67.「シェ--ン 髪バー-ック」という育毛剤のCMを思い出す。そんなことはさておき、この作品で悪として描かれる農場主の言い分を聞くともっともな言い分で、なぜ入植者が悪とならないか不思議に思う。しかしこれがアメリカなのだろう。インディアンから土地を奪い盗っても侵略者ではなく開拓者なのである。前進する者が正義となる国。主人公シェ-ンもこの新しい正義の波に乗り遅れた一人にすぎない。つまり農場主と同じ立場の人間。ただのヒーローものに終わらせず「努力したが変われなかった」と言わせたところがこの映画の素晴らしいところ。だから余計に、一見ヒーローものに見えるつくりが気に入らない。 【R&A】さん 6点(2004-03-18 12:22:55) (良:1票) |
66.もう随分と前に、セルジオ・レオーネの『ウエスタン]と2本立てでリバイバル上映された時に見たのが、今思うと失敗だった…。まだガキだった自分にとって、レオーネ作品のインパクトの前ではいかなこの名作といえど、やはり霞んでしまったワケで。ただ、オジサンになって見直してみると、少年、母親、父親であり夫である農夫それぞれの視点・心情から”シェーン”というひとりの流れ者の存在を浮き彫りにする演出のきめ細やかさに、あらためて感心させられてしまう。シェーンに夢中になる少年に対し、やはり密かに「女」として心ひかれている母親が、「シェーンを好きになりすぎないでね。別れがつらくなりすぎるから…」というあたりの情感。そして、妻の気持ちを薄々感づいていながら、それを表に出さない夫の度量。それらの感情が絡まりあったダンスシーンは、さりげないけれどこの映画のハイライトのひとつでしょう。それが一転して、ガンファイトにおける強烈なリアリズムの衝撃! …ラスト、去りゆくシェーンを追うあの少年(と犬)に感情移入して、「シェーン、行っちゃいやだー!」と一緒になって叫んでしまったぼくなのでした。やっぱり、素晴らしい映画です。 【やましんの巻】さん 9点(2003-11-13 10:48:53) (良:1票) |
65.股旅ウェスタンという不思議な呼び名にピッタリの作品。日本の日活アクション、東映やくざ映画の原点。長谷川伸が、実は関わっていた。(というのは今思いついた嘘)でも、決定的に違ってるところがある。日本映画(特にやくざ映画)では、古い美しい秩序を守ってる人々が善玉で、そこに割ってはいる奴が悪玉(背広を着た天津敏や大木実)。美しい「人情」で古くから繋がった伝統を重んじるのです。だが、シェーンでは古い牧場主が悪玉で、開墾農民が善玉。既存権を認めずに機会均等を主張するわけです。談合や系列が問題になったとき、この違いのことを考えていた。映画は文化の違いを学ぶ教材でもあったのだ。昔は。 【ちょうじ】さん 9点(2001-11-01 15:58:23) (良:1票) |
64.《ネタバレ》 子供時分に何度か観ているもののラストショット以外記憶無く40年以上の時を経ての鑑賞。アラン・ラッドの華奢な体つきと過去を背負った男に見えない線の細さがもどかしい。出演が嬉しかったヴァン・ヘフリン、ジーン・アーサー(最後の映画出演)、ジャック・パランスもステレオタイプなキャラでこれまた歯痒い。ただ、ホームステッド法に於ける牧畜業者と開拓農民が争う中での意外に理性的なライカーの言い分に、そもそもその土地は先住民から力づくでむしり取ったものであって、「力だけが正しい」生々しさを感じるところが印象的。そして特筆すべきはラストシーン。画の美しさとスターレット一家にとっての流れ星のような存在であったかの去り行く姿は私的に「第三の男」と並ぶ鑑賞史上屈指の幕切れです。 |
63.《ネタバレ》 改めてみて見ると、敵であるライカーが話し合いで解決したがったりと、典型的な悪人には描かれていないところが印象的でした。「銃なんて時代遅れ」と言いつつ、結局はその銃でしか解決できないあたりに、現実の難しさを感じます。そういう点ではアクション的ではなく、あくまでドラマ中心の作りになっており、なかなか見ごたえがありました。「子供の視点から描いたヒーロー」みたいなことが言われるようですが、むしろ大人側の物語が印象に残っています。 今回デジタル・リマスター版で見たのですが、夜のシーンが暗くて、本当に何をやっているのかさっぱりわかりません。これでは見ていてストレスがたまるだけです。ここがダメだったので-1点しておきます。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-26 10:44:09) |
62.《ネタバレ》 大自然の西部劇。やはり、古い印象。あと、意外とバイオレンス的である。 【にけ】さん [映画館(字幕)] 6点(2019-01-17 06:27:38) |
61.《ネタバレ》 単純明快でテンポがよくかつ風格のある正統派の西部劇。 大自然の美しさ、人情、葛藤が見事に描かれているしラストも見事に決まっていた。 しかしマカロニウエスタン好きとしてはどうしてもタルい。 ジャックパランスが出てきたあたりからは多少緊張感が出てきたものの物足りない。 子役も頑張っていたんやけど、顔にどうしても違和感が。 メリーポピンズの子役もそうやったんやけど、眉毛剃ってる? 【CBパークビュー】さん [DVD(字幕)] 7点(2018-09-20 05:21:40) |
60.デジタルリマスターでの雄大な映像が開拓者になったような気分にさせてくれます。悪役含めての分かりやすいキャラクター、感情移入しやすいストーリー、名作の称号に納得です。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2018-05-04 23:45:16) |
59.実は凄く渋い作品。 この映画は、セリフが全て男っぽい(?)のが特徵となっている。ほとんど何かで使われていそうな、使えそうな、そんな言葉になっている。 それに、シェーンもいいが、ジョーもかなりの男前。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2018-04-15 22:24:22) |
58.《ネタバレ》 シェーンが男前。 ラスト、シェーンの後を追いかける、少年と、犬がよかった。 【へまち】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-12-08 10:47:58) |
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57.《ネタバレ》 とっても有名な本作、やあっと観れました。意外に大きい展開がなくて普通な感じ、かな? +ちょいと各人物の背景・状況がわかりにくいのがもったいないね。最後のあの有名なシーンには意味深な部分もあり、これまた以外な印象でゴザイマシタ 【Kaname】さん [DVD(字幕)] 6点(2014-05-22 11:14:01) |
56.おもしろくないし、銃で解決というのも好きでない。早撃ちで勝負を決めるというのはもってのほか。期待していた映画だっただけにがっかり、やっぱり西部劇というのは私には向かない。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 3点(2013-01-02 21:29:48) |
55.ガンマンが出てくるからといって、興奮する作品とは限らない。この「シェーン」は前のめりにならず、ゆったりとした心持で楽しむタイプの映画である。 後ろめたさ、叶わぬ気持ち、友情、葛藤、自虐。それぞれのキャラクターたちの感情が、どれも淡く、さながら香りのように立ち上って混ざり合う。セリフや行動とキャラクターの本心が必ずしも一致しない、深みのある物語だ。 ただ、テンポはあまり良いとは言えない。景色も含めて楽しむのが正しい楽しみ方なのだろうが、自分はまだそういう映画の見方が未熟であるため、ところどころ退屈するところがあった。 【肛門亭そよ風】さん [DVD(字幕)] 7点(2012-12-09 13:35:36) |
54.《ネタバレ》 日本の昔が侍だけの世界でなかったように、アメリカの西部開拓史というのは、ガンマンだけの世界ではない。むしろ、農地開拓の歴史が、アメリカを西へ押し広げたのだという。この映画は、最後に悪漢をカッコよく倒して、颯爽と去ってゆくガンマンをヒーローとして描いているように言われるが、実はその大半が、自ら耕す農民の正義と、新旧の世代の戦いを描いている。 シェーンは自分が銃で物事を解決する時代の側の人間であることを自覚して、それから抜け出そうと農民の社会に生きようとするが、結局は辺境の治安維持の不備によって、力を行使せざるを得ない状況に陥る。 彼がカッコイイのは、自らを傷つけながらも、新世代を無垢のままに守ったからだ。スターレットを直接守ったのはもちろんだが、その目の前で人を殺してしまったジョーイ少年を、銃の世界に引き込まぬようにか、一家の前から去るその潔さ! それにしてもライカー、インデアンから土地を守ったという、彼の言い分にも一理あると思ったが、やり方がダメすぎたな。 【追記】 何でもWikipediaによれば、ラストシーンに関して、シェーンの生死の議論があるそうで…。そう言われてみると、ラストのシェーン一人のカットは、モノクロかと思うほど色調も暗く、死を暗示させる。が、シェーンは馬を操っているし、何よりこれがシェーンの死を表現しているとしたら、わかりずら過ぎるし、悲しすぎる。 【Tolbie】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-24 01:43:29) |
53.ラストシーンが印象的な西部劇。ワイオミングの風景が目を見張るほどきれい。 ストーリーは勧善懲悪物で、登場人物たちのキャラも口より腕っ節といったタイプが多く、 非常に単純明快。シェーンはそのうえ爽やかで情に厚く、魅力的なキャラとして描かれてます。 ラストは見せ場たっぷりのシーンが用意されており、思わずカッコいいと唸ってしまったのだが、 シェーンという男はいったい何者なのか? なぜ最初は銃を持とうとしなかったのか? 彼の人物像をもう少し掘り下げたほうが、ストーリーとしてはもっと面白くなったと思う。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-11-24 04:21:02) |
52.《ネタバレ》 リバイバルで久しぶりに鑑賞。子供の頃にはよく分からなかったシェーンの魅力を堪能できた。この映画は、ただの撃ち合いでもつ西部劇のレベルを軽々と超えている。 まず、僕が子供の頃抱いた印象と違ったのは、シェーンは決してかっこいいばかりじゃないということだ。そもそもなぜ彼がここに流れ着いたか分かったものじゃない。その理由は決して褒められたものではなかったのだろう。彼の拳銃の腕も、彼がどちらかというと暴力的な生活を送ってきたことを明確に示している。ジョーの家に来てからは、「暴力も使いようだ」と殊勝なことを言うが、今まで彼がどのようにそれを使ってきたかを考えれば、内心忸怩たるものがあったのではないか。彼は、おそらく何かのきっかけで改心した悪党に過ぎないのである。 そして、彼と中年を迎えようとしているマリアンの気持ちの交錯も美しいだけじゃない。それはマリアンにおいては、ど田舎に閉じ込められた人妻の単にありふれた貞淑のよろめきであり、シェーンにとっても自慢できるアヴァンチュールでもなんでもない。厳しいことを言えば、盛りを過ぎた彼らの交情は、世間から見ればみっともない部類にすら区分できる。 そして、僕がこの映画を優れていると思うのは、まさにこういうしょうもない男と女の話がものの見事に傑作に仕立て上げられているからである。昼ドラにでも出てきそうなストーリーを、役者陣の丁寧な演技と余情漂う慎み深いシーンの積み重ねでとても上手に一つの美談に変えてしまった監督の手腕は恐ろしいほどだ。子役の活用方法も独創的だ。子役を中心に据えて、ストレートに涙を取りに来る映画が多い中で、この作品は子役を脇役として効果的に使っている。シェーンとマリアンとジョーの三者を料理の原材料とすれば、ジョーイはそれを調理する火に当たる。ジョーイの存在が、彼らの気持ちの触れ合いやすれ違いを分かりやすく炙り出しているのだ。 終盤は名シーンの嵐で、ウィルソンやライカー兄弟との撃ち合いのシーンはもちろん素晴らしいが、その前段のシェーンとジョーの殴り合いでシェーンが最後に拳銃の台尻でジョーを殴り倒すシーンに感動した。スターレット一家に対するシェーンなりの仁義の切り方にただ涙するのみだった。そして、あまりにも有名なラストシーン。涙が止まらなかった。 【枕流】さん [映画館(字幕)] 8点(2011-11-15 23:42:08) |
51.撃ちあいよりも殴り合いのほうが多い。しかし過剰でない銃撃戦のなんとスタイリッシュなことか。あの一瞬を観るために何度と無く劇場に足を運んだ人も多かったに違いないと思わせる素晴らしさ。ペイルライダーの原型を知れて満足。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-07-23 23:38:45) |
50.《ネタバレ》 淡々と進む西部劇だが、確かにスキがない。 だけど、ここぞといった見せ場もない。 主人公のかっこよさが中途半端なのも痛い。 むしろ適役のガンマンの方がスタイリッシュでかっこよい。 だがしかし、ラストの締めくくり方には痺れた! 一方的に喧嘩を売りに行って、さっさと全滅させ、そして潔く去る。 まあ強ければ何でもアリというラスト、というかオチにも思えるが・・・ 【にじばぶ】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-04-19 21:57:45) |
49.《ネタバレ》 これぞ西部劇の決定版。「シェーン!カムバック!」、ジェイ少年魂の叫び。清々しい幕引きでしたがどうも彼の声色に違和感がありました。誇りのために命を賭ける熱き男の映画。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-01-29 00:25:44) |
48.「遙かなる山の呼び声」の曲とシェーン!カムバック!のエンディングが印象的。 個人的に西部劇の撃合いはこれぐらいが丁度いい。様々な人間関係の描写はなかなか良い。 昼夜の描写がイマイチなのでそこが惜しい・・・。 【円軌道の幅】さん [ビデオ(字幕)] 5点(2009-12-30 02:14:29) |