29.《ネタバレ》 トリーブスの家に行き、彼の妻とメリックが会話しているシーンで久しぶりに涙が出た。メリックを見せ物に仕立てた人々は言わずもがな、「私は偽善者だったのか?」と自問するトリーブスや、彼を含めて院長や部屋を訪れた女優も、私には多少「自分が良いことをしているナルシスト」のような偽善的な匂いがした。偽善の匂いを感じなかったのは、看護としてのプロに徹していた婦長だけに思える。しかし人々から好奇の視線にさらされ、それを糧として生きて行くしかない彼の宿命に、多少なりと違う結末を与えた点で、彼らの行為自体は善行と言える。その宿命の中で悲惨な結末を迎えるより、メリックは間違いなく幸せの中で、自分自身で結末を選ぶことが出来た。「いつか同じように、横になって眠りたいものですね」自分の死期を悟り最後の希望を選択した彼の心は、きっと今までになく満たされていただろう。エレファントマンの人生そのものよりも、それを取り巻く人間のエゴが濃厚に描かれた映画、トリーブスの行ったことは、エゴである人間でもそれを自覚すれば善行を成し得る姿を映し出している。 【six-coin】さん 7点(2004-01-25 03:18:01) (良:1票) |
28.《ネタバレ》 メリック氏の境遇を気の毒に思う反面、現実に彼を目の前にすればトリーブス氏のように接する事などできないだろうと思う自分がいる。社交界の慣例でメリック氏に会い、ティーカップを持つ手を震わせている夫妻のように。単に悲しい実話ではなく、そういった思考にまでさせてしまう脚本の視点は鋭い。人物描写は善悪に分かれすぎてはいるが、悪夢の映像などリンチならではの見せ方が効いている。 【マーメイド】さん 7点(2004-01-17 03:25:53) |
27.《ネタバレ》 最初に見たのは子どもの時。死んでしまうのが分かっているのに、それを選ぶメリックに思わず泣いた、自分史上初泣きの映画。大人になった今見直してみると、これ、デビッド・リンチは絶対、自分がイジメたい感情に注力して作った映画な気がしてきた。暗に自分のサディスティックさを登場人物に置き換えて、メリックをイジメているのを映像化して楽しんでいる印象。それが実在の人物であり、あまりに感情移入できてしまう設定のため感動作として取り上げられてしまう結果になったのではと思う。イレイザーヘッドを見てしまったから歪んでいるのかな...。 【もた】さん 7点(2004-01-08 01:02:22) |
26.エゴ、きれい事、傲慢、偽善・・・どんな人間(もちろん自分も含む)も多かれ少なかれ持つそんな、モノについて考えさせられました。 感動作と言うか、人間のある側面を皮肉たっぷりに映し出したカガミのような作品に思えました。巧く言えないけど。 【もえたん】さん 7点(2003-12-19 01:57:47) |
25.《ネタバレ》 母親の写真やエレファントマンのメイクなど思わず身震いしてしまうような映像が強烈だった。さらに人間の心の醜さを突きつけてくるのだから耐えられない。逃げ出したい。小さな幸せに感動するジョンの姿から学ぶべき事は多いと思う。劇場のシーンでは涙した。 【ぷりんぐるしゅ】さん 7点(2003-12-08 16:59:35) |
24.自分の記憶では洋画を劇場で観たはじめての作品。 小1の時に家庭訪問があって担任の先生がこの映画の話しを、その日の夜中に俺はおかんに連れられ映画館で観ました。あの白い覆面、白黒の映像は妙にくらーい雰囲気で子供ながらに非常にショッキングだった。『あの人はなんでベッドで寝てはいけないの?』とおかんに質問した記憶がある。 【guijiu】さん 7点(2003-12-05 00:34:21) |
【グルグル】さん 7点(2003-12-03 02:41:56) |
22.《ネタバレ》 皮肉たっぷりの映画だと思いました。感動する!みたいな感じでヒットしてたんですけど、実際に見たら、ジョン・メリックは、ここに登場する善意の人達の、自己満足のために弄ばれてたんじゃないの?みたいな。彼を迫害した人々と何がどう違うのかな?という。そして、この映画見て感動しちゃった、なんて人に対しても監督は「ふふん」なんて思ってそうだなぁ、って。生きているうちは彼に自由なんて与えられる訳はなく、好奇の目(そう、この映画を見ている観客のように)にさらされるのは目に見えている訳で、だからジョンが唯一選択できる自由は、死んじゃう事だったワケで・・・。リンチ映画って、いつも試されてるような感覚がして面白いです。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-11-28 14:49:02) |
21.リンチの作品には身障者がよく登場しますよね。足の悪いおじいさんとか。だからジョン・メリックの半生を選んだのはリンチらしいと思うわけです。劇場公開時、文部省推薦とか肩書きがいっぱいついてたけど、それに一番びっくりしたのはリンチ本人じゃないかと想像してしまいます。メリックが観劇をするシーンで劇場にいる全ての人々から受け入れられるというようなシーンがありましたよね、あれにはちょっとシラっとしたのを憶えている。そしてメリックのような人は、良くも悪くも人から利用されることが多いと感じる。メリックの本当の望みはなんだったのか?人間として受け入れられ、世間一般の人々と同じように生きていくことだったのではないということはあのラストでわかる。一見、悲劇ではあるけれど皮肉でブラックな匂いを感じるのは私が素直じゃなさすぎでしょうか?あのリンチがみんなを泣かせたくてまっとうなヒューマンドラマを真剣に作ったとは信じたくないのかもしれない。劇場鑑賞したにも関わらず私は泣きませんでした(笑)今観たらアンソニー・ホプキンスが若いなーと、それにまず感動することと思う。 【envy】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-11-25 08:39:52) |
20.えぐいよ。ひでぶ2秒前の顔だよあれ。でも内面が綺麗なんだなこれが。ちょっと心動かされたぜ 【アルカポネ】さん [映画館(字幕)] 7点(2003-11-14 00:51:27) |
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19.テレビ放映を見た翌日、「気持ち悪い映画だ」と言ったら友達が抗議のマジ切れ。 【為替差損】さん 7点(2003-09-23 13:54:33) |
18.平均点が高くて、気になるデビッド・リンチ監督なので見ました。見てる最初は映像が白黒だったため、「これは・・・ホラーか?」と思いましたが全然違うということに気がついた。感想はアンソニーホプキンスが若かったし、顔が醜悪なだけでエレファントマンと呼ばれて見世物にされ差別されていたジョン・メリックがとてもかわいそうだなあと思いました(それも実話だと聞いたときは言葉を失いました。なんて酷い社会なんだろう!)。ジョンがマスクみたいなのを脱いだ時の顔の方は確かに気持ち悪いかもしれませんがジョンは人間に変わりない!そう私は感じました。だから「僕は人間だ」という有名なシーンは本当に素晴らしいです。・・・しかし私はこの映画で泣く事はできなかった。そこだけが残念です! 【ピルグリム】さん 7点(2003-07-13 17:28:43) |
17.映画館を出ると、みんなハンカチで目頭を押さえていた。当時中学生の自分の目には一滴の涙も出なかった。複雑な思いで映画館を出た。当時、差別が悪いとか言う以前に差別をするという概念すら自分には無いと思っていた。でもこの映画を観に行こうと思った理由の一つは布袋を被った象男の顔である。見世物小屋の観客と同じだと気づきかなり自己嫌悪。泣いているどころではなかった。今Revewをするにあたり考えると、ポスター、新聞等の宣伝で明らかに見世物小屋の観客として映画を観させようとしていた。成功させる為なのかもしれないが、映画の中でもなかなか顔を見せない作りで、好奇心を盛り立てているように思う。もしかしてリンチは意図的に映画の観客を見世物小屋の観客に(差別をする側に)したのかも。(必死で自分をフォローしてます) 人間は皆、同情をしていても同時に差別もしているのだろう。映画の観客と見世物小屋の観客の違いは、映画では見世物小屋以外のメリックが見れることである。つまりメリックの一生を見ることで、自分が差別をしている事に気づかせてくれる。ようするに「あなたは自分の気づかないところで差別によって人を傷つけているかもしれませんよ」というメッセージを投げかけているのでは?と思う。そう考えるとこの作品はかなり他には見られない秀逸さがある。ただ人に薦めようとは思わない。なぜなら自己嫌悪に貶めるようにつくられた映画なんだから。(まだフォローしてる..) 【R&A】さん 7点(2003-07-08 17:45:54) (良:1票) |
16.感動はしなかった。でも色々考えさせられた。ジョンは生まれてきて幸せだったのか。ここにも人の不幸を金儲けの道具にする人々が出てくるけど・・・悲しいね。 【くるみぱぱ】さん 7点(2003-07-08 05:02:58) |
15.当時子供心にグサッときた映画。デビッド・リンチらしくないって人もいるけど個人的にはさすがって気がします。 【あき】さん 7点(2003-06-13 06:40:56) |
14.正直、感動よりも、やるせなさ、虚脱感が残ってしまう映画だった。実話ベースと思えない自分・・・。 |
13.リンチの冷たくも暖かいまなざしが堂々とその主人公の注がれていることに間違いなくこの映画が傑作である理由がある。社会のはけ口、汚物としての存在、人間がどういう生き物であるのか、総体的な意味でしかリンチの感性は出てこない。これと「消しゴム」を一緒に借りて交互に見直すとやっぱリンチだなーとか思う。 |
12.最初はシルエットだけでごまかすのかしら?と思ったら、おお・・・すごいメイク。なんてびっくりしてたら、聖書を暗唱するシーンでドボドボ泣いてしまいました。最期のほうはみんなが悪人に見えてきてしまいました。 |
11.感動はしませんでした。純粋に、外見ってなんだろうと思いました。アンソニーホプキンスがメリックに対して、だんだんと心を見るようになり、それまで研究対象=興味としてみていたのではないかと振り返ったところがよかったです。つまり、奇形であるメリックを、いわゆる正常とされる人間が受け入れられるまでには時間がかかり、また、その時間の長さには個人差があり、すぐに優しく見る人と、全く受け入れずに最後まで「化け物」としか見られない人がいるところに考えるところがありました。最後にメリックが自殺したところは、そんな周囲の思惑をどう受け取りながら死んでいったのか。周囲の良心を良心として受け取り、満足して死んだのか。結局見世物にされていたと世をはかなみながら死んでいったのか。私は、満足して死んだと思っていますが。実際の意図はどうなのでしょうか。 【ごはんですよ】さん 7点(2002-11-16 22:51:50) |
10.感動というか、悲しくなりました。でもいろいろ考えさせられることがあった映画でした。劇場で拍手を送られるところは、本当に彼にとっていいことなのかどうか、納得いかなかった。 【いせひめ】さん 7点(2002-11-04 22:05:10) |