101.《ネタバレ》 第二次世界大戦後のイタリア。 仕事を求める人が溢れかえる中、ようやく仕事を得た主人公。 ポスター張りの仕事であったが自転車がないので家の布団などを質に入れ ようやく自転車を手に入れる。 息子も自転車を前にテンションが上がる。 ポスター張りの仕事に出た主人公だがいきなり自転車を盗まれてしまう。 友人達や息子と共に自転車を探して街中を走り回るが見つからない。 絶望しつつあの手この手で探すもダメ。 精神的に追い詰められる主人公。 視線は他人の自転車へ。 息子を先に帰らせて自転車へ近づく。 しかし何度も逡巡し行ったり来たりを繰り返す。 全部貧乏が悪いんや! 息子役の少年の演技がすばらしい。 舞台となる戦後のイタリアの雰囲気もいい。 ただ内容が暗すぎて救いようがなさすぎる。 リアルを追求したとのことだがオチを付けて欲しかった。 【Dry-man】さん [DVD(吹替)] 7点(2017-11-11 23:04:55) |
100.《ネタバレ》 高校生か大学生の時劇場まで見に行って「つまんない映画だな」と思った記憶があります。今回約30年ぶりに見返しての感想は「やっぱり面白くない映画だ」 私が生まれたのはちょうど高度成長時代が頂点にさしかかった頃で、物があふれている時代。ちかごろでは「断捨離」だの「ミニマリスト」だの、物を持たないことが一種のステイタスになっているようですが、モノがいっぱいあることには変わりありません。そんな時代に、自転車一台盗まれて生活に困り、明日をも知れない人間の気持ちがわかるか? わかるわけないです。私もどちらかというと貧乏人ですが、そこまで切羽詰まってはいません。戦争後のイタリアよりは、今の日本の方が求人も多いでしょう。それにこの父親、必死なんでしょうがやってることがメチャクチャ。教会で騒ぎを起こしたりして、そこまでやる必要があるのかと思えてくるし、勝手すぎて同情する気にもなりません。最後には他人の自転車を盗もうとするわけで、結局「そういう人」だったのかと、そういう意味では納得できますが。 結局は、関係のない高みから、まったくの人ごととして、(無意識の優越感を伴って)「ああかわいそうだね~」と同情している人が多いのではないかと思ってしまいます。 街のあちこちにまだ空き地があって、戦争後間もないことを感じさせます。その一方で電車は走っているし車や自転車も少なくはないし、復興しつつある状態も感じさせます。そういった時代の空気はよく感じられました。 【アングロファイル】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-12-30 20:38:48) |
99.《ネタバレ》 切ない映画。 最後のシーンは、立場変われば人も変わって見える、とも思えるし、素人が盗みに手を染めても(ムリで合わないことをやっても)結局失敗する、とも思えるし、位置付けを考えさせられる。 また、この時代の社会状況を上手く描いているのかもしれないが、自分の中ではどうにも消化しきれない。 【simple】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-02 01:41:55) |
98.「何も考えずにワインを飲むぞ」と息子とふたりでレストランに入るシーンと、ラストのふたりの表情がなんとも切なく、しかし固い絆も感じさせる。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-04-07 19:47:05) |
97.《ネタバレ》 「家庭の幸福は諸悪の本」は太宰治の小説の一節です。決して息子に見せてはいけない醜態を演じたお父さんは、でも息子がいなかったらあんな無謀なこともしていないワケです。家族の幸せのための行動でした。我が身を省みて、子供のために行ってしまった、犯罪まではいかないが小ずるいこととか思い出して、身をよじるような気持ちになりました。しかし。映画としてどうかというと、あまりにも率直に切なすぎて。盗み返した自転車をよく見てみたら、あの自転車だった!なんてね。うーん…。 【なたね】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-09-19 18:43:52) |
96.おかしくなってゆく父親を現実に引き戻すのが子供。ブルーノ、ブルーノ! 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-08-24 23:54:48) |
95.《ネタバレ》 中学生だったかな、体育館に集められ体育座りで観た映画。まぁ授業よりはいいかって具合に観始めて、どんどんと引き込まれて行ったことを記憶しています。当時は漠然と貧困を生む「社会」が悪いんだということ以上に整理できなかったけど、言葉にならない問題意識は残りました。文部省(当時)の思惑通りですな。 その後、大学時代にも一度観ているのでストーリーは分かっているのだけど、それでもやっぱり辛くなりました。なりふり構わずミサを妨害し、怪しい予言おばさんにも縋る。息子の前で盗みを働き、捕まって息子の前で小突かれる。これこそ「ああ、無情」ではなかろうか。彼はどうすれば良かったのか。いや、自転車にカギを掛ければ良かったってことじゃなくて。たかが自転車のために、というのは21世紀のニッポンに暮らす者の溜息です。あの親子に、アドバイスできる言葉はひとつもありません。まさに八方塞がりで、相変わらず「問題意識」だけが残りました。安易な希望を見せない放り出し方を高く評価します。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-14 23:53:05) |
94.《ネタバレ》 重たい映画でした。たんたんとただ事実のみを見つめるカメラがこの親子を捉えます。その中で主人公の父親は執念の自転車捜索をしますが普通なら子供は連れて歩かなくてもいいように思います。しかしこの映画にはこの親子がまたいいのも事実。ところでこの親子を演じた二人は素人だとのことですが、素晴らしい演技でしたよ。 【仁】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2013-02-17 00:13:06) |
93.切ない、いたたまれない、そういう映画をあげるならば、多くの人がこの映画をあげるに違いない。戦争が悪い、貧困が悪い、政府が悪い、社会が悪いなどと言ってもどうにもならない。あの親子に救いはあるのだろうか。悲しい、二度と見たくないと思っても、心を打つ良い映画だったことには変わりはない。 【ESPERANZA】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-03-22 09:30:31) |
92.自転車の傷が伏線で子どもがお手柄という展開を予想してたので完全に裏切られた。 お告げにもまんまと騙されて犯人だと思い込んでたから気にならなかったけど、冷静になって考えてみれば酷い冤罪ですね。 それでも、家族の生活がかかってると思えば、父親の理不尽な行動にも同情の余地があると思いつつ、やっぱりどこか納得行かない部分も残る。 そのモヤモヤがラストシーンで晴れるのかと思いきや、逆に考えさせられる展開。 深いテーマだとは思うけど、なんだか気が滅入りました。 それにしても、自転車1台の話でここまで引っ張れるシナリオには感心します。 【もとや】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-02-29 16:18:28) |
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91.戦後イタリアを背景にした、ネオレアリズモ(写実的)作品。 親子のエピソードを一本紹介という内容で、ストーリー性は薄く、上映時間も88分と短い。 同じイタリア映画でも「鉄道員」「道」「ひまわり」なども写実的作品に挙げられるが、 これらは一応しっかりと物語を構築しており、本作はやはり物足りなさを感じてしまう。 ただし出演者の演技、人物描写や心理描写が秀逸なので、感情移入がし易く、 心にはずっしりと響いてくる。変な映画を観るよりは全然いい。 【MAHITO】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-08-26 09:52:42) |
90.《ネタバレ》 子供の主人公と同じくらい小さいころ、一度テレビで見てます。 そのときは当然ながら子供目線。レストランのシーンが一番鮮やかなる印象。 大人になってから、どんなものだろうと思って再びチェック。当然なんだけど、今度は大人の主人公の目線での鑑賞。もう、駆け出してその現場から逃げ出したくなるくらい、どうにもせつなくもやるせなかった。 大人が見ても子供が見ても、何かしら深いものを感じる映画。 静止画像が名画になるくらい、雰囲気のある映画です。 【ひであき】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-17 15:18:08) |
89.《ネタバレ》 日常生活を地道に丁寧に追った描写は優れているのだが、それだけに、主人公のどんくささやもたつきぶりが、目につくというか身につまされるというか・・・作品として鑑賞をすることはできますが、のめり込んで見ることはできません。ただし、たった自転車一台でも十分なサスペンスを構築できるということは、今日においても参考にされるべきです。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2011-06-16 00:26:48) |
88.《ネタバレ》 街の廃れた感じ、質屋のシーツのストックから、この時代がいかに貧しかったのかがわかります。 冒頭で職安の係員が主人公の名前を呼んだときに後ろの方で地べたに座っている主人公を捉えるショットがありますが、その背後に映っている更地の何と多いこと。わずかに建っている建物も相当古い感じで、戦後間もない時代を思わせますし、また自転車一台買うにも身を削らないと買えないという貧困ぶり。しかも、質屋の倉庫に山積みになっているシーツを見るに、このような経済事情の人は主人公一人ではないことも見て取れるでしょう。 自分が好きなのは、教会で大勢の人が祈りを捧げるシーンだとか、子供と一緒に食事をするシーンなんですが、ここはイタリアの日常が出ていて結構好きなシーンです。 最後に主人公が自暴自棄になって自転車を盗んでしまい逃げるシーンは、必死になって逃げる自転車のスピード感やそれを捕まえようと追いかけ回す人々の多さからくる臨場感がとてもスリリングなシーンになっていて、それまでの市井の人たちを描いていたゆったり感とのギャップもあって、非常に見応えのあるシーンで良かったと思いました。 また、イタリア人って「うちの息子はローマで一番の働き者」とか「うちのママのパスタは世界一」とか言ったりして、母子愛がかなり強い国民性らしいのですが、そんなシーンもちゃんと出ていたりして、いろいろと面白かったです。 【もっつぁれら】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-05-28 14:58:29) |
87.《ネタバレ》 過去に自転車5台盗まれた経験あり。スーパーでアイスを買って出てきて、自転車が無くなっていたときは茫然とした。警察は探してくれず、自分で探すしかないのは同じですね。◆この映画は絶望的に見えるが、救いがある。第1に父親には仲間がいて、同情してくれ、一緒に探してくれた。友達は大切だ。第2に自転車を盗んだ親父が事情を察して、警察沙汰にしなかったこと。これは大きい。一歩間違えば、1本のパンを盗んだために19年間もの監獄生活を送ることになったジャン・ヴァルジャンと同じ運命になったかも知れない。失うものは大きかっただろう。第3に親子の信頼関係が失われなかったこと。息子は事情を知っているので、父親を尊敬する気持ちは持ち続けるでしょう。第4に妻も理解してくれるだろうということ。家族の中で孤立するのは悲劇です。◆素直な人は感動すると思うが、そうでない人がひっかかる部分がある。それは「鍵はかけておけ」「自転車は借りたらいい」「自転車探しに子供を連れ歩くな」ということ。「鍵は無い」「誰からも借りれない」が前提条件になっているのか?給与が確実に出るのだから、貸してくれる人はいると思うけど。まあ目をつむりしかなさそうだ。◆単純な話だけど”魅せる”のは、演出がうまいから。インチキと見抜いていた女占い師に占ってもらうのは精神的に追い詰められている証拠。レストランで裕福な家庭との対比。「くよくよしていてもしょうがない」と一度前向きになったあとにどん底へ突き落す。子供に入る予定の給与計算をさせる。犯人の家が貧乏。ラストの前に一度親子の信頼関係をぐらつかせてみせる。いらだって子供を殴る→子供すねる→川で誰か溺れた→心配して探す→食事で仲直り。それぞれ理にかなっていて光るものがあります。不条理な展開がだらだら続くだけの演出では無いということ。◆クライマックスは、善良な父親に魔が差した瞬間。失敗して、民衆からこずかれ、罵倒される父親。父親に泣きながら走り寄る息子。手をきつくつないで無言で帰る二人。冷徹なカメラがそれを追います。でもそれは単純な絶望ではない。善良な市民が一度は通らなければならない通過儀礼、試練のような一面もある。悪を知って善を知るということ。二人の人生観に深みを増した経験でもあります。悪いことがあれば、次は良いことがある。人生山あり谷あり。そう信じて強く生きていける二人の後ろ姿だと思いました。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-12-27 00:47:58) |
86.シーツまで売ってお金を作り、何とか購入した自転車を盗まれ、このままでは職を失ってしまうアントニオ。そりゃ気持ちは分かるけど、アントニオの行動はやりすぎだな。しかしラストシーンは本当に良かった。これを演じているのがどちらも素人だというのだから驚き。 【リーム555】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-26 18:06:14) |
85.《ネタバレ》 ストーリーは良いのですが、お父さんの行動に気になる点がいくつかあってイライラしました。 気が動転していたとはいえ、教会の中とか執拗に爺さんを追いかけたり、占いの順番待ちを無理やり飛ばしたり、確たる証拠もなしに人を犯人扱いしたり・・・かなり大人げない。爺さんから住所を聞き出したのにそこに向かわないのはなぜ?ラストシーンが良いだけに中盤の展開が惜しまれます。 【きーとん】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-18 16:14:26) |
84.《ネタバレ》 自転車一台をめぐって話が展開していく非常にシンプルなストーリでした。その中で、真面目そうな男が徐々に感じの悪い男に変わっていく変化がよくわかりました。もちろん、それは明日食っていくのも大変な時代背景ゆえにですが、そのため視野が狭くなっていく主人公の姿が印象的でした。結末を楽しみにしていましたが、私にとっては予想通りでちょっと残念でした。ただ、そのまま最悪な結末にならなかったことに救われました。戦後の混沌とした時代を描いた作品が、戦後の混沌とした時代にすでに公開されていたことに感服します。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-04-18 20:39:33) |
83.《ネタバレ》 今みても新鮮、緊張感あふれ、世代を切り取った傑作。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2010-03-06 12:34:29) |
82.《ネタバレ》 冒頭の職を求める人々が群がる様子に生きるために次々と質屋に列を作る人々。敗戦後のイタリアの庶民の窮状をこれでもかと描く。そしてただひたすら盗まれた自転車を探して親子が街を彷徨うが見つかる訳も無く万策尽きるまでを見せていく。 僕はどんな辛い話の映画にも最後には僅かでもいいので希望を見せて欲しいし、見出したいと思う。最初に自転車を盗んだ、恐らくはそれを売り飛ばしている常習犯の男とは違って善人が急に悪い事をしようとしても上手くはいかない。そんな不条理さを感じつつも、この希望が見出せなかった作品の一番最後に描かれた人情に救われたような気がしました。それは観る者にとっても、この親子にも。 そして主人公のアントニオにはそれでも頑張って生きていかなければならない理由であり心の支えであるいい家庭がある。仕事を得て制服を着た姿に誇らしげな冒頭の夫婦の姿や自転車を探して彷徨う中、随所に描かれる父と子の深い愛情。ここにこの非常に厳しい親子の姿を描いた本作の中に希望を見出したいと思いました。 【とらや】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-02-13 17:45:37) |