41.B・ウィリス=DIE HARDという図式が
どうしても外せないのはB・ウィリス本人が一番分かってる筈なのに
こういった刑事サスペンスものに次々と出てしまうのだから
余程バカなのか自信があるのかのどちらかだ。
本作も例に洩れず忘れようと思っても観客の思考は
常にDIE HARD的アクションをB・ウィリスに期待してしまう。
特に冒頭のボサボサグジャグジャのヤンキーな交渉人姿をエピソードとして
観客の脳裏に焼き付けておきながら現赴任先(左遷先か?)の僻地の署長姿を
まさに唐突にDIE HARDそのものの出で立ちにクラスチェンジ(?)しているのだ。
これを見せ付けられた時点で観客は『よ~し!来たぞぉ~!!』と
DIE HARDモードに突入していると言うのに『あれ!?あれれ!?』
という違和感と虚脱感に徐々に侵されてそのギャップに拒否反応を示し
作品をどんなにホラーやクライム、はたまたサイコで脚色し演出しようとも
負のイメージしか生まれてこない。
むしろテーマを盛り込みすぎて風呂敷を広げ過ぎてしまった感があり
どのような収拾をつけ幕引きを迎えるのかという
嫌悪感からの興味が増すばかりだった。
今更ストレートなネゴシエートサスペンスを見せたのでは近年、
客に飽きられてる感もあり敢えて承知の上でこの様なテンコ盛りの脚本と
演出方法に着地してしまったのであろうが過分に食傷を来たした。
現実に親娘共演を果たしたB・ウィリス
(母デミ・ムーア似の長女ルーマー・ウィリスが娘役で初共演)
本人も製作に携わっていながら心中では察していたのではないか?
そんな印象を強く受けた作品だ。