77.《ネタバレ》 夕べ遅くに放送していて何気なく観始めたのだけど、途中で夢の中にもいかなかったしやめられなくなってしまいました。その理由はひとえにどんなラストが用意されているのか、コレです。「コハカスガイ」みたいななーんとなくホっとする状況もあるにはあったけど、あの一家のその後が色々と勝手に想像できるような終わり方がよいですね。そうそう、ヴィゴ・モーテンセンがスティーヴン・セガール並みの強さなのよ(笑)身に危険が及ぶと体が自然に動いちゃう、まさに軍隊とかCIAあたりで特殊な訓練受けたとしか思えないような身のこなしだ。なんていったらいいんだろ、家族との現在はかなりシリアス。でも過去が絡む、彷彿とさせるシーンになるとそこはかとなくコメディの匂いがしました。ヴィゴ・モーテンセン、エド・ハリス、ウィリアム・ハート、実に相性いいですねぇ。「指環の物語シリーズ」に出てきたモーテンセンに、「海賊になったジョニー」の次に驚きとショックを受けた私としては、うれしい作品でした。う~~ん、人ごとだからこんな事が言えると思うんですけど・・・ムチャクチャ頼りになる夫、父じゃないですかぁ、奥さんの心情描写があんまり好きじゃなかったです。女じゃないんだもん、結構ヘヴィなセックスシーンもあったというのに女を感じなかったですよ?なんか男みたいだった(笑)あの女優さん、ずっと前ERで女医さん役やってた人よね? 【envy】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-04-09 11:43:30) (良:1票) |
76.ヤバイ。久々にしびれる映画だった。ストーリーがどうこういう問題じゃなくて、単純に見て気持ちの奥底の何かを揺すられる感じがした。相変わらずクローネンバーグ監督は間・音楽・色とかの使い方は抜群に上手い。デッドゾーン以来のクリーンヒットかな。自分で脚本を書かずに監督に専念すると絶品になるというのが、この監督の不思議なところ… 【5454】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-16 00:57:54) (良:1票) |
【一番星☆桃太郎】さん [DVD(吹替)] 10点(2006-12-31 13:19:29) (笑:1票) |
74.ありふれたアクション映画やコミックになりかねないネタを、抑えた表現であえて暴力の否定へと繋げる手法は秀逸。普通ならヒーロー役であるはずの主人公の振るう暴力に爽快感のかけらもなく、敵と同類の邪悪として描かれている。 また、(変な下心抜きに)セックスの場面がよかったと思う。上手くいえないが、なんというかあの描写があったからこそ、この夫婦の存在が厚みを持った人間として浮かび上がってくるのだと思う。男性サービスの意図はまったくなく、夫婦の愛情や、一言では言い表せない複雑な心の機微を巧みに表現していた。心理描写として意味のある性描写だ。 家族関係にリアリティがあるので、荒唐無稽な設定や展開もあまり気にならずに観ることができる。暴力シーンも厳密にいえばリアルではないのだが、もっともらしく感じられた。クローネンバーグ監督の手腕が、作品に強い説得力を与えている。 【no one】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-10-26 18:18:10) (良:1票) |
73.《ネタバレ》 特に深い話ではないのだけれど、刺激的な描写が多くて飽きませんよ。冒頭のじっくり長回しで穏やかな雰囲気を作っておいて、グチャッといく所なんてうまいですね。昔すごく悪かったんだよ、と自慢したくなる過去が欲しい男の心理。それを、うまくついてるなと思いました。カフェの主人が暴力のプロ達をぎったんぎったんに懲らしめててしまうんだもの。それはもう、強いのなんのって。 【チューン】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-05-23 20:10:56) (良:1票) |
72.《ネタバレ》 バイオレンスもの好きとしては外せない映画が来た。流血するシーンとか残酷な描写があるという風に聞いていたが、パクチャヌク監督好きの自分にとっては別に何ともなかった。それより一番最初のモーテルをただ横移動するシーンが一番はかりしれない恐ろしさがあった。何か不吉な事が起きているけど、それが何かが分からない、というか多分推測できるけどその推測がいやだ。という導入部。その後はそれほどショッキングな事もなく、むしろヴィゴ・モーテンセンの淡々とした演技で静かに進んでいく映画だった。ただ今から人を殺す時にふっと風が吹いて空気が揺らいで、ヴィゴの瞳の色が一瞬変わるのだがそれを見た時にぞくっとした。静かに来たるべき時を待つ、楽しんでるのか悲しんでるのか見抜けない、何とも言えない瞳の表情。こういう目をする時って確かにある。そういう演技をしてみせるヴィゴという役者はすごいと思った。全体としては短めで欲張り過ぎない、きりっと引き締まったシンプルな映画なのも良かったと思う。佳作だと思う 【さば】さん [映画館(字幕)] 8点(2006-04-28 22:12:46) (良:1票) |
71.食前酒は深紅のネグローニ。カンパリ特有のピリッとした苦味が舌を刺す。それからうって変わってまったりとしたニョッキのポタージュがやってきた。食べごたえ十分の、ホッとする家庭的な味。だが一緒に出てきたビーツと赤ピーマンのサラダが、熾火のような紅をチラチラと自己主張して目に痛い。その後に巨大な巨大なステーキが来た。席に着く前からレアステーキだとはわかっていたが、これが実際に目の前に置かれると途方もないコッテリ感だ。ふうふう言いながら食べ終わるが、これでメインディッシュは終わりではない。仔牛のテールシチューがやってきた。デミグラスソースの複雑な香りに、ひとつまみ置かれた血のようなパプリカ。ひとさじ口へ運ぶと濃厚な酸味が食欲を奮い立たせる。もうこれ以上こってり系は食べられない。もう無理だ。絶対に食えないよ…などと思いつつ、気がつくと平らげていた。何という恐ろしいシェフだ。容赦なく客を肉責めにするとは…そう思っているうちにやってきたデザートの抹茶アイス。甘みを抑えた脂肪たっぷりのアイスクリームに、手摘みの玉露を挽いた抹茶の苦味が加わって、それまでの胸焼けが消えていく。決して爽やかな後味ではないのに、味わうほどに奥深い甘みを感じる。食べながらいつの間にか泣いていた。周囲の席でもかなりの人が泣いていた。いまこれを打ちながら、舌に残っているのは最後のデザートの心地よさだけだ。ここのシェフは普段ゲテモノばっかり出してくるが、ちゃんとしたディナーを作るとそこらのレストランでは太刀打ちできないモノを出してくるのが、自分が通い続けている理由だろう…でも今晩はもう、お腹いっぱいです。しばらく肉はいらないや。 【エスねこ】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-28 21:10:09) (良:1票) |
70.戦慄の映画である。一見、ひねりのない平凡な映画に見えるが、同時にこんな映画は見たことがないかもという不思議な感覚がある。この手の映画はふつう、傾く。暴力を映画で扱いきれず、奇抜な脚本とか編集あるいは特殊な映像表現という、いらん飾りをつけてしまう。そうすることで暴力の危ういバランス感覚がどこかへいってしまう。だがこの映画は暴力をスタイリッシュという文法に乗せないで、極めてシリアスに扱っている。スタイリッシュ暴力はそのほとんどが「痛み」感覚を追求しており、映画でしか味わえない暴力体験を擬似的に与えようとする。しかしヒストリー・オブ・バイオレンスはそんなに甘くない。痛いじゃ済まない。そもそも痛みは猶予でもある。痛がる前にもう死んでるのがこの映画。そして素早いカット割りで無駄のない殺しを実行するヴィゴ・モーテンセンの目にこそ暴力の本質が現れるのである。そしてバイオレンスとくればセックスという安易な発想から逃れた、バイオレンスの地続きとしてのセックスがあの階段でのシーンとなり、観る側の血を凍りつかせる。ラストは、暴力というバランスの危うさに傾き堕ちることを免れたこの映画だからこそ到達できた屈指の名シーンだと思う。この映画を見てしまうと、あれほど面白いと思った「オールドボーイ」や「ファイトクラブ」が単なる曲芸のように見えてしまうのだから恐ろしい。 【Qfwfq】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-04-11 12:26:41) (良:1票) |
69.《ネタバレ》 良くも悪くも淡々とした映画に感じた。15禁ということもあって、もっと激しい展開なのかと思いきや、ストーリー自体はあまりバイオレンスでなかった気がする(※映像としてバイオレンスではあったが)。トムは記憶を失くしてしまっているんだろう、と思いきや、実際はもう一人の自分を隠していたというのには驚いた。息子に「暴力で物事を解決しようとするな」と諭していたのも、今思うと真実への伏線だったのだと思われる。惜しむべくは、その真実をあまりにもあっさり妻に自白してしまうこと。もっと掘り下げてトムのヒストリーを描写して欲しかった。なぜジョーイという人格を殺したのか、とても残忍であった過去からどうやって現在のような温和な性格になれたのか…など、いまいち納得のいかない部分がある。話変わって、ラストのシーンはとても印象的。娘が皿を出し、息子は食事を差し出し、妻は指輪をつけて最後にトムと向き合う。トムはもちろん、私たちにも何も語らずとも、伝えたいことがわかる。この映画のキーワードの一つであろう「真実」は、間違いなくそこにある、と感じられる終わり方でした。 【グングニル】さん [映画館(字幕)] 6点(2006-04-09 12:36:07) (良:1票) |
68.《ネタバレ》 映画は常に現実社会や人生やらとの距離を計測し続けてきた。現実をいかにもっともらしく映画の中に表現し、現実との折り合いをつけていくか。現実では解決できない問題も、2時間足らずの中で解決したり、曖昧に濁してみたりせねばならない。ところが、こうも現実が複雑になる、「そんなの今どきあり得ないじゃん」などという観客ばかりになってくると、映画の中のお約束や紋切り型な表現はもはや許されなくなる。ジョン・ウェインは家族のために敵に立ち向かい、敵を殲滅し、白いエプロンの翻る我が家へと帰ってくる。しかし現代のジョン・ウェインは「人殺し」とののしられるばかりだ。■クローネンバーグがやろうとしたのは、このような「紋切り型」をあえて行うことなのではないか。映画史が紡ぎ出した現実との折り合い方に、今、パロディではなく、真剣に、気合いと根性と己の演出技術のすべてを賭けて取り組むこと。例えば「クラッシュ」のような良心的なハリウッド映画がひた隠しながらもつい求めてしまう、安易な叙情や「曖昧」という名の決着を排すること。例えばリンチやコーエン兄弟のように、スタイリッシュな映像や「変態」的な「感性」で「紋切り型」を糊塗するような姑息なことはすまい、という意志。■さりげなく、なんということもない、ただ撮っているかのような一見凡庸なカットの連なり、しかしそれらは物語が持つ力によって、やがて力の漲ったものとなる。オープニングの緊張感、階段でのセックスシーンの素晴らしさ、保安官に詰問される夫と妻の2ショットの力、あっけなくまるで信じられないアクションシーン。■そしてラスト、暴力の限りを尽くした父を許すかのように、娘が食卓へと父を招く。感動的な、しかし安易な結末、でもなく、問題の曖昧な、だからこそ現代的だと言いたげな結末でもない、これは現在の映画が抱く「紋切り型」だ。その大いなる力に私は泣いた。ラストカットが素晴らしい。 【まぶぜたろう】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-03-29 00:25:46) (良:1票) |
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67.《ネタバレ》 もし父が殺人を犯していたら?それで家族関係は崩壊するのか? 映画では善良な夫トムが過去に殺人なぞ当たり前の元マフィアであった事で苦悩する家族の様を描いている。主人公トムは過去に暴力を限りを尽していた。まさにそのツケ、過去の恨み辛みを持った者がトムへ復讐しにくる。夫の暴力の歴史に家族が巻き込まれてゆく姿は、凄惨の一言。 ラストに過去に蹴りを付けて来た夫を迎える食卓のシーン。無言で皿を差し出す健気な娘、料理を渡す息子。そして妻の表情。映画はここで幕を閉じるのだが、本当にこのシーンには救われた。 どんなに過去に悪党で、何人もの人を殺害していても、変わらないことがある。それはトムには帰れる場所があるという事だ。家族が夫を信じること。それだけは紛れも無い真実なのである。 【カイル・枕クラン】さん [映画館(字幕)] 10点(2006-03-17 22:14:04) (良:1票) |
66.《ネタバレ》 「暴力で解決しちゃいかん!」って言いながら息子を叩くシーンが好き。ジョーイは昔どんだけ悪いことをしていたのかが気になる。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 5点(2018-04-11 00:45:17) |
65.《ネタバレ》 殺されたり傷つけられたりした者たちの「お前だけ幸せに暮らせると思うなよ」という怨念が形になったような物語。相手が無法者とはいえ次から次へとゴキブリを踏み潰すように殺しておいて罰を受ける事無く妻子と暮らしていこうとするムシのよさにドン引きします。息子が後ろからためらいなくエド・ハリスを撃ち殺したのには救いの無さを感じます。この子もこの先物事を暴力で解決するのでしょう。卑しい顔つきのジョーイを表現するヴィゴ・モーテンセンの演技にプラス4点。 |
64.そっとしといてやってくれ! そう叫ばざるを得ない映画だった。 この映画の主人公はひっそりと普通に暮らしていたいだけなのに、何故放っといてくれないのか。 次々に送り込まれる刺客。それらをものともせず倒して行く様は痛快でもあるのだが、スカッとするようなアクション映画ではない。この映画におけるバイオレンスは悲劇しか生み出さない。 家族の平和の為に全てを投げ打つ主人公に感動させられた。 【ヴレア】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-03-31 16:59:11) |
63.《ネタバレ》 トムとジョーイの時で完全に表情が異なる演技がすごい。最後の夕食のシーン、願わくば奥さんからもおかずなどがトムに渡されたらよかったなと思います。 【珈琲時間】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-08 10:55:38) |
62.《ネタバレ》 観はじめてすぐクローネンバーグの名がクレジットされたので止めようかな?とも思いましたが、結局、見続けてよかったです。原作ありの作品なので、監督個人の作家性=ド変態性がそれほど出てなくて助かりました。前半の緊迫感は息苦しくなるほどの見事さ。このまま行けば傑作だぞと思っていたら、後半は主人公の安定の強さに緊迫感が失われてしまいました。ラストの家族再生シーンのあっさり感や、濡れ場の生々しさ、卑猥さにクローネンバーグらしさが出ているように感じました。モヤっとした鑑賞後感も含めて、やはりクローネンバーグと思いました。 【えぴおう】さん [インターネット(字幕)] 7点(2017-09-07 12:28:11) |
61.《ネタバレ》 原題と邦題とで、定冠詞の"a"があるかないかでこの映画の意味が違ってくる。これは、あくまで一人の男の"暴力の履歴"に過ぎないからだ。強盗を鮮やかに倒す暴力から、かつての親玉を射殺する暴力まで、描かれるものは暴力でしかなく、そこにカタルシスは存在しない。いや、それこそが逆らえない人としての本能なのかもしれない。しかし、履歴の証明による、父の血に逆らえない息子と、階段での妻との性行為に、家族の歪みを見逃さない。全てを終えても、あの家族に幸せが戻るとは思えない。刑務所に服役して、全てを清算してから家庭を作れと思うのは野暮か? |
60.《ネタバレ》 追い詰められて本気出した時に負傷しながらもきっちり勝つというカタルシスは得られるんだけど、壊れた絆はきちんと修復して欲しいと願う口なもんで、そういった意味イマイチでした。 【にしきの】さん [地上波(吹替)] 5点(2016-10-14 00:18:16) |
59.《ネタバレ》 出だしのバイオレンス臭からファミリー、イジメ、セックス、ヒーロー、ミステリー、サスペンスとバラエティに富んだ展開にはそれなりに引き込まれるが、結局元殺し屋は不死身のヒーローか?「これで終わりですが何か?」みたいなラストに「別に」と言いたくなるような映画だった。 【ProPace】さん [地上波(吹替)] 5点(2016-10-01 23:55:49) |
58.《ネタバレ》 家族にも隠した過去を持つ男の正体は何か。マフィアに追い詰められて、一般市民の仮面を脱ぎ捨てるまで、ぐっと引き付けられてしまう。 【飛鳥】さん [DVD(字幕)] 6点(2016-08-01 19:20:09) |