10.ナレーションは戦争のこともナチスのことも語らない。レネの短編映画『ヴァン・ゴッホ』や『ゴーギャン』がナレーションではゴッホとゴーギャンの表面的な事象しか語らずに彼らの内面に迫ったように。そしてゴッホの絵画、ゴーギャンの絵画のモンタージュでゴッホ、ゴーギャンその人物を浮かび上がらせたように、ひたすらアウシュビッツの残酷な記録の断片を紡ぐ。そのモンタージュ効果によっておぞましきイメージを浮き上がらせ、さらに現在のアウシュビッツを映すことで風化させてはいけないという明確なメッセージを発している。ただのドキュメンタリーではない。映される映像とそこに被される言葉の巧みなコラボレーションのほうにもぜひ目を向けていただきたい。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2006-09-25 13:43:44) (良:1票) |
《改行表示》9.これは、ナチによる凄惨なホロコーストを題材にした、優れたドキュメンタリー映画なのだけれど、僕はむしろそこに収められている内容そのもの、というよりむしろ、製作者がホロコーストという「事件」の悲惨さ、残酷さ、そこから立ち上る感情とか匂いとか、そういうものを何とかフィルムに収めようという「気迫」に圧倒され、感動した。その意味でこの作品は「ドキュメンタリー」である前にまず「映画」である、と思う。 【ぐるぐる】さん 8点(2005-02-16 15:29:23) |
8.ホロコーストの残酷さの資料としてのものであって、映画として見るべきかどうかとなると疑問が残る。確かにインパクトはありまくり。それと、音楽が終始流れ続けて、しかも合ってない。評価が難しいので5点。 【アルテマ温泉】さん 5点(2004-12-25 17:29:36) |
7.皮と骨になった彼らが処分する場所に困り穴に放り込まれたり、ブルドーザーで乱暴に片付けられる様子を見たら、殺されたユダヤ人たちの人情や人格、生活が鮮明に偲ばれました。ユダヤ人虐殺の映画は幾つか観てきました。でも、そのどれもがメインは9000000人の虐殺されたユダヤ人ではなく、シンドラーだったりピアニストだったりロベルトベニーニだったわけです。そんなドラマなんかよりも、夜と霧の32分間は9000000人のユダヤ人の人としての存在が痛烈に伝わってきます。それは今までの映画には出来なかったこと。この映画の価値はここにあると思います。お粗末な編集も変に美化したり残酷さを増したりせず32分という短い尺もくどくなくなかなか秀逸。映画もやはり時代と共に古くなっていくのですねぇ。 |
6.残酷な映像が力を持つことは確かだけど、映画それ自体はさほど優れているとは思わない。衝撃を与えているのは映画の作り手の力じゃなく、真実の力のほうでしょう。資料としての価値はあっても、映画としてはたいしたことない。踏み込んだ考察があるわけでもなく、編集も普通のドキュメンタリー。内容が内容だから事実の重みに何もいえない雰囲気がありますが、ドキュメンタリー映画としてのできはどうなんでしょうか? 【no one】さん 5点(2004-02-25 04:31:44) |
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5.面白いか否かというのは違うのでとりあえずこの点。頭の無い身体、身体の無い頭、薪と死体が交互に組んで焼く、大量の死体をブルドーザーで穴に押し込む。収容所に強制連行されたユダヤ人達がどんな気持ちで殺されるまでの日々を過ごしたのか考えると、悲惨だなんて言葉で表現もできない。あれだけの残虐非道な行為を実行したカボ達、上の命令だからしょうがないと言ってのける後半でちらりと出てくる罪悪感の無い表情が一番気分悪かった。当時の映像と写真、現在の映像、ナレーションの組み合わせ。 【スルフィスタ】さん 9点(2004-01-20 23:34:15) |
4.ホロコースト物のドキュメンタリー映画。タイトルを見ただけで数年前にBSで見た内容を鮮明に思い出しました。それほど印象強い作品だと思います。 |
3.今作の題名になった、ヴィクトール・E・フランクル著による、アウシュヴィッツでの実体験と、心理学者となった今の視点で記された「夜と霧」を読んだ後に見ました。32分という短い記録映画ですが、ホロコーストの実態を知るには十分です。目を逸らしたくなる映像は、生涯忘れることの出来ないほどに衝撃で、戦争の惨さついて深く考えさせられます・・・。とにかく、二度と繰り返されないことを、心から願うばかりです・・・。 【sirou92】さん 9点(2003-10-14 19:03:45) |
2.ドキュメンタリーだからというのもあるけど、内容と比べて音楽が軽い感じでつけられてるのは、やっぱり思うんだけど、例えば人が一人死にました、って聞くと、その人一人分の悲しみが自分に襲いかかってくるけど、人が100万人死にました、て聞いたら、100万倍の悲しみが襲ってくるんじゃなくて、むしろ「あ、そうですか、、、、」ていう感じなのね。要するに、もうなんか超越しちゃってるんだよね、、、。これ、もうほんとになく子も黙るあまりにもすごい映像なんだけど、僕の許容範囲を超えて、悲しいとかいう感情を超越してて、もはや唖然ていうかそんな感じなのね。すごすぎて。だからこの映像の前では、もはや僕みたいなのがどうのこうの言う事もできないっていうのかな、言葉も非力で、一応8点をつけるけど、そういう点数をつけますとかいうそういう次元も超えちゃってるよね、、、。だけど、一生網膜に焼き付いて離れないだろうね、これは。 【あろえりーな】さん 8点(2003-07-04 23:11:23) (良:1票) |
1.アウシュビッツの「現在」と「当時」を織りまぜて、淡々と進みます。で、その同じ流れのまま、映像は突然、凄絶な死体の山を映し出し、やっぱり静かに映画は終わっていきます。衝撃的です。事件自体は「過去」に起きたものであっても、その記憶は「現在進行形」、なんですね。かつてナチに抵抗した作曲家アイスラーが音楽を担当しています。 【鱗歌】さん 9点(2003-06-06 17:05:08) |