117.毀誉褒貶の激しい映画で、ずーっと敬遠していたのだが、見て良かった。セルマの「赤ちゃんを抱きたかったのよ…」のひとことに号泣した。あまり体が丈夫じゃないので、子供を産むのを諦めていた私は「それでも赤ちゃんを抱きたい。その子のためならなんでもする」というセルマの前向きに生きる姿勢に励まされた。たとえわが身が滅びても子供の幸せを願う、それが母の愛なんだなぁ。それにしてもカトリーヌ・ドヌーブが美人すぎて、場違いで笑えた。工場なんかで働いてないで、どっかの金持ちのやもめ男引っかけてさっさと幸せになりなさい、とツッコミを入れたくなる。 【ノコギリソウ】さん 10点(2004-02-20 22:35:27) |
116.僕はかつて『救われない映画は好きくない。存在価値は認めるが好き好んで観たくはない。へこむ、ブルーになる、脱力、こういった言葉を聴いてまず連想するのがこの映画です。ミュージカルシーンもなーんかださい。手ぶれ撮影はビヨークのフォローか?ビヨークよりも看守のおばさんみていたほうが健康的にへこめるとおもいます。ああいう不幸な人、極力作ってはならないと思います。』とレビューを書きました。 ドッグヴィル以来ラースフォントリアーに興味が涌いてしまった僕は、例外となってしまったこの映画をもう一度見直すことにしたのです。そして昨日5~6年ぶりにまた観ました。 なんだ、傑作だったではないか。昔観たときの俺はまだガキだったな、なんにもわかってなかったな。(エロ目的でないR18指定の映画は、子供にはその映画の良さが理解できないから、と言う意味があるのかもしれない。)セルマは最期、泣きわめいていただろうか、いや、彼女は歌っていた。大きな声で、微笑を浮かべていた。あの時のセルマは絞首台にはいず、まさに舞台に立っていた。そのままセルマはこの世からいなくなった。家主にも裁判にもあんなに救われなかったセルマは、実は最期は救われていたのだ。セルマにとっては死刑はそれほど大きな問題ではなかったのだ。そりゃあフードをかぶせられた時は腰が抜けるほど怖かっただろう。でもセルマはその恐怖を忘れる術をもっている。これはまさに作者がセルマに握らせた一切れの救済。(セルマにとっても我々映画を観た人にとっても。) 極限状態の人間の価値を、すばらしい品質で映像にしてしまうラースフォントリアーが、本当におっかない。 |
115.《ネタバレ》 作品中に何度も登場する現実逃避の脳内ミュージカル。それが自分の無力さと救いようの無い絶望感を増長させる。死刑台に行く時のそれはとても短く、今までのような躍動感もなく、悲しい。声を上げて泣きました。ただ、事件から死刑までの流れが強引すぎやしないか。登場人物全員がビョークを死刑させる為に動いているようにしか見えない。ビョークも含めて。セルマは知的障害者なの?なら納得いくけど。教訓も糞もない結末だし本当は0点をつけたい。が、どうしても忘れられない作品。二度と観たくない。 【カワサキロック】さん 10点(2004-02-01 14:22:35) |
114.《ネタバレ》 僕が見た中で一番の映画。最適な評価の言葉が見つかりません。セルマの精神と共にあるかのような演出。効果的なミュージカルシーン。どれをとっても衝撃の連続でした。ラスト云々の話はありますが、僕は支持します。変な言い方ですが、絶望の中にある希望、そのようなものを感じました。 【風】さん 10点(2004-01-09 12:02:08) |
113.ミュージカルは苦手なんですがこの映画はミュージカルの場面が ないとあまりに哀しすぎる。観終った後にこれほど動揺した映画はありません。 【たま】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-16 11:44:31) |
112.あくまでも徹底的な悲劇に私の心は揺らぎっぱなしだった。基本的に悲劇は苦手だし好きではないのだけれど、この映画が描くものはもはや好きとか嫌いとかそういうレベルではない。辛い現実を覆い隠そうとするかのような濃厚な幻想でのダンスシーン。哀しいまでに躍動的に歌い踊るその姿は、誰が何と言おうとも私は「幸福」そのものだと言いたい。幻想であろうと何であろうと、彼女が生きぬいたその様は、「悲劇」さえも越えた深い深い「幸福」だったに違いない。 【鉄腕麗人】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-12-12 01:34:50) (良:1票) |
111.ラース・フォン・トリアーがビョークを使って映画を撮るという時点で、あのラストは完全に予定調和。あの変態監督、神経逆なでする映画ばかりでムカつくんだけど、どうしても観てしまう。才能は物凄くある。列車のシーンのカット割りは素晴らしく、鳥肌が立ってしまった。ラストよりずっといい。監督の実際の言葉。「この映画のどこにも愛はない」。母親の無償の愛を描いた映画だ、というのは解釈違いのようです。 そうですね、あれは母親の無償の愛じゃない。セルマの自己満足の物語です。息子を思うどころか、むしろ息子のいる現実から逃げ、自分の世界に酔い、それに殉死した。そういう意味で、セルマは勝ち逃げをしたのです。幸せな人なのです。少なくとも私はそう思った。だから、私は一般的な解釈にかなり違和感を抱いてしまう。分かりますか、そういう訳で、本当にひどい監督なんですよ、この人は。 【ひのと】さん 10点(2003-12-08 20:02:00) (良:4票) |
110.《ネタバレ》 母親の愛ですね。「こうすれば良いじゃないか」と思うし、もっと合理的なやり方もあったかもしれないけど、あれが彼女なりの子供の愛し方だったのでしょう。ミュージカルをセルマの空想の世界として表現することで不自然な感じも無かったですし、ビョークの歌も良かったと思います。後はビョークが母親に見えなかったのがちょっと……。 |
109.暗すぎる。あざとい。ビョークが美人じゃない・・などなど様々な不満の声(私の知人の意見。ミュージカル嫌いという人多数)。そのとおりでしょう。内容的に賛否別れ、おそらく否が多い作品かもしれません。カンヌでパルムドールを獲り、褒めないといけないという圧力に逆に反発したくなるような作品でもあります。しかし、万人受けの娯楽作でない重苦しい内容で、この驚くほどのレビュー数は無視できないのではないでしょうか?。あんなに実験的で挑発的で悪趣味で悪意に満ちた変態的作品なのに・・・。まぎれもなく既に映画の歴史に残ってしまっている作品じゃないでしょうか?。我らの時代の傑作の一つであり、リアルタイムで観たことを将来誇れる映画じゃないかとさえ私は思ってます(おおげさ?)。「正しい」映画の観方じゃないかもしれませんが、本作に関しては、ドグマ95がどうの、撮影がどうの、アメリカがどうのといったことは鑑賞後何年も経った今でさえ私にとってはどうでもいいことです。映画館、ただ真っ黒の画面、静寂の中に闇の底から流れてくる旋律、妙に不安な幕開け。その後の体験は唯一無二の激しくも神秘的と言っていいようなものでした。別の世界から響いてくる叫びのようなビョークの歌声。めくるめく鮮烈な脳内妄想ミュージカルシーンの開放的でありながら危うげな現実逃避。時を忘れました。映画館であんなにとめどなく涙が流れたことはありませんでした。どれだけ現実世界に拒絶されようが、あえて生きていく意味が人生にはある。そう感じました。この映画は強烈に人の心をかき乱すからこそ嫌われるんだと思います。勝手な思い込みの勘違いな自己陶酔と言われても全然かまいません。私はこの映画を陳腐だと評価することはとてもできません。 【しったか偽善者】さん [映画館(字幕)] 10点(2003-11-29 19:38:26) (良:1票) |
【みちる】さん 10点(2003-11-22 18:51:20) |
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107.映画館で本気で泣いた映画。悲しい映画だから泣いたのではない。 ストーリーに泣いたのでもない。もう、なかば反射的に涙が溢れてくる映画だった。 ミュージカルシーンになると涙があふれる。 ハンドカメラの色褪せたブレる画像が、発色のいいカラーになって、クレーンやヘリを駆使した、壮大な映像になった瞬間、涙があふれる。 ビョークの伸びやかな歌声と、リズミカルなステップと、幸福の絶頂にあるような笑顔。 つらい現実の世界を、自由な想像力で、美しく変えてしまうチカラ。それでも容赦なくどこまでも救いのない現実。空想。現実。空想。現実。空想。 空想のまま死ねたから、それでいい。ショーの幕は下りるけれど、そのまま終わるなら、それでその人生は完結。他人から見たら憐れでも、心の中はきっと幸せ。 現実を、どこまでも現実として捉えなければならないシビアさ。それでも現実を笑い飛ばし、捉え方次第で幸せを作り出すのは、他ならない自分自身の心。 この両方が生きるチカラだと、そう震えないではいられない大・大・感動作。 【よしの】さん 10点(2003-11-22 14:56:28) (良:3票) |
106.今まで見てきた映画の中でも一番泣きました。確かに、最初からほぼ最後の方まで対したことように思えましたし、ラストも後味が悪いものになったので評価的には悪くつけてもおかしく無いと思います。しかし、私は良い映画だったと思います。なぜなら、いろんな人がこの映画に対して、いろんな意見を言える、しかも皆が皆同意では無く正反対の意見もたくさん出ているこの映画はそれが意図だとしたなら名作なのではないかと思いましたので。 【taron】さん 10点(2003-11-07 02:16:21) |
105.この映画は無く映画でもなく衝撃を受ける映画でもない。幸せのために、悲観したり高望みをしたり、努力をしたりする事が妄想と強いつながりをもってしまうその空しさを見る映画だと思う。 【セクシー】さん 10点(2003-10-31 04:20:14) |
104.すごく感情を動かされました。こんな映画があったのか、とびっくりしました。最初、カメラのぶれと独特の雰囲気に、ドキュメンタリーかと思ってしまいました。ミュージカルの入り方が絶妙。思いっきり浸れたし、いろいろ考えた上でも私にとっていい映画だといえます。つらいけどまた見たい。 【るいるい】さん 10点(2003-10-06 15:25:56) |
103.友達の男子が「エンディングで思わず泣いてしまった」・・・お前わかってねえな。この映画。 【キュウリと蜂蜜】さん 10点(2003-09-18 00:58:30) |
102.合計10回以上観てしまいました。これで映画、ミュージカルが好きになったと言えます。個人的には10点以上つけたいと思います。ミュージカルシーンのきれいさ、地のシーンのリアルさ、ビョークの演技、脇を固める役者陣(特にカトリーヌ・ドヌーヴ)、完璧だと思います。ただ、0点をつける方々の気持ちもよくわかります。誰にでも薦められる映画ではないですね。これだけ好き嫌いのわかれる映画も珍しいのでは…あと、音楽(ロック)方面のライターと、映画関係のライターの評価がわかれるのも興味深いです。総じて音楽関係の人は、この映画に低評価を下しますね。 【フィデル】さん 10点(2003-06-29 02:52:34) |
101.見ててとても辛かった、ひたすら辛かった。最後のシーンでのセルマは目をおおいたくなるほどリアルな演技で、やっぱり辛かったです。でもこの作品とても気に入っちゃってDVDまで買っちゃいました。これほど賛否両論な作品は他に無いと思いますが自分的にはとても好きです。曲もすごくよくて、この映画がきっかけでビョークの曲を聴くようになりました。心にずっと残る、すばらしい作品でしたね。まだ見てない方は是非見てください。 【なお】さん 10点(2003-06-13 21:10:18) |
100.これはハッピーエンドだと想った。セルマはラストで子供の眼鏡を握らされて、手術を受けたことを知る。そして初めて彼女は妄想ではない、自分の本当の歌を歌うところは泣けました。すごくいい歌だった。彼女は最後の最後にそれまでのわざとらしいミュージカルソングではなく、ほんとに心のこもった歌を歌うことができた。最高。 【コールテンくん】さん 10点(2003-06-11 01:48:16) |
99.なんかとっても悲しかった・・・親にならないとセルマの気持ちはわからないと思う。。。。セルマの逃げ道はミュージカルしかないんだよ・・・子供のために死ねるなんて・・・お母さんってなんか大きな存在だなって思った。 【YUKINA】さん 10点(2003-06-06 20:42:11) |
【HK】さん 10点(2003-06-06 20:37:18) |