55.監督のファッションセンス、最高です。伸びた襟足によれよれのキャップ、ジーパンにスニーカー、ずんぐりむっくりな体躯。もっさりした感じなんだけど、着慣れててすごくかっこいい。まずそこで監督に好感と興味がもてました。映画の内容は興味深い話で飽きずに見れました。銃を支援する団体の存在だとか、カナダの銃社会についてとか、知らなかったことがいろいろ知れました。マリリン・マンソンが真面目にインタビューに答えてるのには驚きでした。鑑賞後、全体を通して思ったのは、とにかく編集が上手なこと。衝撃的な事件を題材にしているわけだからどうしても暗いムードになりがちなんだけど、サウスパークのアニメを使ったり、レコードをスクラッチしたかのようなVTRの繋ぎ方などをしてエンターテイメントとしての要素がプラスされてるので、まるで余談話が上手な先生の授業を聞いている時のような、「ちょっと真面目に聞いてみたくなるな~」って気にもっていかせる感じが上手です。無論もっていかれました。「ボーリング」という事象を嫌味なくキーワードとして取り入れていて、その取り入れ方がオシャレ。監督の主義主張が前面に押し出された、暑苦しくて厚かましい映画かなと思ってたけど、そうでもなかったです。むしろさっぱりした印象でした。恥も外聞も取り払ったズルムケな探究心と、こじゃれたセンスが上手い具合にマッチしてます。 【VNTS】さん 8点(2004-09-17 01:09:04) |
54.《ネタバレ》 銃の根本的な問題は、 アメリカ人の国民性にあるという事でしょうか。 危機感を募らせて、周りの事を考えるだけの余裕がない、 ただ感情的になってる人種がアメリカ人なんだと 言いたかったんじゃないかと思います。 にも関わらず、アメリカ人って 自分が偉いと思ってるみたいで、スラムのこととか、 少なくとも国民はさほど問題視してないみたいだし、世界のリーダーだと思ってるから イラク戦争も独走状態でした。 大量生産大量消費のおかげで、経済的に豊かになってるわけですから、 アメリカが今豊かなのも、感情的な国民性だからじゃないかと思います。 結局、「優等生なんだけど、大人になりきれてない」のが アメリカ人という事でしょうか。(言い過ぎか) この映画の全体の評価としては、個人的には広い視野で考えられてると 思えたし、細かい部分まで 考えられてて良かったと思います。 あと、 具体的にどう動いたら良いか、について触れてなかったのが良かったと思います。 コロンバインの生徒がKマートに講義したのはありましたけど。 映画で考えた事を説明すれば、観客は考えますから。 結局監督にとっては、銃の問題を解決した事になったんでしょうね。 華氏911も面白そうなのでいずれ見たいと思います。 【カジ】さん 8点(2004-09-17 00:16:46) |
53.ドキュメンタリー映画を飽きずに2時間見せる手腕には敬服します。内容は偏ってはいるけれど映画もメディアのひとつであり、受け止める私たちの問題ですから。 でもマリリンマンソンてすごくまともなのですね。とびっくりしている自分に自己嫌悪。 【かじちゃんパパ】さん 8点(2004-09-08 08:38:19) |
52.少年たちが事件を起こした本当の理由・・・アメリカでは銃が容易に手に入るからだ、マリリンマンソンの存在だ、過剰なマスコミの凶悪事件の報道だ、人種差別だ、戦争だ、不況だ、いやボーリングだ・・・・・・・大人はみんな誰かのせいにしたい。結局少年たちの心の中はわからない。 どうしたって世間に取り残される人はいる、そのどうしようもない積み重なった怒りが、少年たちにあんな残酷な行動を起こさせたのだろうか。 銃社会でなかったら少年らは事件を起こさなかったのだろうか。よくわからない。 【耳】さん 8点(2004-09-07 00:28:52) |
51.なかなか面白かったとは思う。アメリカの銃社会が白人のインディアンや黒人に対する自己防衛という脅迫観念から発したものであり、その脅迫観念は、境遇が変わった今でも形を変えてマスコミによって煽情的に流布され続けている。脅迫観念は常に外敵を作り出さずにはいられない。銃による犯罪は、その脅迫観念により常にアメリカ白人の重要な関心事となり、その銃犯罪の誇大報道そのものが自己防衛としての銃社会を国家的に認知していく、と同時に銃犯罪そのものを助長している。。。なるほど、まさにその通りかもしれない。ムーア氏の解釈はなかなか的を得ているように思える。この映画のタイトルでもあるコロンバインでの銃乱射事件の背景にあるのは、確かに彼の言うようなアメリカの銃社会という制度的(潜在的)な問題と利害を含んだマスコミのプロパガンダによるものなのかもしれない。ただ、それを理解した上で問いたい。何故、彼らは自分達の同級生に銃を向けなければならなかったのか? ムーア氏が銃犯罪の少ない国として賞賛する日本(銃携帯が認められないから当たり前か)でも子供同士の殺人事件が最近起こった。日本のマスコミは、事件の背景としてインターネットやお受験の弊害について論うのみで、動機は常に「心の闇」という言葉に帰着させているように思えた<それは15年前から先に進んでいない>。確かにそこから導き出されるディスコミュニケーションや疎外感の問題にある種の正当性はあるのだろう。その正当性を信じたいがために、また理由の見当たらない宙吊りの状態に耐えがたいがためにそこへ誰もが理解できる物語を当てはめたくなるのである。僕はそこに違和感を感じる。彼らの物語はもっと歪んでいるのだ。その歪みを正すのは、彼ら自身の生の原理を捉えた彼ら自身の物語しかないのではないか。 ムーア氏はコロンバインの殺人者達が事件の直前にボウリングをしていたことに言及していたが、それは彼らの歪んだ生の原理が垣間見える瞬間ではなかったか。ムーア氏は言及しただけで追及しなかったボウリングを禁止したからといってコロンバインの問題がすっかり解決する<彼らの歪んだ生が癒される>はずがないということは言うまでもないが。 |
50.《ネタバレ》 映画中で黒人に対する過剰ともいえる差別的報道がありましたが、オレはこの映画を観る前から最近の多くのメディアの姿勢には辟易していました。だってそうでしょう?本来は起こった物事を事実だけありのままに伝えるのがメディアに関わる人の仕事のはずなのに最近では彼らの仕事は、「出来うる限り大衆の興味をひくこと(ひいては視聴率を得ること)」表面的に彼らにとって「悪そう」な人物をことさら本当に悪人のように書き立てることによって書かれた人たちは居場所を無くします。ちょうどいい例が年金問題で一番最初に槍玉に挙げられた江角マキコさんです。ほとんどのメディアは彼女の事を「自分の年金の支払い状況を確認もせずにCMに出るなんて」と批判していました。そして後々になって実は年金支払い制度そのものに問題があり、国会議員でありながら実際に年金が未納になっていたという事実が出てくると、最初に江角さんの不注意を批判していたメディアは一転し、「国会議員も未納になっているこんな状況でこれでは江角さんも可哀想だ」と江角さんを弁護する側にまわった。結果江角さんに残ったのは一時の騒ぎの為の仕事を失った無念とやりきれない気持ちだったのではないだろうか。上に書いたようなとってつけたような擁護の一言のみで散々迷惑がかかった江角さんに特にその後のアフターケアは無しである。なんと無責任な報道であろうか。少々話がこの映画のメイントピックである銃問題から離れてしまったが、なぜここまでメディアに関して批判するのかというとこの映画を観て銃問題に限らず黒人問題にしてもメディアの存在が大きな要因となっていると感じたからである。私達が情報を得るツールは主に新聞、そしてTV。最近ではインターネット。しかしそれらの全てが上のような無責任報道に侵されています。そしてそれはいつも確証も無くただ一番疑わしいものを次々と糾弾していき、見ている人たちはそうなのかと思い込まされていきます。TVや新聞でしか情報を得られないのにそれが最初っから見てる人がこう思うようにと操作されて作られているなら私達はどうしたらいいのでしょう?大人は言います、「ニュースや新聞に毎日よく目を通しておきなさい」。しかしオレはそこにもう少し付け加えたい、「でも決してそれをありのままには信じないように」と。「あくまでそこで何が起こったかだけを見つめ、そこから自分なりの意見を持ってほしい」と。 【TANTO】さん 8点(2004-08-05 04:59:48) (良:1票) |
49.飛び交う情報の中で、もはやぼくたちはどれを信用するべきか分からない。それが今現在の全世界中での混沌に直結すると思う。アメリカを愛し、アメリカを憎み、アメリカを軽蔑し、アメリカが大好きなこのひとりのアメリカ人が作り出したドキュメンタリーは、核心であると同時にそれすらもただひとつの「意見」に過ぎないのかもしれない。だから、この映画を観たことのみで「反銃社会!」、「反アメリカ!」と言うことは非常に安易で愚かであるし、作り手も決してそんなことを望んでいるわけではないと思う。必要なのは、ただ単に「まず知ること」だ。外国でどんなにショッキングな事件が起きても、所詮多くの人たちにとっては日々のニュースの一片にすぎない。もちろんその一つ一つを己の身をもって感じろというのは無理なことだ。しかし、もう少しぼくたちは、自分たちのまわりを覆い尽くしている混沌を見つめるべきではないか。そのためのひとつの術として、このドキュメンタリー映画は非常に有意義に存在すると思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(字幕)] 8点(2004-07-31 08:14:55) (良:1票) |
48.結局、社会に対して無関心なのが良くないと言うことが分かった。 【たこら】さん 8点(2004-07-14 00:32:53) |
47.銃は自衛のための権利であり絶対に銃は手放さない、と主張する人々。しかし、銃が氾濫し、確実に悲劇を生みだし続けるアメリカ社会。マイケル・ムーア監督は独特の表現手法でこの重たい問題を真っ正面から取り上げている。さらに監督は、銃問題とはある意味根を同じくする人種差別問題や、力で物事を解決しようとするアメリカ社会の病巣を鋭く指摘する。しかしそうなるともちろん、無法なイラク戦争でアメリカに追随したり、一部の政治家・マスコミが外国人犯罪をことさらに強調したりする日本にとっても他人事ではないことが分かる。 【きりんのめ】さん 8点(2004-07-05 10:38:47) |
46.もっともっと難しい映画なんだと思っていましたが、わかりやすくて、見やすくて、深く考えさせられたとてもいい作品でした。私的にアニメで説明してくれるところが好きでした 【リノ】さん 8点(2004-06-17 00:04:22) |
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45.「華氏911」公開直後、ムーアが「次回作はブレア首相をネタにする」と言った直後ブレア首相本人が激怒し、「あれはジョークだったんだ」とムーアが詫びを入れた。関係ないようだが、ムーア作品をどのような眼で鑑賞するのが一番いいか、それを暗に示す出来事だったと思う。「ボウリング・フォー・コロンバイン」も、そういう目線で見ればこの作品の価値と言うのが理解できる。 ムーアは銃社会をあくまでもジョークにしているに過ぎないのだ。マリリン・マンソンの説得力あるインタビューもあるが、マンソンも含めた様々な人へのインタビューはおかしな細工をすることなく淡々と流される。だがその中で、映画内で私が一番傑作だと思っている「マンガで見るアメリカの歴史」のたがが外れたような勢いのよさが強烈だった。それこそがムーアの持つ、時事問題をギャグで料理してしまうムーアの真骨頂であり核心とも言える部分だ。しかしそれ以外は実に淡々としているものだ。ムーアが自覚しているかしていないかはさておき、こういう形でしか誰もが避けようとする社会の抱える問題を真剣に議論させることが出来ないアメリカをくっきり浮き彫りにしている。なぜならジョークというのは、真に受けてしまう人にとっては自分自身の抱える「傷」に対し過敏に反応させてしまうものだからだ。アメリカ社会の「傷」に唐辛子を塗りこんだムーアだからこそ、この夏公開される「華氏911」の社会の過敏な反応があったのではないか?正しいか間違っているかではなく、社会の傷をえぐるピエロとしてのムーアの存在が高評価に値する。 |
44.これ見てふと思い出したのが「レインマン」での一言、○マートはダサいでした。確かに映画としてはどうかと思うけど一度は目にしないといけない作品のひとつですね。 【tetsu78】さん 8点(2004-06-03 21:04:10) |
43.ちょっとやりすぎじゃない?と思う箇所もあるけど、アメリカの射殺件数が多い原因を生真面目に検証しようとする姿勢が面白かった。安易に結論を出さずに問題提起の形になっているのも良かったと思う。 【あさ】さん 8点(2004-05-31 14:34:39) |
42.おお、これが例のアポなしですか。監督は単にトレンチコート・マフィア達の動機を知りたくて、TVのコメンテータ達が口を揃えて言ってるマリリン・マンソンのもとへ行ってみる。銃弾を売った店へ、被害者を引き連れて行ってみる。似たような銃普及率のお隣カナダへ行ってみてビックリ。銃あるじゃないですか。銃社会に、その答えがあったわけじゃないみたいだ!でも最後やっぱり拳銃協会のシンボルの元へ。お茶目じゃないでしょうか。ご存知の通りすぐ「アメリカでは・・・」みたいに引合いに出す日本ですが、これを見て、これからはこんな国参考にしちゃいかんー、とはそれ程思いませんでしたが。これもアメリカの一面に過ぎないのでしょうから。移住・留学するなら断然カナダだと思いましたけどね! |
41.アメリカがこんな国だとは知らなかった。少し、落ちこんだ。 この作品からたくさんの事を学び、いろいろ考えさせられた。 【ボビー】さん 8点(2004-04-25 16:45:09) |
40.《ネタバレ》 はずかしながら初めて知ったこともあり、アメリカ社会について勉強できた作品。結局答えはみつからないのだが、そのような作品ではなく考えさせる作品なので○。また事件の原因をボウリングにあるのではという考えかたには共感を得た。タイトルも○。 【TEZZ】さん 8点(2004-03-25 17:19:11) |
39.《ネタバレ》 ドキュメンタリーとしては稚拙。しかし、中盤でマリリン・マンソンとマット・ストーンを出し、最後でチャールトン・ヘストンを引っ張り出した時点でマイケル・ムーアの勝利。ドキュメンタリーとしては二流ながら、一級品のエンターテイメント。最後に。自分からも合衆国大統領に「Mr. Bush, Shame on you!」 【永遠】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2004-03-23 21:28:58) (良:1票) |
38.極めて直球で勝負をしているという感想、もっと笑わせて変化球でアメリカの本質に突こうとしていると思いきや。 創りは決して論理的ではないけど、考えられる原因に対して反証を繰り返していき、悪影響を与えたとされるマンソンやサウスパーク作者に直接インタヴューをして実際に誰が悪いのかをこちらに考えさせるというのは出来のいい映画。 自由や権利を履き違えたアメリカ人がメディアにより恐怖を押し付けられ、汚染され、怯えている、それによって金儲けをしているやつがいるというのはなかなか興味深い主張。 人々のインタヴューでも、「敵」や「強盗」に対処するためとか言ってたが、実体のない「敵」に脅かされ、自らがヴィンラディンのような「敵」を創り出しているんだよな。 机上の空論だけでなく、ムーア自身もKマートを変えたという行動を起こしたのも拍手モノでしょう。ただ前日は無視されたため、メディアのチカラを利用している。 結局、我々も企業もムーアもメディアによって操られているのかもしれない。 |
37.銃の恐ろしさはかすかながらわかっていると思ったがこの作品をみてさらに恐ろしさがわかった気がする。しかし、あんなに容易に銃が手に入っていたとはまったく恐ろしい話です。。。とても重くうけとめます。 【アンリ】さん 8点(2004-03-22 12:32:44) |
36.ドキュメントがこれだけヒットしたのはまれな例。とてもうまく宣伝していたと思う。映画マニア、映画好きに焦点を当てらず新聞紙上など大人向けに展開していったのが正解だったと思う。本当に映画館は混み混みだった。 【ひで】さん 8点(2004-02-26 15:53:48) |