39.淡々と良い映画だった。いろいろな人々が少しずつ謎を解き明かす欠片をもっていて、そのピースから明らかになる真実は、あまりにありきたりで、そしてやるせない。「タクシードライバー」の頃から変わっていないアメリカの現実は、私たちには遠く思えるが、決して無関係ではないことを自覚したい。 【豆治】さん [映画館(字幕)] 7点(2008-07-13 00:12:25) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 ハギスはいい作品作るなぁ。ラストの逆に掲げられた星条旗を見た途端に心が痛くなったというかやりきれない気持ちになりました。色々と考えさせられる作品です。正しく星条旗が掲げられる日が来るのはいつの頃やら。それとトミー・リー・ジョーンズの演技が素晴らしかったです。 【ギニュー】さん [映画館(字幕)] 8点(2008-07-07 19:50:58) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 T・L・ジョーンズがオスカーノミネートも納得の映画。軍、そして国家に絶対的な信頼を置く父親が、息子の死の真相を探るうちに自国の抱える大きな問題に気づく。息子の死という悲しみを押し殺し、冷静に捜査の目を光らせ、真相を得る。しかし、イラク戦争の影で感情の歪んでしまった若き兵士には怒りをぶつけることができない。いったいこの国はどうしてしまったのか!?主人公の目に浮かぶ疑問です。そして、ラストの反旗が彼の唯一の国家への警鐘となります。派手なところなどない映画ですが、強く心に残る一編です。 【カワウソの聞耳】さん [映画館(字幕)] 9点(2008-07-06 21:49:28) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 こんなに原題とかけ離れた邦題もないのではないか。これではジョディ・フォスター主演のやつかな、と勘違いしてスルーする人もいるだろうし、第一制作の思いが全然伝わらない。 トミー・リー扮する父親は古いタイプの軍人。かつての自らの軍人としての経験・信条が未だに生きていると信じていたのでしょう、息子二人も軍人になった。父は息子に語るのでした「共に戦線で命を張った仲間を裏切るはずはない」「お前はちょっと神経質になっているだけだ」。 でも現在の戦争は彼の時代と大きく様変わりした。父たるトミー・リーは大きく見誤っていたのです。 かつてエラの谷で英雄になったダビデの物語。(これが原題ですね)幼い子にトミー父が語ったような「勇気をもって戦えば勝利することができるんだ」的理想論はもう通用しない。 戦争はより複雑化して残酷になって人間の心を粉砕してしまうということを、ラストに息子の同僚に聞かされているトミー・リー。彼のひしゃげた顔はむごくて見ていられなかった。 トミー父の傍に地元刑事であるシャーリーズ・セロンを置いてサポート役にしていることが、観ている側の理解を助けます。彼女もまた、職務において自身の判断の誤りで悲劇を回避することができなかったという重荷を負っています。そして幼い息子の「なぜ王様はこどものダビデを行かせたの?」という問いに答えられない。 なぜ国家は若者を殺すのか。敵はゴリアテではなくなっているのに。国旗を逆さに掲げたトミー父の絶望を思うとやり切れない。 誰も勝者のないイラク戦争の一端を、静かに深く掘り下げた作品でした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-07-23 22:29:44) |
35.《ネタバレ》 自分は戦争に行った事がないので、どんだけヒドイ環境なのか、そして精神を病むのか?というのが想像し難い。だから、断片的な情報の組み合わせで想像しろと言われても、その過程を映像的に描いてもらわないと中々共感しにくい部分はある。その補助ツールが携帯メディアなのだが、この存在キーアイテムであると同時にややご都合主義的かつ安直で終始違和感があった。ラストの反旗もこれ見よがしで少々ヤリスギかな。で、皆さんおっしゃるように「軍の不正を暴く!」系の臭いがプンプンするのが、良くも悪くも拍子抜けしていまうというギャップもあるし、内容的には色々と粗は多いのだが、実話をベースとし訴えたい事はわかるので、作品としての「告発」の価値はあるとは思う。主演男女の演技もよかったし。結論としては、病んでる兵士を放置して遊ばせないで、ちゃんと病院に収容しろよって話だけどね。なんでそれをしないのか?というのが疑問としては残る。この事件を受けて現在は改善されているのかもしれないが。 |
34.《ネタバレ》 とにかく、脚本・構成が素晴らしいですね。マイクの死の真相が見えてくるにつれて、この映画のメッセージも浮き彫りになってきます。すべてが明らかになったあと、気になるのはマイクから届いた荷物の中身。あまりに普通過ぎて「えっ?」と思いましたが、でもそれが「このような普通の人間の心を、めちゃめちゃに壊してしまう戦争の愚かさ」をより強調しているようでした。最後に、女性刑事が子どもにダビデの話を語るシーン、そして息子に代わってSOSの逆国旗を掲げる父親・・・映画として、見事な締めくくり方でしたね。 昔のアメリカ映画やドラマ等で、軍人だった父親のような人が“勇敢に戦った英雄”として、「正義のために戦うアメリカ」の象徴のように登場しているのをよく見かけました。でも今は、その勇気や正義が、結果としてイラクで子どもを轢き殺し、傷ついた捕虜をいたぶり、戦友を殺したり戦友に殺されたり・・・。社会全体の価値観は変わりつつあるのに、正義ヅラして戦争を繰り返すことの馬鹿馬鹿しさに気付かないアメリカへの警鐘に思えました。 【ramo】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-09-13 20:35:43) |
33.この手の「地味な」事件の真相捜しものって観てる途中に興味を失うかどうか紙一重だと思うんです。 なんせ地味ですから。下手な撮り方だと興味失ってしまってもう大変。 幸いにしてこの映画は最後まで真剣に観る側の映画であり、それは監督の手腕なんでしょうが、その差が具体的にどこにあるのか、僕にはわかりません。 まぁこの映画をまじめにミステリとしてみると証拠が全部後出しなのでミステリとしては成立してないし、そもそも犯人もそこしかないというとこに落ち着くわけですが。 結局のところかつてベトナム戦争後にも作られたいわゆる「戦争の狂気」系のPTSD映画なわけですが、今にして不思議に思うのはおそらくもっとも過酷な体験だっただろう第2次世界大戦後には、そんなPTSDを扱った映画や小説がほとんどなく、そんな話題すら聞かないという事です。 それが時代のせいなのか今は平和ボケしてるからなのかわかりませんが、ベトナム以前には戦争にいった兵士のPTSDについてほとんど話題になった事がないのは不思議です。きっと沢山あったはずなのに。 あとシャーリーズセロンがめちゃめちゃはまり役だったんですが、このシナリオは当て書きだったんですね。 そりゃはまるわ。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 7点(2020-08-25 18:08:34) |
32.《ネタバレ》 麻薬組織に似た殺人の手口、軍と警察の裏交渉、同僚の自殺・・・国家的陰謀を匂わせつつ、結果は仲間内の喧嘩による事故のようなもの。 思わせぶりな題名もあり、途中まですっかり騙された形。 ちょっと意外な映画でした。 逆さまの星条旗の意味するとことは、もしかしてトミー・リー・ジョーンズが、次回作で逆恨みから国家転覆を企むのでは?(笑) 【チェブ大王】さん [地上波(字幕)] 6点(2019-03-17 19:09:28) |
31.《ネタバレ》 重くていい雰囲気だけど帰還兵のPTSDであればベトナム戦争の話のほうが好きだな。 イラクを軽視しているわけではないがもっと死と隣りあわせで過酷さが違う。序盤に元ベトナム戦争で従軍していた親父の厳しさとイラクで心が折れた息子の電話のやり取りが物語っていたようにおもう。 軍人だからといってベネフィットが手厚く受け強制徴兵でもなく自ら志願したわけだし だから病んだのでドラックに手を染めました、イラクで非人道的行為をしましたでは許されるわけが無い。 同情というか逆に怒りを覚える。 トミーが不器用ながら息子をおもう親父役を熱演。遣り切れない気持ちが湧いてくる。 |
30.《ネタバレ》 息子を探す父親という物語の流れから戦争へ参加した兵隊たちの苦しみを表現している。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 7点(2017-02-05 16:43:20) |
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29.息子のSOSと逆さまの星条旗、冒頭シーンがラストシーンで蘇る。麻薬や虐殺など父親として信じられぬ息子の真実が明らかになるが、人間をそこまで変えてしまう戦争が恐ろしい。トミー・リー・ジョーンズの好演が印象深い。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 7点(2014-09-08 14:39:20) |
28.うーん。 ポールハギスにはクラッシュを越えるものを期待してしまう。 今回は普通。 |
27.《ネタバレ》 戦友を殺害後空腹を満たすという話が出たとき、殺人後にカニを食べたというオウム真理教の犯罪を思い出した。遠い昔の事件でも類似の話が出たら瞬時に思い出すほどの強烈な異常性だ。 『プラトーン』を見て戦争がいかに人間性を破壊するかを、『理由』ではいかに先入観が恐ろしいかを、『戦火の勇気』では恐怖心を克服することの難しさを学んだ。この作品においては、それらを併せてさらに愛国心とは何かを深く考えさせられた。さまざまなテーマが詰まっているのにこれらが見事に融和している上、謎解きの意外さあり、トミー・リー・ジョーンズをはじめ各俳優陣の真に迫った自然な演技あり、これ以上ない国旗の演出で締めくくられたラストありと、圧倒されるばかりだった。この映画では、敵国であったイラクを悪く描かず、むしろ身内側の人道的な問題点を潔く世に問うている、その姿勢が素晴らしい。自国の愛国心を促すようなプロパガンダ映画は、どこか慈善的でざらついた妙な違和感が残ってしまうものだ。 【tony】さん [DVD(字幕)] 9点(2014-02-27 11:22:11) |
26.《ネタバレ》 苛酷な戦争体験が人をおかしくしてその結果云々というのは、すでに多数の先例があるわけで、この作品はその辺の枠を出ているものではない。しかも、ポール・ハギスの計算癖あふれる脚本をこういう題材でやられると、登場人物の死に体ぶりがかえって目立ってしまうのです。フランシス・フィッシャー(タイタニックのブカター婦人)をトップレスで登場させちゃったというびっくりする成果に+1点。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 5点(2013-10-20 00:10:56) |
25.ちょっと淡々と進み過ぎかな。戦場帰りの兵士の問題はドキュメンタリーでもたくさん論じられているなか、展開にメリハリが欲しかった。 【noji】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2013-08-27 22:48:53) |
24.《ネタバレ》 トミーリーはさすがの存在感。こういう元軍人で父親役とか最高に上手です。イラク戦争を違う観点から描いており、とっても引き込まれる巧いつくり方で一気に最後まで観てしまいましたね。でもなー、同じ仲間をあんな残酷な殺し方するもんかなぁ?それだけ「壊れてた」ということかなぁ。なかなか意味深い内容でゴザイマシタ 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-08-12 16:59:27) |
23.《ネタバレ》 無残なバラバラ焼死体になった無断離隊の息子の真相を父親と女刑事が必死の形相で調べ回ります。ポール・ハギス監督特有のぼかした結末が腑に落ちないです。 【獅子-平常心】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-10-27 00:19:46) |
22.《ネタバレ》 この映画を観て思い出したのが、政府が自衛隊イラク派兵したとき帰還兵の中に数十人だけど自殺者がいたということ。戦争で得をすることはほとんどない。奪ったものは謳歌するが、それもつかの間。すぐ奪い返される。このイタチごっこ、人間はこの部分だけ学習能力がないね。私がトミーリージョーンズの息子マイクについて思うことは本国にいるときから、ある「癖」を持ってたのではということ。子供を跳ねたのはまだイラクに来たばかりの病んで無い時期。だが車から降り写真を撮るときの表情は法悦してるようにも見える。そして捕虜を傷めつける。やがて仲間からはドクと名付けられる。やはりサディスティックな面を最初から持っていたと思う。マイクを刺した兵士や、いつもマイクと喧嘩していたメキシコ人はそういった「癖」にうんざりし、潜在的な部分でマイクに殺意を持ち続けていたかもしれない。マイクはいつも一人でいたという証言がある通り。 【カップリ】さん [DVD(字幕)] 5点(2011-02-05 08:31:44) |
21.役者陣の素晴らしい演技が印象に残る。トミー・リー・ジョーンズははまり役ですね。 【のははすひ】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2010-12-14 23:28:46) |
20.平和ボケした日本人には実感しにくい内容なんだよなあ。ベトナム以降なくなりそうでなくならずにポンとでてくるんで依然アメリカの病巣ということになるんだろうなあ。戦争が人間性なくならせて、戦士を異常なものにしてしまうという演出はちらばっていて印象には残るが。なので、日本人にとってはトミーリーの悲哀哀愁の質の高い一人芝居を観るのが主になってしまう。 【タッチッチ】さん [DVD(字幕)] 5点(2010-07-19 12:46:27) |