらめきを感じた。かたっくるしく難解なストーリーのすべてが一気に脳裏に流れ込むような衝撃を感じたとしか言うほかない。この伝説的映画が真の傑作かどうか、一度しか観ていない私には判断できない。ただ、もしかしたら人間の想像力と創造力の限りない深遠まで近づいた映画なのではないか、そんな気がするのは確かである。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 10点(2003-12-17 14:21:29) |
【ヒロヒロ】さん 7点(2003-12-17 00:45:47) (笑:1票) |
184.《ネタバレ》 この映画がSF映画の最高傑作であると私は信じている。小さい頃に観たときは何がすごいのか何を言っているのかおもしろいのかおもしろくないのか何も分からなかった。ただ、何か有名なんだろうとしか分からなかった。今でも完璧に理解できているかと言われるとそうとは言えないと思うが、知能を持ったコンピューターハルなどを多少理解できるようになり、それと、2010年宇宙の旅などを観て少しは分かったと思う。人間がコンピューターに命も含めすべてを任せられるような時、30年以上前に想像した人はコンピューターが任務のためなら人の命も惜しまないという意志さえ持ってしまうと考えた。今の私たちでさえまだ考えられないコンピューターが人間に対して反逆するわけではない。ただ人間のためにやったことなのだ。結局最後もよく分からなくなってしまうのだが、人類という奇跡の誕生を映画いているものだと勝手に解釈し、深い感動を感じた。この映画を観ずにSF映画は語ることは許されないといわれるが、ただ言えるのはこの映画はSF映画の越えられない壁を越えた唯一の映画であり、すべてのSF映画の原点を築いた私にとっても映画界にとっても大事な映画だと言うことだ。 |
183.作品のテーマやストーリー、映像についてなんか皆さん賛否両論熱く語られているようで何より。それこそがこの映画の楽しみ方でありこの映画のすごさなんじゃないかと思ったりして。私的にはHALによって冷凍睡眠されている3人が殺されるシーンが私の知る限りの映画史上最も静かな殺人シーンとして非常に印象に残っている。派手さはないが、娯楽映画としても結構面白いと私は思うのですが。一番評価したいのはこの映画はキューブリック以外考えられないといえるオリジナリティであり、誰もがそれを踏まえた上で批評をしてしまっているという事実にある(意図せずとも)。マイナス1点ははじめてみたときに途中で寝てしまったことによってだが、またちゃんと見たくなるパワーに押されたのでこの点に。 ちなみに、猿人の投げた骨がカットが変わり宇宙船になるあの有名なシーン、あの宇宙船は実はミサイルを搭載した「武器」であるのだが、それを踏まえて見直すとまたより深くこの作品の奥深さを堪能できます。 【goose】さん 9点(2003-12-16 00:09:45) |
182.冒頭からワケのわからないシーンで、結局最後もワケがわからんまま終わる。このワケのわからなさが最高ですね。ラスト20分息もつまる映像の連続さすがキューブリック。観る人それぞれが違った感想のもてる数少ない作品だと思う。できることならAIもキューブリックに撮ってほしかったなぁ。 【ケジーナ】さん 10点(2003-12-14 18:55:10) |
181.《ネタバレ》 「2001年」は卓越したアートセンスが映画と見事に融合した作品。宇宙もモノリスも壮大性・神秘性が与えられている。今のCG技術を以ったところでコレ程の品位で表現出来るだろうか?芸術的才能に敬意を抱く。さて、アート要素以外について、「2001年」には驚嘆すべきストーリー展開は無い。しかし、子供の頃観たときに、今までに経験したことのない不安感に駆られた。永遠の道徳的存在である「神」でも「悪魔」でもない「無機質」な支配。非現実的な不可解さ。主人公は機械の支配から逃れたのに、今度はモノリスによって人生を支配される。更に予測不可能不安が待ち受けている。今現代の我々には、既に与え尽くされた感覚だが、当時はこういった不安がまだ漠然としたものだった。60年代の新感覚の先駆的・先覚的存在はSF小説だったという。これをキューブリックは「2001年」で見事映画として我々に提供したのだ。時代は常に流動的に新感覚を生み続ける。その複雑な事象を判りやすく分解できる表現能力を持つ「先覚者」が時代には必ず存在する。キューブリックはまさに新感覚に対する先覚者。「機械じかけのオレンジ」にも同じ能力が見受けられる。時代はいずれ追いつくもので、新感覚に対する表現は浸透し始め、ありふれたものになる。かといって、「2001年」が表現しつくされたものかといえば、まだ何かがある。それは私がいずれ経験を得て「歳をとってもう一度観ると得る「新しい発見」に繋がるのだろう。キューブリックは映画という表現媒体を利用して新しい感性を提供してくれる稀有な存在。映画は表現能力の感性を広げるもの、批評は分解能力の感性を広げるもの。 まさに観客と監督のやり取りの典型的な事例ではないだろうか。 【夢の中】さん 10点(2003-12-14 01:51:15) |
180. 1968年の時点でここまでの映像が作られたこと自体驚異という他無い。今観ても全く遜色ないではないか。同時代の宇宙SFを見よ。宇宙の書き割りの前を糸で吊った宇宙船が花火を吐き出しながら飛んでいた時代なのだ。キューブリックはもちろんだが、特技監督のダグラス・トランブルに拍手を送りたい。ひとつ残念だったのは、ステーションから見る地球の大気の層が無かったこと。ま、些末な事ではあるが。 【ロイ・ニアリー】さん 10点(2003-12-12 15:48:05) |
179.息詰るような密閉空間での人間vs.機械の死闘、リアリティーを徹底的に追求した宇宙船の描写、これだけでも一級品のSF/サスペンスとして楽しめるのでこの点数です。ラストは下の方も言われているとおり何らかの意味はあるのでしょうが、あまり大した物ではない気がします。(続編があの「2010年」として成立してる訳ですし…)人類未踏の地に裸同然に放り出された人間は何を感じるか?これが提示されただけで良。 「ツァラトゥストラはかく語りき」について「ろくにニーチェの思想を理解してないシュトラウスが気分に乗って創り上げた誇大妄想的な曲」という評を見たことあります。この曲がテーマということは何だか意味深ですね。ラストについての喧喧諤諤を、監督はどういう気分で眺めていたんでしょうか。 【番茶】さん 8点(2003-12-11 20:25:48) |