1.《ネタバレ》 昭和の時代って、実際の政治事件を扱った社会派ものから、荒唐無稽なスパイものやら、パニックものまで政治を扱った映画で面白い作品がたくさんあった。
また、昭和の時代はどんな権力者でも批判されてあたりまえであって、多くの映画の題材にもなり、いかにも悪い権力者、理想的な権力者も描かれた。
また、そういう作品を観て政治の世界、権力者のあり方というものを知ったものだ。
過去の映画でも、新聞記者が特ダネを握りつぶされるという描写はよくあるのだが、最近ではそういう描写すら自粛されているのではないかという危惧がある。
最近では犯罪サスペンス映画で本筋とあまり関係ない政治批判的な描写を入れたり、
全く架空の怪獣映画で官邸を風刺してみたり、
領土問題で全く架空の政権を登場させるといった方法でしか、政治を扱う映画が作れないのだろうかと思っていたら、
まさに直球ストレートな作品が登場したことに賛辞を送りたい。
かなりリアリティを感じる新聞社のオフィスに対して、内調の職場風景はやりすぎなぐらい架空なのだが(まるで秘密基地である)、
扱っている内容は現在進行形で起こっているであろうことである。
そしてあの問題の核心が出た時に、この映画の中の政権がいかに危険な考えを持っているか納得した。
(フィクションの中の政権と一応断っておきます)
メディアの報道のされ方、それに対するネットでの反応などで、ここ数年疑問に思ってきたことが、かなりの部分納得させられるものがあった。
最近、自分は政治について発言するのも怖いという感覚があるのだが、極端な話、メディアが統制されていけば隣の北の国のような大本営発表的な報道しかされないようになる。(あくまで極端な仮定です)
それは民主主義国家ではないことは、隣の国を見れば明白である。
そんな妄想にまで至りましたが、この「フィクション映画」を観て、多くの人が考えてほしい。