11.酷い。これは認められないなー。焚火のとこだけ目が覚めました。 【すたーちゃいるど】さん [DVD(邦画)] 1点(2008-10-23 20:18:38) |
10.奈良県は「天国にいちばん近い都道府県」なのか? ちなみに私も奈良県在住ですけどね。あくまでフィクションとは言え、前半における老人たちの表情はまさに実生活のナチュラルさ。後半、森の中を彷徨う二人の姿、それはフィクションとしての物語なのだけれども、森はそれを圧倒的に包みこみ、もはやそこは、フィクションとドキュメンタリのはざま。生きることとは「人とのつながり」、であるならば、その二人の姿は、生と死のはざまでもある。我々はカメラを通じ、そこに同席し、森を共に彷徨い、森の底に沈みゆく二人の姿を見守る。いやあ、気色悪いんだ、これが(笑)。「映画とこうあるべき」という観点からは、少し外れた映画、いわば「はざま」の映画、かもしれませんけどね。観終わったときに感じる“居心地悪さ”を、不愉快に感じるか、観てよかったと感じるか。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-08-17 11:47:57) |
9.《ネタバレ》 茶畑のおいかけっこを遠景で撮った画や、蒼い稲が揺れる風景など、日本の自然の美しさがとても印象的だった。だがしかし、クライマックスでも主人公のセリフが聞き取りにくいのはいかがなものかと・・・あと、主役二人の感情や衝動が文字通り丸裸のままあまりにもストレートに表現されていて、いいといえばいいけど、ちょっと気持ち悪くなる感じがした。 【●えすかるご●】さん [DVD(邦画)] 4点(2008-08-03 16:15:29) |
8.緑が画面に過剰に溢れてくると、つい用心してしまうところがある。緑を見ると、直線的に「いやし」とか「やすらぎ」がイメージされるので、その手には乗らんぞ、と心構えしてしまったりする。損な性格だ。この映画でもちょっとそうなって、でもまあ、これ緑が主題の映画なのだから仕方がない。黄緑の世界から次第に深緑の奥へと分け入っていく話だ。スイカの赤、焚火の朱、古木の白などが、深緑と対比される。ただその深緑の奥の世界は、やや観念性が強くなりすぎた気がする。映画として出来がいいと思ったのは、前半の黄緑の世界の方だった。田を渡る風、果樹の葉。老人たちが周囲にいたことがけっこう大事で、それが観念に走らせない厚みになっていたのではないか。また全体としてヒロインに統一したイメージが結べなかった。茶畑で鬼ごっこになるあたりの明るさが、私には唐突すぎて感じられた。 【なんのかんの】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-07-21 12:00:55) |
7.《ネタバレ》 確かに、この作品に対して意味不明だとか説明不足だとかいう論評が多いのは頷けます。しかし、この監督さんがやりたいこと、描こうとしていることは、実際にはすごくシンプルでわかりやすいテーマです。それは端的に言うと「横軸の概念」というやつです。昔の人はみんな、横に生きていた。生活は「横軸のスタイル」で、人間関係は「横軸の関係」で、生きる為の知恵や思想はみな「横軸の考え」というものを持ってた。だけど現代人というのは、みんな「縦軸の概念」なわけです。みんな縦で生きてるから、横で生きてた頃の大切なものを忘れかけている。それを思い出させるきっかけは自然や森であり、自然や森というのは人間にとって必然的に殯の要素が備わっている。平たく言うとこんな感じです。だけどこの作品で描こうとしているそれは思念的で「目には見えない」ものですから、それを映像で見せようとするのはなかなか難しい。この作品がどれほどその「目には見えないもの」の可視化に成功しているか。その部分においては、もっともっとやれるところがあるんじゃないか、という、全体としての物足りなさ、不足さを感じずにはいられない。だから、着眼点はいいし、こういう、画で語ろうとする試みは応援したいのだけれど、まだ力量不足な感は否めないのが正直な感想です。 【あろえりーな】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-05-01 00:46:07) |
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【Yoshi】さん [CS・衛星(邦画)] 2点(2008-03-24 23:46:37) |
5.シシ神がでてきそうな深い森で、死の悲しみを抱えた二人が惑う。この作品の良さはまだよく分からなかったけれど、とてつもなく悲しいときに見たら心が慰められるのかもしれない。 【さそりタイガー】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-03-10 01:25:38) |
4.いろいろ言われているこの映画だけど、映像だけで何かしらの物語を語ろうとすると、たぶんこんな感じになる。描いているのは、お墓参りの話。しかも、どれだけ大げさに表現したとしても一回のお墓参りで、死者への弔いが完了する訳がない。その意味で、この映画は、はじめる前と終わった後で、とくに死者への弔いにまつわる事態は進行も後退もしていないといえる。むしろ、生き残った人間のどれだけ切実な行為であっても、それが死者に届くことはなくて、生き残った人間自身を癒す方面にしか作用しないのであれば、この映画の主人公二人は自分自身を癒しただけともいえる。「自分で自分を癒すしかない」というこの映画があぶりだす真実は、河瀬監督の表現スタイルをあらわしてもいる。そのことに共感できるかどうかがこの作品を楽しめるかどうかを決める。 |
3.酷評喧しい作品ですが、そんなに悪くありません。たしかに最初は「『新日本紀行』が始まるのか」という感じだし、状況が掴めなかったり、セリフが聞き取りにくかったりする部分もありました。でも、風景と相まった素朴で武骨なストーリーには説得力があります。それに何より、主人公がいい。久しぶりに、凛とした強さと美しさを持つ女性を見た気がします。 【眉山】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2008-01-19 01:54:00) |
2.《ネタバレ》 「殯の森」は、映像の中に両極端に二分する面が実に顕著かつ対照的に描かれていると思います。それは、原風景や水や川や森といった自然の持つ力強さの部分と、認知症の老人と介護士の女性の2人に代表される、この先どうなっていくのかが見えない孤独な心を持った人間の弱い部分です。ドキュメンタリー上がりの河瀬監督がどういう狙いで作られたかは分かりませんが、人間は脆い心を持っており、その拠り所として弱い者同士が惹かれ合うのは至極当然であり、その形は様々あるのだなという事。この主人公2人も、互いに寂しさ以上に互いを必要としている(男は女に死んだ妻を重ね、女は男に自分を必要としてくれている)という部分で惹かれ合い、離れる事ができない関係だったのだと思います。男女が主人公という事でもそこにエロティシズムは感じません。むしろ人間同士の根底の部分での結びつきを感じました。森の中であの認知症の男が亡くなった奥さんの墓を見つけた時、介護士の方は何故泣いたのかな?とか分からない部分も多いですが、世界で認められたこの作品を1度は観ても面白いと思います。感情移入出来るかどうかは、ご覧になる方の置かれている環境によるかもしれません。緑を基調とした作品の景色は文句無く美しいです。 |
1.なかなか頑張っていて、おもしろい映画ではあるのだけれど、認知症のリアリティが全く欠ける点で、しらけてしまうのは、やむをえないであろう。 また、カンヌで受けそうな、インテリ向けの映画という見方もできるし、押しつけの価値意識が鼻につくともいえる。 【みんな嫌い】さん [映画館(邦画)] 4点(2007-09-11 12:44:08) |