【Yoshi】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2008-06-17 12:07:23) |
29.すごく自然に流れるような二人の感情の変化、繊細な心の動きが手に取るようで、じんわりとくる。でも無駄なシーンにみえるところがいくつもあって、個人的には少し退屈だった。ペーパームーンにテーマ的に酷似しているのは痛い。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-04-18 01:10:07) |
28.《ネタバレ》 アメリカでのヴィンターの写真には、人の姿がなくただの風景画。そこには彼自身の思いも存在もなく、ただ自分が「それを見たという証拠をとり続けている行為」だけでしたが、アリスと出会い彼女と行動を共にする中で最後には人や自分を映すようになった。その行為は前のそれとは違い、「その場所で人と触れ合い彼の思いが存在した証拠」になっていてその違いは大きいような気がしました。大事なのは身体的な移動の旅より、精神的な移動の旅。そういった面でもアメリカでの一人旅よりアリスとの旅の方がずっと意味があり、彼を変えたのは綺麗な景色でも美しい音楽でもなく、非人間的なテレビを見て育った一人の少女だったのではないでしょうか。 【ちゃじじ】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-03-04 16:14:28) (良:1票) |
《改行表示》27.《ネタバレ》 ヴィム・ヴェンダースの「ロードムービー三部作」の一作目にあたる作品。 全編モノクロ画像。 主人公がひたすらさすらい行くお話で、道中、少女を連れた女性と出会い、その女性と一夜を共にし、夜が明けてみるとその女性はおらず、仕方なく主人公はその少女と旅を続ける・・・という展開。 この物語における主人公の、「ちゅうぶらりんな精神状態の中での癒しの旅」みたいな設定が、その時の私の精神状態と酷似していた。 それと、主人公が31歳ってのもあり、思わず映画の中の主人公に自分を投影してしまった。 ロードムービーでその主人公に自分が投影された時・・・ まるで自分の分身が、映画の中でその時を体感している様な感覚に襲われたのだ。 あと、撮影監督が『ダウン・バイ・ロー』の「ロビー・ミューラー」ということで、これもばっちりツボ。 なんか話が出来すぎの感は否めないストーリー展開ではあったが、それを補って余りあるほどの素晴らしいロードムービーであった。 【にじばぶ】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2007-09-01 20:23:06) |
26.静かな映画ですが、見終わった後に噛み締めるような感動があって、日を追うごとに好きになっていきました。とっても愛らしい映画です。 |
25.音楽がよかった。子役もやたらと愛らしいです。写真を撮るシーン、ギャロのバッファローにもあるけど、都会のアリスへのオマージュだったんだなぁと。 【アンダルシア】さん [DVD(字幕)] 6点(2006-11-29 18:39:02) |
24.この作品と「ペーパー・ムーン」を比較している人が何人かいるけど、私も「ペーパー・ムーン」よりも、この方が好きです。この作品の監督でもあるヴィム・ヴェンダース監督って「パリ・テキサス」を観ても感じるけど、ロードムービーを撮るのが本当に上手いと思う。小津監督を尊敬しているというだけあって、どことなく小津監督の世界に通じるものがあります。少ない台詞と何気ない会話の中に見える二人の表情、それを映し出すカメラワーク、流石は小津監督を尊敬していることだけはあると思えるぐらい、淡々とした話を無駄な台詞と無駄にカメラを動かさずに見せる。モノクロの映像と美しく心地の良い音楽が味わい深さをより強くしている感があって、一度観たらいつまでも心に残りそうなぐらいです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-09-16 20:58:41) |
《改行表示》23.すごくドラマチックな出来事が起きるわけではないんだけど、このほんの数日間が二人の人生にとって特別な時間になることがわかる。無気力で弱い中年男と、身勝手な母親にふりまわされる少女の間に、不思議なくらいに深い共感が絆をつなぐ。アリスが連続写真を眺める場面はいい。似たようなエピソードは他の映画でもあるけど、この映画が一番無垢で、嘘がなかった。冒頭は色彩に欠ける寒々としたモノクロだと思ったが、後半になると白い日差しが中心になった温かいモノクロになる。心にしみわたるような、やわらかくて淡い光がある。 また、アリス役のイエラ・ロットレンダーがすごく魅力的な空気を持っていた。気が強くてわがままで、でも寂しがりやで健気。無邪気で可愛らしく、だけど微かに女性を感じさせる微妙な年頃でもある。とても美しい子だと思った。フィルが守ってあげたくなるのもわかる。 優しく、素敵な作品だ。この映画には川原で拾ったきれいな石のような、素朴で手のひらに馴染む柔らかな美しさがある。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-03-17 15:34:49) (良:1票) |
22.“都会の”アリスが着ているジャンパーの“ALASKA”の文字がいいですね~。アメリカ、オランダ、ドイツ、中国語のような音楽が流れる店、イタリア人が住んでいる家。場所にいくら自分を刻みつけようとしても写真は現実のように写りません。どこにいてもどこにもいない彼がようやく出会った存在の場所、アリス。お母さん、おばあちゃんと男の臭いが全くなかったアリスが初めて出会った男、ウィンター。アリスが撮ったウィンターの写真にアリスが反射して写りこむショットの2人の重なりは爽快です。その後、ジュークボックスの少年や自転車に乗っている少年を見つめるアリスの視線もいい。存在すべきは場所ではないことを確認するように、ウィンターが再びインスタントカメラを手にしたのは船の上、ラストは当然のように列車の中。転石は苔むしたのでした。 【彦馬】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-11-22 13:21:58) |
21.何より車が印象的だった。単に乗り物としてだけでなく、プライベートな空間としての魅力が、このロード・ムービーを観てすごく感じた。 【michell】さん [映画館(字幕)] 6点(2005-08-25 22:20:09) |
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20.これほど台詞が少なく、そして台詞をあまり必要としない映画は始めて観た。この映画は穏やかで美しい音楽や二人の息のあった素晴らしい演技や、数々の綺麗な風景など、台詞以外の部分がとても鮮麗されていて思わず見惚れてしまった。そしてストーリーは有りがちな設定だけど、その馴染みやすい平凡なストーリーは食い入るように観れてしまった。その中でも二人で取った証明写真をアリスが見つめ、笑顔になり、そして女の子らしい格好になったあの場面は、少女の“恋”の芽生えを美しく、そして繊細に描いていた。あの場面は、僕の一番のお気に入りのシーンです。そしてその後の展開は切なさがドッと込み上げてきた。大げさに言えば、片想いの恋をしている時の切なさになんとなく似ている。それほどラストは切な過ぎで、胸が苦しくなる。今も苦しい。この苦しさが消えるのに何日かかるかな?あぁ~苦しい・・・ 【ボビー】さん 10点(2004-09-28 22:57:13) (良:2票) |
19.物語は結末も含めてありがちな設定である。しかし、観ていて飽きない。なぜか?それはこの映画が独特の雰囲気を持っているからである。その雰囲気とはどういうものか、それは私にとってとても曖昧なものである。上空からの眺め、ケーブルカー(?)、車から見えるドイツの街並、フェリーと水面、そういった風景群が体の中にスッと入ってくるとでも言おうか。言葉では説明しづらい。確実に言えることは、私はこの映画に対してとても素直な気持ちでいれるということである。個人的に時間をおいてまた観直す必要有。 【はざま職人】さん 7点(2004-09-02 23:22:13) (良:1票) |
18.ヴィムベンダースの映画には自然な時間の流れが存在する。風景画に時間軸をプラスした感じだ。固定されたカメラ、街を見下ろすようなカメラワークはかつて風景画家であった(?)ベンダースの感性がいかんなく発揮されている。どこをどう切ってもベンダース。緋文字のトラウマから抜け出した、完全復活の作品。それと、アリスが可愛すぎ。食べちゃうぞぅ(≧д≦;)幼いアリスに振り回される男が、なんとなく「あの」映画にインスピレーションを与えているような・・・? 【神風】さん 8点(2004-08-24 18:06:55) |
17.ペーパー・ムーンと比較される事が多いけど、私はこっちの方がずっと好きです。なんか、この映画の方がロード・ムービーとしての魅力があるんです。なによりもアリス役のイェラ・ロットレンダーがわがままでませていて、それでいて哲学的な事も言っていて、とても魅力的でした。ラストは少し哀しくもあるけど、「レインマン」みたいで良かったです。ラストの二人の成長ぶりがペーパー・ムーンと差別化を図りつつ、旅の終わりとしてとても印象深いものになっていました。 【マイカルシネマ】さん [DVD(字幕)] 10点(2004-07-30 16:51:05) |
16.船の上、幼い娘を抱えて鼻歌を口ずさむ母親、その娘と見つめ合い微笑むアリス、風になびく髪の毛、カメラを構えるフィリップ。他には何もいらない。もうそれだけで、この心は幸せに満ちあふれるんだ。なんとも健気で、なんとも無垢で、なんとも切ない。これは恋を恋と気付く前の少女の恋だろう。白と黒の映像、口少なげな台詞、優しいメロディ。あったけぇ。その全てがゆっくり胸に染み込んでくる。壮大な風景への開放感と離れ行く列車への寂しさが混在するラストシーンは、恐らく映画史上最も美しい。レンタカー、安レストラン、空港のトイレ、電車がうるさいホテル、証明写真、日光浴の公園...。何気ない光景たちがアルバムのように記憶に残る。きっと大人になったアリスの胸の中で、何より大切なものとして輝くのでしょう。 【紅蓮天国】さん 9点(2004-05-25 22:53:42) (良:1票) |
《改行表示》15.彼の望む『風景』はファインダーを覗き込んだ瞬間に逃げてゆく。其れは、彼自身の現状から逃げ出したい、離れたいと云う願望の現れか..。或いは、自己の存在を確認する術か..。迷うペン先が触れるのは、アメリカの現況ではなく消えかけた足跡なのかも知れない。「キレイな写真ね、空っぽで」少女の無垢な瞳が裏付ける。そして、その言葉の主もまた、“何か”が欠落している。 故郷に帰る事を決心し向かう空港、そこで出逢った母子。此処で波線は徐々に繋がりを求めて伸び始める ― どこかに忘れてきたのか、それとも完全に壊してしまったのか…空っぽ同士(“LOST SOUL”)の自分を修復する、あてどない旅路の始まり。 少女と青年は、お互いを『他人』の枠で囲い、根無し草の如く彷徨い始める。やがて、紡がれ始める絆は綻んだ傷口を覆うものとなり、2人に変化が訪れる。露出オーバーの背景に彼らの影は一層薄く..だが、確実に繋がった絆は切れる事無く存在し。孤独もまた密かに付き従う。そして、突如訪れる旅の終わり…“自分探しの旅”は彼らの中では、終演を迎えることはない…。 アンチ・クライマックスを感じさせる俯瞰の映像に、観る側は平穏と不安を同時に憶える。其の線上に、予定させる結末を霞ませる程に。 【MAZE】さん 9点(2004-05-23 21:04:26) |
14.これマジいいよ。いやマジで。もーね、泣いてもうたよ。それも、ドワーッじゃなくてジワーッてくる感じで。アリスとフィリップが、なんか観てて、ホノボノしてるんだけど、なぜかせつなくてジワーッてくる。んで観終われば、感動でまたジワーッてくる。思い出して、あったかい気持ちになって、またまたジワーッてくるねん。都会暮らしの孤独に疲れ果てたフィリップが、アリスと過ごすうちに徐々に癒されていくねんけど、ついでに観てる俺らも癒されるてまうそんな映画。最初は、白黒やし退屈な映画かなって思ったけど、まったく退屈じゃなかったよ。二人のコンビ、ズーッと見てたいって気持ちで逆に終わるのがおしいくらいやった。ちなみに俺が好きな場面は、二人で泳ぎなら相手をののしるシーン。笑い泣きしてもーたよ。都会の暮らしに疲れ果てた人には特にオススメな映画です。 【なにわ君】さん 10点(2004-05-11 15:43:49) (良:1票) |
13.都会に毒された男が少女と旅をするうちに癒されていく、という感じだろうか。ヴェンダースのロードムービー三部作の一作目。ヴェンダース映画の子供達は皆純粋で愛らしいが今作のアリスは格別である。おとなぶってもやっぱり子供でそこがなんとも可愛らしいのだが、時々ドキッとするような表情をする。ひたすらに移動していく景色とアリスの表情でこの映画の大半を語っている。ヴェンダースにとって子供というのは天使のような存在なのだろう。大人が子供に触れることで大人も浄化されるのである。つまりこれも人間肯定映画なのだと思う。 【R&A】さん 8点(2004-02-19 13:08:17) |
12.淡々と続いてゆくロード・ムービー。だけどとても心地よい。気楽な一人旅からひょんな事から9歳の少女との旅が始まる。はじめの頃少女がポラロイドでフィリップを写し、“これがあなたの顔よ”と見せた時写ってたのは憂鬱そうな寂しそうな表情をした彼だった。それが少女との旅によってだんだんと彼の表情にも輝きが出てくる。海水浴のシーンは二人ともとても楽しそうだった。少女役のイェラ・ロッドレンダーが又とても良い。わがままで、気まぐれで、子供らしくなくて、だけどとても魅力的。帰りの列車のシーンが特に好き。この旅は二人のこれからの生き方を大きく変えてゆくのだろう・・・。 【fujico】さん 8点(2004-02-04 14:05:43) (良:1票) |
【STYX21】さん 7点(2003-12-04 22:53:21) |