1.《ネタバレ》 「園子温、嫌いやわ~」っていうのをわざわざお金払って時間かけて再確認しに行くという不毛な作業ね。
ドローンやステディカムを使った、風のように流れてゆく映像は良いです。死(あるいは時間)からの逃走を試みて駆ける少女をひたすら捉えてゆく、運動し続ける画。
だけど、映画はわりとすぐにこれが不条理劇である事が見えてきて、となるとその生も死もサスペンスも不確実な、不確定要素ばかりな世界だと悟り、つまりは何が起きたところで、それはそういう世界で閉じたモノなんだ、って事になっちゃうのでそれはそれであんまり面白くないなぁ、と。
実際「2人目と3人目」のエピソードに移行してからはどんどんと絵空事っぷりが加速していって、なんだかバカらしい映像が繋がってゆく感じに思えてしまって冷める冷める。
でも、むしろそのままラストシーンまで不条理劇で突っ走ってケムに巻いてくれた方が良かった気も。クライマックスでその不条理の理由をセリフで説明するという不粋な事をしてしまっているので、うっわー、ダサいわー、って感じになっちゃって。どんだけありがちよ?って話に堕ちちゃう。
そこにあるのはある種の悪意ですわな。女性という性を男の消費の対象にするな、っていうフェミニズムを「そういうパッケージング」をされた作品で打ち出してみせる、っていう。見に来たオタクに「オタク大嫌い」って冷や水浴びせた『THE END OF EVANGELION』みたいなモンで。
だけどこの作品の興味はどうにも前半の女子高生が無惨に殺されてゆく部分の方にあるようにしか見えません。大勢の女子高生が胴体真っ二つにされて血飛沫上げてるって画こそが見たい見せたいやりたい事だったんだよね?って(頻出するパンチラはさすがにあざとすぎてわざとらしいですが)。
となるとなんだか自虐的な、言い訳がましい映画のように思えちゃって。「お前が言うな!」ってツッコミ待ちな映画って事かしら?
トリンドル玲奈は可愛らしく撮れておりますが、篠田麻里子は「アイドルも歳を取るんだよ」みたいな撮り方で、そこら辺もその悪意の中の1つって事なのかな?と。
そりゃ舞台挨拶見に来たオタクの方々と舞台上の女優さん達との間に微妙な空気も流れるってモンですわ。上映後の舞台挨拶だったのですが「もう1回2回と見にきてください」って言われた後の気まずさと来たら(苦笑)
あ、私はチケットがダダ余りしてたのでどんなモンなんざんしょ?って取っただけで誰のファンとか全く一切無くてそもそもこのトシでアイドルとか無いわ~って状態なのであくまで蚊帳の外の存在ですからね。そこんとこハッキリさせとかないと(言い訳)。
ヤなモン見ちゃった感じで、いい加減そろそろこの監督の映画にお金払うのやめたいわねぇ・・・。