77.《ネタバレ》 タイトルは第一次大戦当時の「ジョニーよ銃をとれ」との志願兵募集のプロパガンダに対する痛烈な皮肉だという。事故や病気と違い、戦争は国家が起こす。国家が国民を守ってあげるかわりに、国民も命をかけて国家を守らなければならない、という論理が普通に説得力を持った時代にあって、忠誠を尽くしたその国家から想像を絶する苦痛を与えられた若者の悲劇である。DVDが安価で再販されたこともあり、本サイトのレビューに刺激され鑑賞に至ったが、こちらのレビューの印象が強烈だったためか、本編からの衝撃は予想したほどではなかった。それは顔や手足を失った主人公の姿そのものの描写が想像したより控えめだったからかもしれない。これは直接的な残酷描写をあえて控えることで、より本質的な残酷さを際立たせようとの意図だろうか。いずれにせよ、本作の主人公と比べれば、この地球上に存在するいかなる人間もまだ幸福といえるかもしれない。「死ねないのであれば、見せものにしてほしい」とは、悲しい人間の本質だと思う。なぜならどんな形であれ、他者に貢献することで人間は幸福を感じる生き物だから。戦争とは?国家とは?人権とは?人間の尊厳とは?様々に考えさせられる映画だった。 【田吾作】さん [DVD(吹替)] 8点(2012-10-29 15:13:07) |
76.ダルトン・トランボ渾身の一作です。公開当時ベトナム戦争は続いていました。戦争をニュース映像で知ることはあっても、別の世界の出来事に感じられたものです。この映画を見たときは戦慄が走りました。その後、戦争に対して以前のように無関心ではいられなくなりました。 【ジャッカルの目】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-09-02 20:55:00) |
75.「腕があれば自殺できる」、「脚があれば逃げられる」、「声があれば叫んで救いを求められる」。耳もない口もない鼻もないそして死にたくても死ねない、何もできない自分のこの怒りをどうすることもできないこの歯がゆさ、地獄すぎます。国為にしぬことはとても名誉なことではある。だけどもこの言葉を最後に聞くと絶望の淵に落とされるような感覚に落とされるのは自分だけか。 |
《改行表示》74.《ネタバレ》 反戦映画であることはもちろんのこと人にものが伝わらない、今自分がどういう状況に置かれているかわからない状態の恐怖や悲しさがこたえた。 そんな中での「MERRY CHRISTMAS」でガツンとやられた。 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-04 01:28:09) |
73.《ネタバレ》 反戦的な内容などという言葉で括られることが多い本作ですが、そんな言葉では到底覆えないような恐怖がギッシリ詰まった私のトラウマ製造映画です。想像の世界で生きるしか無くなったジョニーが、家族と恋人が自分を見世物として興業している悪夢を見る場面は本当に観ていて辛かった。またこの映画を観た後に原因不明の熱と吐き気に襲われたこともある意味でトラウマである理由の一つでした。勿論映画とは関係が無いですが、何か映画の内容と因果なものを感じましたね。 【民朗】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-01-21 20:39:39) |
72.《ネタバレ》 設定の強烈さでインパクトのアドバンテージが生じているような気はするのだが、しかし、その置かれた状況を余計な加工をせずに一直線に描き出している誠実な手法が、今日に至るまでの作品としての衝撃を維持している。「俺を見世物にしろ」という単純な一言があまりにも重い。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-01-01 02:10:21) |
71.メリークリスマスのあたりで目が覚めた。あんな状況で尊厳死が認められないのは想像を絶する生き地獄だわな。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-12-27 11:27:12) |
70.《ネタバレ》 2度観ていますが、正直あまり「いい映画」とは思えていません。実話が元になっているとのことですが、ざっと調べてみようとしても詳細がなく、一次大戦で四肢と耳目口を失い15年生きたイギリス将校がいたということしか分かりませんでした。もしかすると「そこまで負傷して生き続けた将校が実在した」ということ以外は全て作り話なのかもしれないという気もします。「ジョニーよ、銃を取れ」と志願兵を募った国と、それに乗せられた若者に対し「最悪こんな被害だってあるよ」と訴える意味では価値があると思いますが、この映画をして『反戦』というにはケースが希少すぎる気がします。「戦争がなぜいけないか」をとくと諭す内容ではなく、1つの個人的ケースでしかないと思います。例えば、交通事故で同じ状態の人という設定でも、ほとんど同じ話が作れますし、戦争云々より、医療上の人道問題が大きいと思います。で、その医療現場での話が実話に基づいているのかどうか分からないところが、どうも自分としては釈然としません。「こんな悲惨な人も生み出すから戦争は良くない」みたいな単純な切り方で力んでるのが好きになれません。むしろこういう映画を見て、非常に気分が冷めてしまうのは「こんなふうに視覚的にハッキリしてないと、たいていの人が無関心でしょ」と・・・つまり片腕や片足失ったぐらいじゃ・・・五体満足で戻ったけど後遺症で毎日ひどく痛むとか、心的に重く病んだとかぐらいじゃ・・・何の苦しみもなく瞬殺されたぐらいじゃ・・・・・・ま、そんなふうに思う僕がひねくれ者なんでしょうが。だいたい、主人公本人が銃を持って、知りもしない人を殺したり重傷を負わせるために出かけて行ったわけですから・・・彼がああなる前、どこの誰をどんだけ酷い目に遭わせてるか分かったもんではありません。治療手段や原因究明すらできない重症患者や、寝たきり老人などが、周囲に苦しみを訴えても「あ、また言ってるわ」くらいでスルーされてしまう非戦争地の日常だってかなり重くて苦しいのではないでしょうか??? そんな苦しみから自殺する人がいたって、死にたくても安楽死が認められない中で無理矢理生かされてる人がいたって、ほとんど世間に知れないし、誰もさほどのことは思わないくせに・・・って思ってしまうんです。ヒネクレもんですみません。 【だみお】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2011-08-30 19:23:40) |
《改行表示》69.どっしりと重たい映画。でも鑑賞していると、心が激しく揺さぶられる。 それは主人公に感情移入しているという単純なものではなく、 自分がこの立場になったら、また実際に彼を目の前にしたら、という、 無意識のうちに疑似体験に近い脳内変換をしていることにあるのだと思う。 そういう意味では、すごい反戦映画だよね。まさに心の叫びが画面から響いてくる作品。 【MAHITO】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2011-08-05 18:54:15) (良:1票) |
68.《ネタバレ》 妻投稿■いろんな意味で惨い映画であることは間違いない。この映画が描き出す恐怖は「もしこんな風になっちゃったらどうしよう」というものであり、その方針も間違ってはいないはずだ。■だが、私はその恐怖よりも大切な恐怖があると思う。それは「こういう人を前にして自分はどうするべきか」という恐怖と葛藤。それを医者や看護婦は体現仕切れていない。戦死者、戦傷者はこの映画を見れない。故にこの分野の映画の恐怖は、生きる者に向かうべきである。 【はち-ご=】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-06-26 07:06:02) |
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《改行表示》67.《ネタバレ》 正直、恐怖。 点数は0点でもあり10点でもある。 何か言える資格が僕には無い。 そして数日経って,少し冷静になってから。 ドナルドサザーランドとのやり取りの回想シーンなんかは 少しおもしろいかも。 なんというか、自分の状況を自覚したうえでの神様とのやりとり。 狂気じみているがユーモラスでもある。素敵なシーン。 【Pecco】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-03-20 22:18:58) |
《改行表示》66.《ネタバレ》 このストーリーはあまりに残酷だ。戦場で顔をすべてえぐられ、四肢を失い、何もできない状態で、しかし死ぬことすら許されずに生き続けなければならない地獄。正視できない。二度見る気には到底なれない。そのぐらい重く、そして強烈な作品だ。 ■ジョニーの生きがいはもはや「自分をさらしてそれを世間に知らしめること」にしかなりえなかった。なぜならそれしか彼にはできないから。だから「見世物にしろ」という、普通ならばあり得ないことを彼は望んだ。だが彼の夢の中の見世物小屋でもお金の音だけして観客が一人もいなかったように、結局彼はどこにも出ていけないし、彼自身本当はそれを望んでいないのだろう。 ■この映画は反戦映画として有名らしい。しかし、ジョニーの悲惨な状況をすべて戦争に結びつけるのはあまりに安易な気がする。確かに顔がえぐれたのは爆撃によるものだろうが、四肢は「治療が面倒だから切る」という医療現場の判断だし、ジョニーの最後の「殺してくれ」という悲痛な訴えが無視されて生かされるのは医学実験のためである。とすれば、本当の悲劇を引き起こしているのはむしろ医療の方であって、戦争のそれではない。「ジョニーの悲劇=戦争の悪」と短絡的にとらえて感傷に浸る(or戦争への嫌悪感を強める)のは、一見美しく素直に見えて、実は複雑で難しい現実を逃れて、わかりやすさ(「戦争=悪」というコードはあまりに分かりやすい)に逃げ込んでしまう怠惰さなのではないか。 【θ】さん [レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-08-21 00:23:41) |
65.二度と見る勇気が無いですが、ラストのジョニーの心の叫びと軍の幹部に対し怒りに満ちた表情で神父が放つ強烈な一言、そして「1914年以来戦死者8千万、戦傷者1億5千万、祖国に命を捧げることは美しく輝かしい」と淡々と数字を並べ数行の字幕で作品を締めくくるところに込められたダルトン・トランボの強烈な反戦のメッセージを忘れることは無いと思います。 【とらや】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-08-11 11:40:25) |
64.良いとか悪いとかではなく、非常に存在意義の大きな作品だと思います。ジョニーがとったコミュニケーションの手段、そしてそれが通じた時の感動は言葉では表せないものがあります。繰り返し見たくなる作品ではありません。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-20 21:38:24) |
63.《ネタバレ》 これは、この映画の監督からの怒り、ジョニーの怒りの映画だ!全てが正に怒りとなって胸に突き刺さる。戦争によって、足も手も顔も皆、人間とは思えないほどの無残な姿となってしまったジョニーの怒り、但し、その怒りを言葉によって大げさに叫んではいない。静かなまでの怒りがやがてあのラストへと繋がる。「祖国に命を捧げることは美しい」というテロップは戦争を引き起こし、自分をこんな無残な姿へと変えてしまった国に対する嫌味と感じることが出来るし、夢のシーンでの美しいカラーと現実のシーンのモノクロのシーンとの物凄いギャップによる恐ろしさ、全てが何とも怖くて、もう一度見ようて気分にはとてもなれない。しかし、間違いなくこの映画はそんじゃそこらの戦争映画にはない怒りが伝わってくると同時に人の命って何だろう?何もしてあげられない被害者の身内や恋人の苦しみ、刹那さ、そういったものがきちんと描かれている反戦映画として、また人間ドラマとして見応え十分、色んな意味で本当に悲しくも恐ろしい映画である。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2010-04-22 21:31:28) |
62.これは怖すぎる。強烈な印象を残す反戦映画。地獄だ。 【srprayer】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-23 20:16:00) |
《改行表示》61.《ネタバレ》 点数はとてもつけられないのであえて0点を選びました。 20年くらい前に見た映画ですがその時の強烈な印象は 今でも色褪せないです。 こんなむごい話があるだろうか。これは戦争というものの悲惨さを 書いた作品では無く、人としての尊厳そのものを書いたものだと思います。 両手両足を失い、見る、聞く、話す・・・すべてを奪われ、肉の塊と化したジョニーは 命を絶つことも、命乞いすることもできず。 感想なんて何も言えません。この映画をもう一度見ようと思える日が 来ないことだけは断言できます。 【MK】さん [ビデオ(字幕)] 0点(2009-10-04 16:25:55) |
《改行表示》60.《ネタバレ》 何度も見た映画ですが、今回は特に、世代による戦争に対する関わり方の違いを深く感じながら見ました。 戦争を賛美し、参戦を決めるのは、上の世代。だけども実際に戦争に送られ、死んだり、ジョニーのように傷ついたりするのは若者の世代。 こういった観点から見ても、なかなか考えさせられる映画でした。 平成26年7月8日 繰り返し見たい映画では無いので 点数のみ7→6 ※3 【rhforever】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2009-09-24 10:24:26) |
59.ジョニーと看護師さんのあの場面は……愛情と同情からのことでしょうけれど、何とも言えない気持ちになります。「エレファント・マン」で有名なJ・メリックのように、体のある部分だけは損傷を免れているというのがかえって残酷な気がします。クリスマスを恋人と過ごすために立ち去ろうとする彼女が、ジョニーを振り返って見る眼差しが忘れられません。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 8点(2009-06-29 01:08:38) (良:1票) |
58.親ですら戦争を知らない世代の私には、救いがなさすぎて何を感じればいいのかも伝わってきませんでした。 【色鉛筆】さん [地上波(字幕)] 4点(2009-02-22 22:58:14) |