18.《ネタバレ》 70年代に打ち立てられた、SFホラーの金字塔です。
今でこそ、気色の悪いバケモノ映画が毎年のように作られているし、
SFを舞台にしたホラーやサスペンスというものも全く目新しくないんだけど、
そういう映画群の、一番最初の作品がこれなわけです。
この作品から全てがはじまった。そういう「創造主」みたいな映画なわけだけど、
初めてにして、もうすでに頂点に達しちゃってるわけです。
H.R.ギーガーによるエイリアンと宇宙船の造形は、魔性的な美しさを放っているし、
79年の作品なのに、今見ても一切のチープさを感じない、驚きのクオリティで作られている。
その完成度とか、怖さの演出とか、そういうのは多くの人が語っているから割愛するけど、
一つ特筆したいのは、乗組員がエイリアンに襲われた時に、次のカットでは引きの画で環境音だけとか、
あの一連のモンタージュが本当に素晴らしいわけですよ。
それはつまり、エイリアンに襲われているときはもの凄く孤独なんだということを現していて、
より一層の恐怖を引き立ててるわけです。
設定もジャンルも美術も造形も、そしてこのモンタージュも、
なにからなにまでパニオニア的な作品、それがこの「エイリアン」なわけです。