《改行表示》139.実話をベースにしたドラマということで、強盗犯と人質になった行員との間で、 人間ドラマ的な要素が展開されるのかと思ったら、やはりパチーノの役者として魅力を前面に 押し出した作りの作品だった。決して凶悪ではない彼の人間臭いキャラを通し、当時の社会情勢や "アメリカ"がよく伝わってきます。実際の犯人はただのイカれた奴だったんだろうけど、 ここが本作の一番の妙味でもあるかと。映像はあまりよくない。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-09-01 02:59:24) |
《改行表示》138.《ネタバレ》 特典映像で脚本家が「自分のことを、みんなを幸せにできる魔術師と勘違いした男の話」と解説しているのを観て凄く納得した。事件を起こした動機も恋人の手術費用を得るため、立て篭もり中は常に人質への気配りを忘れず、遺書まで残して財産の分配を指定するソニーは強盗犯におよそ似つかわしくないほどに他人本位で、自分のための欲望を持たない(持つことが許されない環境に生きてきただけかもしれないけど)。なんか好感の持てる性格だなー、何とかして逃げおおせて欲しいなー…と思っていたところであのラストシーン。誰一人としてソニーのことを見ていない人質たちと、打ちのめされたようにボンネットにうなだれるソニー。予想してたよりもはるかに残酷なオチだった。 それにしてもなんでもない銀行強盗をここまで煽り立てて大事件にしてしまうマスコミや野次馬たちと、たった二人の犯罪者のためにあれだけの戦力を展開してしまう警察が恐ろしい。群集の狂気をうまく描いている、っていう点で今まで観た映画の中ではナンバー1かもしれない。 【池田屋DIY】さん [ブルーレイ(字幕)] 7点(2012-05-09 20:32:17) |
137.徐々に見えてくる生い立ちや人間模様が良かった。 【*まみこ*】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-04-12 19:25:44) |
136.《ネタバレ》 アルパチーノの演技がやはり抜きん出ていると思いきや、カザールの目で魅せる表情なども光っていた。ソニーの反抗心もわかるような気がして、ここまで妙に感情移入できる銀行強盗犯はめずらしい。次第にソニーに対する歓声が増えていくのも、当時のアメリカ社会や、ゲイなどの差別などいろいろ名ものに対する情勢を表しているのだろう。たしかに実在した強盗犯がパチーノに背も顔も似ていておどろいた。 【バトルコサック】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-02-22 04:11:30) |
135.《ネタバレ》 はけ口の無い鬱積はヒーローを求め、殺す。踊るピエロがただ悲しい。 |
134.《ネタバレ》 期せずして劇場型犯罪になってしまった銀行襲撃。かなり間抜けな強盗をパチーノが演じる。序盤、これはコメディなのかと思えるシーンもあるが、演出がパチーノの人間味にフォーカスして行き、人質の銀行員たちも彼に共感しておかしな風景が展開する。中盤でパチーノの「愛人」が登場するあたりからストーリーは悲喜劇の様相を帯び、サルが国外の逃亡先に「ワイオミング」を指定するところではすでに笑えなくなっていました。実話ベースらしい。生中継がメディアとして活躍し始めた頃の事件という意味では日本の「よど号」や「浅間山荘」にも被るのだけど、政治思想に直結しているそれらの事件と違い、こちらは庶民的な社会状況を背景にしています。ベトナム帰還兵の精神衛生、刑務所環境、ゲイ、同性愛結婚、犯罪者を盛り立てる野次馬たち。それらをひっくるめてひとつの作品の中でごった煮にした印象だけど、鑑賞後に残る倦怠的な苦さは当時の米国社会そのものだったと想像できる。邦題は「狼」。原題は「犬」。でも、観終わった感想は「迷える羊」でした。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-11-30 23:32:13) |
《改行表示》133.《ネタバレ》 序盤からラストまで釘付けでした。 この作品一本で当時の米国の社会情勢が解るし、野次馬根性の群集心理やストックホルム症候群も・・・というか、鑑賞している私こそが強盗開始早々ひとり脱落した際『おいおい、この先どうするのよ、ソニー・・・』と強盗側の心配してしまう軽いストックホルム症候群になりました。 実話ベースらしいけど、この犯人こそ罪を憎んで人を憎まず・・・と思ってしまう。 それより何より、アル・パチーノの熱演が本当に素晴らしく見応えありました。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(吹替)] 9点(2011-11-12 06:41:10) |
132.《ネタバレ》 もっともらしく強盗に突入していながら、開始数分後には早くも1人が自発的に脱落するという衝撃の展開。人質側にもどことなく「何やってるの、この人たち?」というリアクションが漂っているのが、何とも言えない。そのままなら、とっとと小金だけ奪って逃げ去るか、とっとと警察に制圧されるかのどっちかなはずが、膨れ上がったマスコミや群衆が作用することによって、犯人も、被害者も、警察も、全部の歯車が徐々に狂い出す。誰も予測していなかった方向でありながら、必然性を持って展開する手腕が見事。●その中でも、細かい演出の芸がいろいろあって、例えば、守衛のおじさんを解放した後に女性人質と一緒に外へ出るとき、鍵を開けるのにもたつくパチーノに対し、人質女性が「こうするのよ」みたいに動作で教える、さりげない一瞬。いろんな変化がちょっとした技で象徴的に表現されている。●ほとんどの舞台は、決して広くはない銀行店舗内と、その外のわずかな範囲なのに、それを感じさせず、しかも、登場人物の表情や行動や周囲の光景まで的確に切り取ったカメラの腕も特筆すべき。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-09-17 03:00:17) |
131.《ネタバレ》 気になっていたけれどやっと観る機会ができました。当時に社会的な問題になりつつあったベトナム帰還兵、性同一性障害者との同性結婚とそれに理解を示した聖職者の上位との対立、警官と群衆とメディア、サルに代表されるサイコパスなどいろいろな社会面を銀行強盗事件を通じて紹介したみたいな映画です。巡査部長はうまく事態をまるく収めたくてあらゆる取引に応じてみせるけれど、FBIは危険なサルを当初から排除の方針を固めていて最後にバスに乗せたときの一瞬の隙に額に小口径弾を一発で全て解決。当初の3人組が実行初期に一人脱落するけれど、それでも戻ってきて机の下に女性が隠れていることを教えたりと意外と義理堅い。ノンフィクションで主犯は20年の刑ですから制作時には刑期を終えていたようです。展開は面白いけれど何か拍子抜け。 【たいほう】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-26 16:25:49) |
《改行表示》130.《ネタバレ》 シドニー・ルメットは「正義」を希求した社会派監督であると共に、社会生活の中で打ちのめされた人々のカッコ悪い生き様や、反社会的な行為に引きずられながらもそのようにしか生きられなかった人々のヒーローでもアンチヒーローでもない有り様を執拗に描く監督です。『狼たちの午後』はその代表作と言えるでしょう。この作品のアル・パチーノは銀行強盗を犯し、マスコミから反社会的な象徴に祭り上げられるアンチヒーローでありながら、はっきり言ってあまりカッコよくない。銀行強盗を題材にした緊迫感溢れる心理劇か、バイオレンスアクションか、あるいは、アル・パチーノにゴッド・ファーザーばりの冷徹な役回りを期待すると完全に肩透かしを食います。邦題の過剰さがそのようなイメージを無駄に喚起させるのも罪作りと言えます。 シドニー・ルメットは、銀行強盗という非日常的光景の中にも人間的なためらいや怖れ、怯え、恥ずかしさなど、社会との関係性によってくるくると変わる犯人たちの達成感や挫折感を描きます。自分が社会の中でどう見られているのか、その視線を常に意識し、錯覚し、観念する。それは、ほとんどコメディのようです。役者としてはまさに「狼たち」とも言えるゴッドファーザーのコンビ、アル・パチーノとジョン・カザールがコミカルな犯人役を大仰に演じるという違和感にこそ、この映画の面白さがあるのだと僕は思います。 【onomichi】さん [ビデオ(字幕)] 10点(2011-05-31 22:14:38) (良:1票) |
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129.限られたシチュエーションと、乾いたタッチが魅力的です。なんか何度も観たくなる映画です。そして若いアル・パチーノがメチャクチャ格好良い。ジョン・カザールも本当に危ない奴に見えて良い演技。いかにも70年代のアメリカ映画って感じの、深い社会性のあるテーマや、皮肉みたいなのが込められていそうに思いますが、普通に映画として面白いです。それに加えてやはりアル・パチーノが格好良いので名作です。 【モンチョ】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-11-09 20:20:55) |
128.社会派サスペンスを撮らせたら天下一品のS・ルメット、またしても素晴らしい仕事をしている。うだるような白昼の雰囲気、キャラクターのだるさを、持ち前の都会的な感覚を活かしてしっかりと描写。犯人と人質が結託してゆく映画の元祖的存在だが、現在ではやや使い古されたネタという印象も強い。 【j-hitch】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-09-21 21:08:00) |
127.《ネタバレ》 犯人に意外と人間味があって、人質とのあいだに信頼感さえ生まれてくる。群がる野次馬は犯人をヒーロー扱いにし始める。犯罪映画にしては緊迫感がなく盛り上がりには欠けるが、実話をもとに人間の心理の一面を興味深くとらえた秀作。犯人のソニーがSONYのテレビを見るところは笑うところだったのかな? 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-08-01 22:19:43) |
126.《ネタバレ》 銀行強盗の実況中継です。「ゴッドファーザー」のゴールデンブラザーを共に演じたアル・パチーノとジョン・カザールが強盗犯。どこか妙に人間臭さのある主犯ソニーには同情を抱かされました。犯人がすごくスキだらけに見えたのは気のせいでしょうか。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-05-11 01:26:45) |
125.アルパチーノが大衆をあおるシーンはかっこよすぎて鳥肌がたった。強盗側の視点でビシビシ話にのめり込んでったが、中盤のゲイのくだりからおもしろさが失速したような。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-04-17 20:13:34) |
124.《ネタバレ》 ワルになりきることが出来ず、知恵もあるのに、何だかおっちょこちょいなソニーの性格からか、人質と犯人との間に信頼関係が構築されています。淡々としていますが、その分アル・パチーノの存在感が十分に引き立っていました。でも、前半は面白かったのに、後半にいくにつれてダルくなってきます。同性愛のくだりは余計に感じました。あと野次馬の群衆が、お祭り状態になってて楽しんでる所が、リアルっぽくて印象的でした。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-04-08 19:34:12) |
123.《ネタバレ》 ゲイの愛人の性転換費用のために銀行を襲うソニーとサルの二人は、本当に愚かで、心が折れそうなほど弱く、限りなく優しい人物だ。当時の腐敗しきった警察組織を相手に、「アッティカ!アッティカ!」と叫び(アッティカ刑務所で待遇改善を要求し暴動を起こした囚人たち数十名が殺害された事件)、一躍人気者になるソニー。ワイオミングを外国だと思い、肺癌になるのを畏れタバコを喫えないサル。そんな彼らに冷たい現実が押し寄せる。『ゴッドファーザー』とは対照的に、全身で感情を表現するアル・パチーノのベスト・アクト。早逝したジョン・カザールも忘れられない名演を残した。社会派シドニー・ルメット監督の傑作ドラマ。 【フライボーイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-07-19 22:17:43) |
122.《ネタバレ》 森達也の『A』は、オウム側から社会を見た映画ですが、この映画はそれの銀行強盗版ですね。メディアは面白おかしく彼らを取り上げるけど、彼らから見れば「お前らもよっぽどおかしいぜ」という感じなんでしょうか。過剰な人間ドラマもなく(日本じゃこんなの作れないよね)、キャラクター紹介も必要最低限。映画が進むにつれて主人公の人物像がやっとこさ見えてくる。人質たちも、見た目と仕草以外は殆ど情報がないけれど、それでも人となりがわかるようになっていて潔いですね。結局誰とも理解しあえなかった主人公が悲しいです。 【ゆうろう】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2009-05-11 20:31:01) |
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《改行表示》120.《ネタバレ》 ひたすら淡々として過ぎていく映画。凡人が銀行強盗をやってしまい、マスコミが祭り上げて後にも引けなくなり・・・といった、シュールでありながら現実的な映画。 強盗が不器用すぎて、そしてなんか周りの人質や警察もどこかずれているようでいて、現実はこんなものなのかもしれない。ある意味で「映画っぽくない」 そしてあっけなく迎えるラスト。あまりにあっけなさすぎて、いつの間にやら終わっていた感じ。 映画的な面白さはあまりない。でも実際の強盗はこんな何だろうなぁ。 【θ】さん [DVD(字幕)] 6点(2009-03-06 17:15:06) |