15.不思議としばらく経って、じんわりくる作品。今でもたまに新宿西口にあるヨドバシの通りを外国人の観光客が撮ってる姿を見る。映画を見た後にあの通りを見ると、ラストシーンの情景がなんとなしに浮かび上がる。なんてことない通りだったのに、物語の力は強い。おしなべて外国人のフィルターを通して見る“トウキョウ”は情緒が深い。 【michell】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-03-17 16:54:14) |
14.この作品のテーマは「ホームシック」。レビューを見ていると日本が小馬鹿にされているという意見や、アメリカ至上主義といった意見が目立つが、それにはちょっと違和感を持った。自分がアメリカでホームシックに陥ったとき(一応、今現在も滞在中。)、「何でコイツらは日本語を喋らないんだ?」「本場の寿司なんか知らねぇくせに!」などと自国に思いを馳せていた。そこには日本人の友人がいたので、会う度に「アイツの態度がおかしかった。」「あれってダセぇよな!」などと悪口を言ったりした。ホームシックに陥ったときはその国と比較して自国を懐かしむのは日本人だろうとアメリカ人だろうと一緒なんだなぁと、ある意味安心した。そんな体験をしたので、彼らの気持ちはとてもよくわかるし、とても面白いテーマだと思った。全体的な雰囲気も、現代の日本、というか東京を忠実に描いていて、良い作品だったと思う。けれど、ストーリーが少し弱かったかな。やっぱりボブとスカーレットが短期滞在っていう設定に無理があったのかも。もう少し二人が日本に滞在していれば、次第に余裕も出てきて、日本を楽しんでもらえただろうに・・・と思ってしまうのは僕が日本人だからなんだろうな。しかし、途中に出てきた変な女の「ミスターハリーーース」が頭から離れん。 【こばやん】さん [地上波(字幕)] 7点(2005-02-22 14:50:51) |
13.切なく淡い恋物語。ひと時だけの秘密の恋といった感じでしょうか。しみじみしちゃいました。キャストも素晴らしい。 【Andy17】さん 7点(2005-01-24 23:36:40) |
12.二人の姿をみていると、彼らがなじむことができないのは異国の文化に対してだけじゃないんだな、と思った。「家族から必要とされていない」と感じているボブと、理解のない夫との関係に疲れているシャーロット。子供は電話に出てくれない。妻は「忙しいのよ」とか「あなたの心配をするべき?」とかしか言わない。ボブの寂しさをわかってくれない。夫は妻が苦しんでいるのは知っているはずなのに、彼女の話を聞いているはずなのに、その気持ちが伝わらない。二人の言葉が届かないのは日本人だけじゃない。たまたま出会った二人の間にはたいしたドラマなんて起きないけれど、お互いの孤独への理解が、ほんの少しだけ二人の心を通わせる。タクシーを止めてシャーロットの元へ向かったとき、ボブは二人が結びついた時間がささやかではあるものの、かけがえのない価値のある時間だってことに気づいたんじゃないだろうか。たとえ日本じゃなくても、二人には安心できる場所、迎え入れてくれる人がいないのかもしれない。ラストに抱き合えたことはちっぽけな奇跡で、あんな瞬間があるからみんな寂しさに押しつぶされずにいられるんだと思う。人の心は外国よりもずっと遠いところにあるから。 (日本の描写が不公平なことはみなさんのおっしゃるとおりだと思いますが、自分には許容範囲でした。たまに日本のマンガに出てくるアメリカ人に、「ダジャレみたいな寒いジョークをとばして一人で笑っている」キャラクターがいますから、マシューの扱いも仕方ないかも、なんて。偏見もお互い様なとこがあります。) 【no one】さん 7点(2004-12-26 06:20:50) (良:4票) |
11.日本人としてはちょっと違和感のある描写もあったけど、東京ってこんなところかもと共感できるところもありました。日本人はいかにも「外国人から見た日本人像」だったけど。愛のことばはないけれど、惹かれあっていく二人がリアルでした。 【ジョナサン★】さん 7点(2004-12-09 20:27:54) |
10.まったくどうってことのない話なのですが、電車や車の通過音、ゲーセンやカラオケやパチンコの騒音などが煽り立てる不安感、それと対比される室内の静寂がもたらす孤独感、そして見事なまでの意思疎通を欠いた人間関係がもたらす焦燥感の演出が面白い。それらによって微妙に影響される男女関係の変化も、どこか切なさと懐かしさを感じさせる。日本人出演者の撮影現地調達レベルの棒読み台詞には目をつぶって・・・。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 7点(2004-11-16 23:07:15) |
9.不思議の極東島国シティー~ トキヨー村で~ ボブハリスが~ 若妻と出逢った~~ voice:下條アトム を、日本人が見るとこうなる。クイズ番組や土曜昼からやってるいわゆる「旅紀行番組」や「日本人が撮った外国風CM」を、撮られた現地人が見る気分と同じ。こーいう心境になるんだな~!きっと。ほら、現地人(我々)だって、仏閣を訪れてあんな結婚式にそう出くわさないでしょ?もっと人いるでしょ?「旅紀行番組」だったら、人いないし旅人(出演芸能人)は(絵になるから)何かと出くわすでしょ?「ゲイシャ」が出てこなかっただけ良かったですが。現地人としては「ありえねー」と思うツボが必ずあるはずですから、眼鏡日本人をちょっと強調してない?とか、あんなダンスダンスレボリューション兄ちゃん(古っ)がいたら周囲の空気が異様になるぽ。いう部分はこの際目をつむります。思ったより良かったんでした。スカーレットヨハンソンたんはエロい。いっぱい着ててもエロい。反則でつ。アヘらないのも反則でつ。ん、それじゃただの「異国アバンチュール」ですね。この監督の感性は大いに買いたいと思います。孤独感を表すのに、小ぎれいすぎるホテルの中と、ネオンやら何やらの外の喧騒の対比が生きてます。このへんは東京ならでは。東京あってこその作品と言えると感じます。でも見る人を選びそうなので、佳作的な点数を。それでは最後に、ミニスカポリスとマシュー南、ハリウッドデビューおめでとう(激爆) |
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8.普通によかったです。舞台が日本である必要はまるでなかったけど、ではその意味のないアメリカ人にとってのファッションとしての東京を描いた映画というのは今まであったのでしょうか。その意味のない東京を自分も2人と同時に満喫しました。それこそ今自分が住んでいる東京に対する自分自身のいつもの自然な姿勢で、特別視しないことが一番その土地に馴染み、触れ合ったともいえるのではないかと思ったりしました。もちろん主に前半はカルチャーギャップを描いているのでそこは登場人物と現地人(我々)とは明確に分けられてるけどソフィア・コッポラはそこに青年誌の投稿コーナーのギャグ程度の意味しか込めてなかったような気がします。あ、これ書いて思ったけどソフィア・コッポラはガーリー趣味だそうですが、内面的にはかなり男だと感じました。女の子映画を身にまとった男気ある映画だったと思います。そして手放しでサイコーって言えないのはエピソードの見せ方の男らしさ=無神経さで、彼女のバックグランド(哲学科出身)、彼女の趣味(写真やニューエイジ)などをああいう風にあからさまに出されると引きますね。アクション映画ならなんとも思わないのにこういう映画でやるな、と。 【PLANET】さん 7点(2004-06-13 22:49:04) |
7.《ネタバレ》 この作品は極めて「大人向け」。主人公の2人が、そしてストーリーの展開があまりにも「保守的」だからです。例えば異文化を理解できない故に、言葉の通じる者との出会いを大切にする。ビルマーレー、結局帰る。スカーレット、その現実をしっかり受け止める。それで終わり。 若年層をターゲットにするならば、もっと「挑戦」的要素が盛り込まれるはずでしょう。 私は10代なのですが、主人公2人はもっと日本の文化を理解しようと努力して欲しかったし、互いの家庭を捨ててでもくっついてほしかたし、ビルマーレー、帰ると思いきやスカーレットひきとめる!!!!…これはあまりにもベタすぎますが、この様にもっと見る側に興奮を与える、起伏のあるストーリーであってほしいと思ってしまったのです。この作品には、「本当はああしたい、でも出来ないわ。仕方ないのよ」というような、大人独特の「保守的」な雰囲気がふんだんに出ていました。 その「保守的」さが、ストーリーを淡々としたものにさせています。 でも、その「保守的」さや淡々とした様子がこの作品の魅力だと思います。物足りなさもありますが、私にとっては非常に斬新で、新鮮さも感じられる話でした。 (これを読んで気分を害された方がいらっしゃったらごめんなさい。全ての大人が「保守的」であると言っている訳ではないです。ただ、年功序列、終身雇用などといった、ちょうど自分の父親世代の方たちの社会の制度が大人を「保守的」なものにみせてしまっている、とは思います。) 【kokayu】さん 7点(2004-06-09 22:11:55) |
6.《ネタバレ》 日常に孤独と虚無を感じている主人公二人が、不思議の国=すべてがナンセンスに見える場所で出会い、不思議の国を彷徨いながらお互いの孤独と虚無を認め合い、抱き合って別れる。おかしくて、切ない。観ている間はたくさん笑い、ラストシーンでは、少しほろ苦いけど心暖まるような気分になり、映画館の外に出たときには、見慣れたいつもの風景が異国に見えた。良い映画だと思います。 【xr4000】さん 7点(2004-05-26 23:55:34) |
5.《ネタバレ》 私はアクションや映像に派手さがない映画はあまり映画館で見ない方で、今作のように静かな映画はレンタルで済ませる場合が多い(映画ファン失格ですね・・・) だが、この映画はレンタルまで待っていられず、どうしても映画館で見たかった。ここのレビューでの賛否両論(?)は知っていたし、見る前からあまり期待もしてなかった。だが、この映画にはなぜか不思議な魅力を感じ、どうしても早く見たかった。見てみたら案の定、どうってことない映画だった。アカデミー脚本賞を獲ったというので、予想も付かない展開や伏線バリバリのストーリーを少しは期待したが、大した事ない出来事が淡々と続いてるだけ。こってり豚骨ラーメンと思って食べてみたら、さっぱり塩ラーメンだった感じ(笑) 脚本賞よりもやっぱりビル・マーレイにアカデミー賞を獲って欲しかったなぁ~~。あの「味のある無表情」がなんとも言えない。素敵な役者だ。あとスカーレット・ヨハンソンも素敵。あの美しさは反則です。だけど映画本編は、アメリカ人が見たら面白いだろうけど、日本人の私にはイマイチでした・・・。逆に日本人がアメリカンカルチャーに触れる映画を作ったら面白いかも。と、不満を募らせていたら、最後ビル・マーレイとヨハンソンが再会するシーンで私はなぜか胸が熱くなった。お互いに住所も電話番号も知らない。おそらくもう二度と会わないであろう二人。まるで、アン王女とジョー・ブラットリーみたいだ。見終わった後も「ローマの休日」のような切なさと爽やかさがあった。あのラストシーンのおかげで私の不満はエンドクレジットが終わる頃にはほとんど消えていた。 |
4.内心複雑な感じですけど、良かった気がしました。やはり皆さんが言うように淡々としていてテンポ悪いんですが、だからこそ逆にあの作品が成り立つのかなという気がします。この作品は新宿・渋谷の情景でほとんどしめていますが、その付近在住の私からするとあちらこちらの映像の出方が実際に歩くとありえないなというところに映画の裏を見た気がして『クスッ』と笑ってしまいました 【にゃん♪】さん 7点(2004-03-28 00:25:30) |
3.ソフィア・コッポラの性格が素直だからなのだと思いますが、良くも悪くも味も素っ気もないくらい一直線な映画です。テーマは、私のように外国語に日々悪戦苦闘している人間には非常に身近なので、観て良かったと思いました。私は仕事では英語でプレゼンもするし、契約の条件交渉もするし、飲みにも行きます。TOEFLだって誇れる点数を取りました。でも、それにも関わらず未だに「英語はやっぱり外国語」で、コミュニケーションのロスは結構あります。ましてや今勉強中のスペイン語なんて片言なのでロスだらけです。辛いことも沢山ありますが、外国で生活してきた経験からいうと、本当のコミュニケーション能力って語学力じゃないんだと思います。この映画でも、京都のお寺(神社?)での結婚式のシーンは、一切言葉が無かったにも関わらず非常に美しかったですよね。別の例で言えば野茂やイチローは英語喋りますか?でも幾ら稼いでますか?中途半端に英語を喋ることには全然意味は無くて、本当に大事なことは言葉じゃない所にあるのではないでしょうか。私にとってはそういう意味で、コッポラのテーマの掘り下げ方が足りない印象を受けました。最後に一つ付け加えたいのは、アメリカに住んでいると気づきにくいですが、日本もアメリカも世界的に見れば相当「特殊」な国です。アメリカ的視点から見た日本像をあまり気にしすぎないほうが良い気がします。とかく日本人はコンプレックスを持ちがちですが、ヨーロッパから見れば、最近はアメリカ人の傲慢さの方がむしろ問題視されてますので。##最後の最後に、ヒロインのお尻はキュートでした。 |
2.言いたいことは分かるんだけど、なにぶんテンポが遅く、日本人の自分からすると退屈な描写が多い。恋愛はあくまで隠し味的な程度になっているように感じる。全体的にイマイチだったかな。でも、まさかマシュー南が出るとは思わなかった(笑) 【kazu】さん 7点(2004-03-04 21:41:18) |
1.ソフィア、アカデミー・オリジナル脚本賞おめでとう! 日本語にとまどう主人公の様子には大笑い。とっても楽しめる。でも、アカデミーで大きく評価されているように、異国での孤独というのが、この作品の大きなテーマ。私には、日本語が分かるゆえに、そのあたりの印象が薄れてしまった。この作品は、日本語が分かる人と、そうじゃない人の印象がとても変わると思う。 【ちひろ】さん 7点(2004-03-03 12:24:52) |