64.《ネタバレ》 個人的にはかなり好きな作品です(フーパーですから)。
これまた、どこか独特な印象を残す作品だ。
そのひとつにトビーフーパー独特の人物描写にあるのかもしれない。
登場人物がとてもリアルに面白く描かれていると思う。
だから僕は人物同士のやり取りを観ているだけでも面白い。
椅子が机の上に乗っかったのを驚く母親のリアクション、
椅子が動いたときの父親の驚いた表情、それをみて喜んで飛び跳ねる母、そういった人物の表情がとても面白い。
庭の工事現場のおっちゃんと長女とのやり取りも見事だ。何度観ても笑っちゃう!
霊能者も変な感じが出ていた。
少女の飼っていた小鳥が死んで、その死んだ小鳥の扱い方も良く描かれていたと思う。
またフーパー独特の感じがこの家の「だらしなさ」として表れているのかもしれない。
夜中にテレビがついていたり、転寝してたり、ポテチを食べながら寝ちゃっていたり、
それは一見普通なのかもしれないが、僕はこの「だらしなさ」が面白いと思いました。
朝ごはんを食べる場面でも、人間臭い生活感みたいなのがにじみ出ていたように思う。
研究者の助手みたいな人が、台所で食べ物を探して肉を調理しようとするあたりは一番フーパーらしい場面だと思う。
あの台所のシーンは大好き。
「木」も変な感じが出ていた。
でもあの眩しい「白い光」はスピルバーグ側によるものかもしれない(「ET」とか「未知との遭遇」のようなSF的な光)。
そういう部分がこの作品にファンタジーよりの神秘的な印象をあたえているのかもしれない。
でもスピルバーグとトビーフーパーは全く面白い組み合わせだと思う。
後半はもう棺桶パニック!棺桶の逆襲です!
幽霊とかに鬼気迫る感じはないが、しかしこの幽霊は子供が懐くオバケの印象なのかもしれない。ゴーストとか絵本の中にいそうじゃん。
だから子供に観て欲しいホラー映画だと思います。
部屋の置物やベッドが物置に吸い込まれてゆく場面は個人的に名場面だ。
家の中が歪んで見えたり、木がとても怖かったり、それは子供の世界なのかも。
とても不思議な印象を残す作品でした。
《友人はこの作品を「中途半端!」といいますが、僕は「好きなの!」と言い張ってます。》
この作品はね、ホラー映画の中でちょっと変な存在感を放っているの。