3.《ネタバレ》 今作の不満は「宇宙人との交流がおざなり」だったというのがまず筆頭。
描写が少ないのは展開上仕方がないとして、描き方そのものに違和感を覚えます。
こうなってしまったのは、恐らく「宇宙人が人を殺しすぎていた」というのが大きな理由だと思います。
終盤では宇宙人は人間を食べていましたし(これは「ケアリー」がそう見えただけかもしれないけど)、何の罪のない一般人を襲っています。
ここまでやってはさすがに「宇宙人との友情」を色濃く描くことはできなかったのでしょう。
監督は人が襲われるサスペンスシーンを描きたかったのだと思いますが、それは宇宙人をモンスター化させ、感情移入の余地をなくさせてしまうという諸刃のやいばだと思うのです。
保安官とカールを巻いている女性はあっさり襲われるのに、追い詰められた主人公のジョーとは「繋がる」宇宙人。
何故?
主人公と宇宙人には、なんの接点もなく、他の人間となんら変わらないのでは?
主人公は資料の映像を観て宇宙人の境遇は知りえましたが、それだけではちょっと納得しかねます。
でも「母のペンダント」はよかった。
主人公が自分の母親の死を受け入れ、成長したラストにはグッときました。
そしてエンドロールの素晴らしさ!これで全部許せてしまいます。