5.《ネタバレ》 リスベットは一見とっつきにくいキャラクターですが、実に魅力的です。
彼女は登場したときから「それは項目外」と言い、興味のあることしか報告をしない性格でした。
(ミカエルの)プライバシーに関することは報告書に書いていませんでした。
でも実際は性生活までもを知っているのです。
しかし、終盤に彼女がミカエルに「(あなたの)口座に6万5000クローネがある」と告げたとき彼女はこうも付け加えました。
「何でも知っていてごめんなさい」と。
彼女は凄腕のハッカーであり、驚異的な記憶能力をも有しています。
興味を持った人間について何でも知ることができるのです。
しかし、そんな彼女もそれに対する罪悪感を持ち、プライバシーを遵守していたのです。
リスベットの根本にある性格が垣間見れた瞬間でした。
12歳のころに親を殺そうとし、精神病院に収容されていたリスベット。
ミカエルがリスベットに会いたいと言ったとき、担当の人は「辛い人生でした、これ以上彼女を苦しめないでください」とも言いました。
この作品だけではリスベットの詳細な過去はわかりませんでしたが、少なくとも彼女は性的暴行を受け、頼れる被後見人が脳出血で倒れ、信用できる者はいなくなっていました。
それだけに
ミカエルがリスベットに触れていたときの「もっと触っていて」
マルティンが逃げたときの「殺していい?」
脳卒中で倒れた元被後見人に「いつも悪いニュースばかり、でも今日は朗報よ、友達ができた」
とミカエルに対する信頼感が生まれてきているのが嬉しいのです。